思い立ったら釣日。初めての渓流エリアを探検釣行してみた【やまけんの“釣りに行ってもいい?”#08】



「釣れる魚はなんでも釣る。釣れない魚はなんとかして釣る」をモットーに、魚を求めて東西南北どこへでも行きまくる道具道楽アングラー・やまけん氏による連載企画「無節操アングラーやまけんの”釣りに行ってもいい?”」。今回は北関東某所、初めて訪れた渓流エリアを探検釣行。真夏の光をたっぷり映した写真とともに振り返る。

夏ヤマメは1里1尾?

今年の夏は本当に暑かったですね。

今回は、たまたま北関東に行く用事があったので、そのまま延泊して初めてのエリアを探検釣行してきました。

僕が大好きなヤマメやイワナは「冷水魚」。強い日光が早い時間から渓流に差し込み、水温の上昇しやすい夏は少し釣るのが難しくなるというのが定説です。

1里(約4km)に1尾しか釣れないと言われるくらいなのですが、それでも釣りに行きたくなってしまうのが釣り人の性というものでして(苦笑)

釣れても釣れなくても、釣りに行く(準備も含めて)だけでだいたいご機嫌なのですが、もちろん釣れた方が嬉しいのは間違いありません。

ただ、猛暑真っ盛り、しかも知らないエリア…。「夏ヤマメは1里1匹」という言葉が「ダメで元々」の根拠(というか言い訳)になる!

よーし、釣れなくてもいいやー! という感じで釣りに行く理由を無理やり積み上げての釣行です。

地元の情報に流されてみる。

釣行前日は釣りをしない地元の人たちと楽しい飲み会でした。その場で僕が「明日、適当にアタリをつけて渓流に釣りに行く」という話をすると、「釣れるかどうかは知らないけど○○地区に綺麗な川があるよ」という情報をゲット。

飲みつつスマートフォンでマップと航空写真を確認・・・これは良さそう。

ということで、どうせ何も知らないエリアなので、言われるがままにその川を目指すことに。河川名で検索をかけてもあまり釣行記録は出てきません。ただ漁協はしっかりあるので、釣りはできる風味。

翌朝コンビニで釣券(最近はコンビニで当日釣券が買える漁協さんも増えてます。便利っ!)をゲットしつつ、少し遅い出発になってしまいましたが目的の川を目指します。

途中いくつか川を横切るのですが、数日前の台風影響からかどこも茶色の流れで増水気味…。うーんタイミング悪かったかなぁ…。不安になりながら目的の川の最下流部に到着。橋から川を覗くと…、

増水は見てとれますが水はクリア! これは釣りになる!

はやる気持ちを押さえつつ、ウェーダーに足を突っ込み準備。まずは、まだまだ里川という流れがあまりきつくないエリアから探ってみることにします。

とりあえず下流から?

僕が初めてのエリアを探る時は、下流域でヤマメがそろそろ居なさそうな里川エリアから上流を目指して探ります。大きな淵や堰堤の流れ込みなど、水深が深く流れの効いている場所をポンポンとテンポ良く撃ってみて、どの辺りからヤマメの反応が得られるかを確認します。

ザブンと浸かった時の水温、冷たいか温いかは少し気にしますが、ヤマメ・イワナが釣れる水温というのは、ある程度の幅で決まっているものの、絶対的ではないと思います。前日から当日にかけてどんな変化があったかという”相対的”なものだと考えているので、参考程度に留めておきます。

とはいえ、全国的な猛暑でどこの川も温かくなってしまっている今シーズン、ザブンと浸かって「冷たい!」と感じられたので、この川は期待大です。

下流部は水温は良さそうでしたが、流れが緩く水深も浅いところが多かったので、ちょこちょこチェックしながら段差が出るエリアまで車を走らせます。

次に入ったエリアもクリアながら増水。本来は河原に生えているはずの植物が水没しているので、「轟々と砂利を流してしまうほど増えてはいないけど浸るまでは増えた」というように、周囲から状況を推測します。

・・・と、観察しながら釣り上がっていくと反応アリ! きれいな1尾が流れから飛び出して来ました。

お腹パンパン(ゴツゴツとしているので内容物は虫のようです)、しかも速めの流れからルアーを追ってのバイトだったので、なかなか活性も高そうです。

この1尾をヒントに、流れと水深を絞り込みどんどんラン&ガンします。いい感じで魚が反応します。エリアを絞りこめた証拠なので、次は丁寧に流れの変化やボサ下などの撃ちにくいところにも投げていきます。

反応が鈍ったらルアーチェンジしたりと、ペースを落として取りこぼしのないよう丁寧に探ります。一見底石がなく付き場の少なそうなポイントも、岩盤の形状が生む流れの変化や砂利底の駆け上がりなどの小さい変化があるので、丁寧に丁寧に。

次々と反応が得られて、元々の「夏ヤマメは1里1尾だから釣れなくてもいいや」はどこへやら、ひたすら真夏の川を汗だくになって釣り上がってしまいました。

途中、川筋が小さくなってきたあたりでタックルチェンジ。ショートロッドで山岳渓流の雰囲気が出てくるエリアまで釣り上がっていきます。

同じ川でも釣れる場所によってヤマメの姿は実に多彩。

釣っては撮影、釣っては撮影を繰り返して、あっというまに日没に。なんだかんだと実に良い釣りを満喫できてしまいました(^_^)v

釣りに行かない理由がいくらでも見つかるように、釣りに行く理由もいくらでも見つかります。

どちらをチョイスするかは自由。

僕は「思いたったが釣日」。なんだかんだと”行く理由”を見つけては釣りに行っちゃう派なので。

〈了〉



今回のタックル

やまけんプロフィール

やまけん(山犬):道具道楽アングラー。魚を求めて東西南北どこへでも! モットーは「釣れる魚はなんでも釣る。釣れない魚はなんとかして釣る」 釣具メーカー「TRY-ANGLE」代表。

【釣りビジョン「トラウトギャラリー」やまけん出演のお知らせ】
開発中のロッドから好評発売中のリールやルアーまで、トラウトタックル&釣果満載で放送中です!
・番組名:トラウトギャラリー(釣りビジョン)
・初回放送:2018年8月26日(日)22時〜(再放送日などは番組HPをチェック!)
・出演:やまけん(TRY-ANGLE)
・番組HP:https://www.fishing-v.jp/trout_gallery/

[ルアマガ+]関連記事