バスを釣る上でルアーやタックル並みに欠かせないアイテムが「偏光グラス」。「自分、持ってますから…」というアナタ、そのレンズ、ホントに自分の“眼”に合っている? そこで、偏光レンズの専門家が状況別推奨カラーをセレクト。この夏、偏光で釣果が上がる(ハズ)!
釣りのエキスパートにして、偏光レンズの専門家・薮下剛さんにホンネ直撃!
当たり前ながら、偏光レンズが搭載されたサングラスが「偏光グラス」。釣りにおける役割は、水面のギラつきを抑え、水中の魚や地形を見やすくすること。さらに、強い日差しや紫外線をカットして眼病予防。また飛んでくるルアーから眼を守る防護の役割もある。
そんな偏光レンズには、さまざまなカラーが用意されていて、シチュエーションによって見え方が劇的に変わる。その知りたい「劇的な見え方」を、伝授してもらおう!
【小雨の波紋】波紋の乱反射を消しつつ明るく見えるカラー
雨の日は薄暗い上に水面は雨粒の波紋で水中が見にくい状況だ。
「雨が水面を叩くと波紋が立ちます。それが乱反射して水中が見えにくくなります」
その乱反射を消すのが偏光レンズの役割ですよね?
「レンズの偏光度が高いほど乱反射は消しやすい。でも偏光度が高いほどレンズは暗くなります。雨ということは基本的にはローライトで、レンズが暗いと水中は見えにくくなる。この状況にドンズバなのが『イーズグリーン』です」
「イーズグリーンは可視光線透過率40%。要は光を通す量が多く、薄暗い状況でも明るく見えます。個人差はありますが、雨の日でもクリアウォーターなら水深4、5メートルのボトムが見えます」
【風の波立ち】光量が多いほど波っ気の乱反射は強烈
晴れて風が吹き、波っ気があると水面はキラキラ光る。
「風による波の乱反射は、オープンウォーターで起こりやすいですよね。むしろベタ凪で水面が鏡という状況のほうが少ないです」
風波の立つ状況で見やすいレンズカラーは?
「オープンウォーターでウィードエッジなど水中の変化を見たいなら、波っ気の乱反射を消さないといけない。さらに光量変化にも対応しやすいカラーが向きます。おすすめは『トゥルービュースポーツ』ですね」
「トゥルービュースポーツは、明るすぎず暗すぎず、バランスが良い。幅広い状況に対応しやすく、晴れ、曇りと光量がコロコロ変わっても乱反射を消して、ナチュラルな視界を確保できます」
【ステイン〜マッディ】ぼんやり見える黒い影が釣果の分かれ目
濁っていても偏光レンズは有効?
「マッディだと水中は見えにくい。でもバスを釣るには、水中の変化を狙わないとダメ。偏光をかけると沈みものなどの黒い影がぼんやり見えて、『何かあるな!』と水中の変化を見つけやすくなります。スイムベイトの釣りもバスのチェイスやバイトが見やすくなり、例えば水面下1メートルを引いて追うけどUターン。次のエリアでは、そのレンジでヒラを打たせるとか、変化が見えることで次の狙い方が展開できます」
「マッディで水中に変化や魚のチェイスなど『何かあるな!』と認識しやすいのがこの2色、「アクションコパー」と「ラスターオレンジ」。日中に太陽光がしっかりあるときはアクションコパー、明るめの曇りや小雨のときはラスターオレンジが同じ特徴として使えます」
上に挙げた以外にも、「陸っぱりでは?」「ローライトでは?」「老眼や近眼には?」など、様々なシチュエーションが考えられる。『ルアーマガジン2018年8月号』では、「超現場主義的レンズカラーセレクト術! サイトを極める偏光レンズ」にて、もっと気にナル釣りシチュエーション&見え方改善のメソッドを大公開! そちらもぜひ参考にしてほしい。