2008年から始まった『陸王』も、2017年の今年で10年目。大きな節目といえる10回目の決勝戦は、霞ヶ浦水系で行われた。9代目王者・伊藤巧が前人未到の連覇を達成するか、初代陸王・川村光大郎が王座に返り咲くか、はたまた山田祐五・市村直之の初出場組が台風の目となるか…。本記事では、4人のファイナリストが決勝戦で使ったタックルセットの一部をご覧いただこう!
「用意できるタックルは5セットで、持ち歩けるのは2セット」というルール変更が行われた今回の決勝戦。これまでは厳選した2セットで戦っていたアングラーだが、タックル数の増加は戦略にどのような影響を与えたのだろうか。以下では各選手のメインセットとして活躍したタックルについて紹介する。
[1st WINNER] 伊藤 巧 〜2連覇を目論む若きロードランナー〜
〈ロッド〉ロードランナーストラクチャー ST700H”3/8-3/4 ラバージグ&テキサス” [ノリーズ]
狙ったのは30メートル沖、最大水深は2.5メートル。使用リグは21グラムシンカーのヘビキャロでリーダー1.5 . 1.8メートル。ほぼ竿1本分の長さをさばくと共に、遠投した先での鋭いリアクションをワームに伝えるべく選んだ1本だ。
〈リール〉 メタニウムMGL HG LEFT[シマノ]
初日はセカンドブレイクからファーストブレイクへまで一気に飛ばすタテ方向のリアクション。2日目はボトムを狙いヨコ方向。瞬間的なバイトに対応すべく選んだのはハイギア。その軽量感は軽快な操作性にも繋げている。
〈ライン〉シーガーR18フロロリミテッド ハードBASS 14ポンド+シーガーグランドマックス2号[クレハ]
2号は一般的に8ポンド相当。ワームのよりナチュラルなアクションを追求すると共に、万が一の際は捨て糸としての役割を担う。とはいえ、クレハ最強のフロロハリス。複雑なボトムでの強度はもちろん、感度も実に高い。
[2nd WINNER] 川村 光大郎 〜今こそ取り戻せ! 岸釣り最強の称号〜
〈ロッド〉スティーズ661 MFB-SV ウェアウルフ[DAIWA]
ベイトフィネスによるワーミングに適した、軽量&高感度の1本。ネコリグやスモラバのマイクロピッチシェイクにベストマッチ。「従来よりもタックル数を増やせるということで、ネコリグとスモラバの専用タックルを組めました」。
〈リール〉SSエア・SLPワークス シャッドチューン[DAIWA]
軽量ルアーを快適に扱えるベイトフィネス専用リール。今回はネコリグとスモラバ専用としてタックルを組んだが、1台でのバーサタイル性を上げるためにギア比を6.3に下げたSLPワークスシャッドチューンでセット。
〈ライン〉スティーズフロロ Type-フィネス10ポンド[DAIWA]
フィネス専用設計のフロロラインで、7ポンド以上はより感度と強度をアップさせたハード仕様になっている。霞ヶ浦水系でのスモラバやスナッグレスネコリグの釣りでは10ポンドが標準の太さになってくる。
[3rd WINNER] 山田祐五 〜カスミに降り立った琵琶湖の鉄人〜
〈ロッド〉サイドワンダー ボアコンストリクター HGC-77XS/GP[デプス]
プラでのバスの反応を見て足したロッド。重量級の巻き物に対応したロッドで、Bカスタムチャター1/2オンス&ブルフラット4.8インチというバルキーな組み合わせも使用。イヴォーク1.2やジグスピナーもこのロッドで対応した。
〈リール〉アンタレス DC HG-RIGHT [シマノ]
リールは最高峰の飛びと堅牢さを約束するアンタレスDCに、ハンドル部はスタジオコンポジット製ハンドルに換装。基本的に左巻きをメインに使うというが、今回は「たまたま右巻きが付いていた」という理由でそのまま使用。
〈ライン〉シーガー R18 フロロリミテッド 20ポンド[クレハ]
「フロロラインはシーガーR18フロロリミテッドが一番」というほど山田さんが信頼しているのがこのライン。超重量級のビッグベイトをフルキャストしてもキャスト切れを起こさない優秀なラインだ。太さは20ポンドが標準。
[4th WINNER] 市村 直之 〜岸でも強い実力派トーナメンター〜
〈ロッド〉インフィニット ブレード IBC-610M [ism]
低弾性による素直なティップでキャスタビリティは抜群。一方でベリー.バットは荷重をガッチリ受け止めファーストテーパーに仕上げた。「基本的にはワイヤーベイトスペシャルだが、どんなルアーも扱いやすい幅がある」。
〈リール〉メタニウムMGL HG LEFT [シマノ]
「この水系でチャターを巻くのが好き。ただ注意したいのはバイトが俊敏なこと」。クイ横やブレイクのエッジ等で訪れる瞬間的なバイトを掛ける610Mと、掛けたら即座に引き寄せるハイギアは名コンビ。軽量感も貢献。
〈ライン〉エクスレッド13ポンド[東レ]
ワイヤーベイトを想定したため、ラインは根ズレに強いフロロカーボンで13ポンドの強度。今戦はダッジにも流用したが、本来はIBC-610MHで使用。その際は14ポンド以上への強度アップも図るという。
2日間にわたる頂上決戦の行方やいかに?
10年目の岸釣り頂上決戦『陸王2017チャンピオン・カーニバル』、肝心の決戦の様子は『ルアーマガジン2018年1月号』にその一部始終をたっぷり掲載。ここでは編集を担当したルアマガ総合プロデューサー・マイケル野村のツイートを引用することで、そのエキサイティングな内容の紹介に代えさせていただければと。
クソなこともいいことも毎日山盛りですが、今のところいいことの方が多い台東区で労働中。次号ルアマガ、陸王の原稿書いてて久しぶりに泣きそうになった。それぐらい思い出に残る取材でした。
— 野村・ルアーマガジン総合プロデューサー (@michael072) 2017年11月16日
編集後記を書きながら感極まってしまうという異常事態w
— 野村・ルアーマガジン総合プロデューサー (@michael072) 2017年11月17日
陸王決勝戦、先ほどようやく完成しました。久しぶりに大変だったけど、大変さを上回る面白さを手に入れた感じです。4人のアングラーそして関係者の皆様に感謝します。まだまだ辞めるなってことですね。
— 野村・ルアーマガジン総合プロデューサー (@michael072) 2017年11月18日
最後にひと言だけ付け加えたい。すべてのバス釣りファンよ、必読!!
『ルアーマガジン 2018年1月号』をざっくり紹介すると…
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第1特集:陸王チャンピオンカーニバル『10年目の岸釣り頂上決戦』
大きな節目を迎えた『陸王』10回目の決勝戦@霞ヶ浦水系。9代目王者・伊藤巧さんが前人未到の連覇を達成するか、初代陸王・川村光大郎さんが王座に返り咲くか、はたまた山田祐五さん・市村直之さんの初出場組が台風の目となるか…。優勝カップは果たして誰の手に⁉
第2特集:ボウズノガレマニュアル
バスフィッシングにシーズンオフはないと言うけれど、師走の足音が近づいて「そろそろかな…」なんて考えている人も多いはず。今シーズンの釣り納めに「とにかく1尾!!」のマニュアルです。
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