陸王名勝負列伝!【陸王2008 AUTUMN STAGE PART.4 江口俊介 vs 金森隆志 紀ノ川水系[DAY.1 江口俊介]】



1年間のバス釣り最強を決める! 国内で活躍する人気アングラーたちが1年間を通して陸っぱりのブラックバス釣りで勝敗を争う、『ルアーマガジン』誌の名物企画「陸王」が始まって約10年。頂点を極めようというハイプレッシャーな戦いの数々は、いずれも名勝負ばかり……。そんな陸王の戦いの歴史からこれは! という名勝負を当時の記録のままご紹介いたします。今回は『ルアーマガジン』に金森隆志さんが初登場という勝負。対するはご存知、江口俊介さんという好カード。その結果は如何に……。

※本稿は『ルアーマガジン2008年10月号』掲載記事を基に再構成しています。
※本記事公開時点と現在とは事実関係等について一部異なるものがありますが、誌面掲載当時の内容を優先しています。

陸王2008 AUTUMN STAGE PART.4 INDEX



陸王2008 AUTUMN STAGE PART.4

陸王2008の予選もついに最終戦。今回はJBトップ50で活躍中の若手トーナメンター江口俊介と、ルアマガ初登場の岸釣りアングラー金森隆志という異色の取り合わせ。対決の地は和歌山県紀ノ川で、2人とも初のフィールド。激タフのメジャーリバーで、若手2人が熱い戦いを繰り広げる!

今回の対戦ルール

今回の対戦者

■TOP50仕込みのスモラバテクニシャン
江口俊介(えぐち・しゅんすけ)

JBトップ50で4勝という快挙を成し遂げた期待の若手。大人気スモラバ、「エグジグ」の設計者でもある。

■岡山が生んだ岸釣りの星
金森隆志(かなもり・たかし)

独自のスタイルでビッグフィッシュを次々とキャッチする岸釣りアングラー。彼がデザインしメガバスから発売されたワーム「TKツイスター」も人気。

今回の対戦地

今回の対決の舞台は和歌山県紀ノ川。古くからバスの生息が確認されている超メジャー場だ。最寄りのインターチェンジは阪和自動車道和歌山IC。

DAY.1 江口俊介【初日】
前半はこまめにエリア移動「川バスはタイミングですよ!」

「プレッシャーの高さは気にしてないです」

紀ノ川は古くからバスが釣れることで知られているが、最近はメディアにまったく登場していない。前日に立ち寄ったショップでも、地元アングラーは紀ノ川よりむしろ周辺のダム湖に通っているという。ということは……。

が、初日。江口さんの表情には自信がうかがえた。「魚はスレてるけど、個体数は多いみたいなんですよ」と。ふだんから数メートルおきにボートが浮いているような状況で釣り勝っているので、スレた魚を相手にするのはそんなに難しくはないのかもしれない。

PEラインとフロロカーボンのリーダーを結ぶのに使用していたナショナル・ラインツイスター。「僕のパワーフィネスには必需品です」。

陸王2008 AUTUMN STAGE.4 DAY.1 江口俊介スタート!

5時12分。最初のポイント、国道24号線の橋脚①(※ポイント概略は後述)に到着。まずはエグジグをキャスト。着水後軽くシェイクしながら流れに乗せてバスの反応を確かめる。続いて岸と並行にスピナーベイトをリトリーブ。そして移動。

「フィーディングしてないし、朝イチからはあんまり釣れない感じだったんで」

まずはエグジグで

[05:38]江口さんは右手で投げて右手でハンドルを巻く。すばやくジグを回収したいから、というのが理由だ。

場所の見切りは非常に早い。そして対岸の支流周辺②、③をチェックし、田井ノ瀬橋周辺④へ。流れはかなり早く、いちばん深いところでも水深2~3メートルといったところだろうか。時折小魚が何物かに追われている場面に遭遇するが、残念ながらフルキャストしても届かない対岸でだ。

アユが多く生息しているということで、ハドルストン8inも投入。が、残念ながら反応なし。

この時点で7時50分。開始から3時間ほどノーバイトで、やや焦りの色がみえる。

と、その時。下流に船が現われ、対岸で投網を投げ始めた。一瞬落胆したように見えた江口さんだが、「もしかしたらこれで魚が動くかも……」と岸沿いにキャストを決めた直後、ロッドが大きく曲がった

デカいっ!!

[07:55]魚は思ったよりも大きく、4ポンドラインが音もなく切れた。「パワーフィネス用のタックルじゃなかった……」

ドラグはジリジリと音を立てて、ラインが引きずり出される。魚は流れに乗って、抵抗をやめない。一瞬だけ見えた魚体は、小さく見積もっても45cmはあるだろう。だが、ラインが急にテンションを失った。

「切れちゃいました……」

ブロック際で……

[08:57]ロッドはミディアムヘビー、メインラインはPEでフロロ8ポンドをリーダーというパワーフィネス仕様でブロック周りを探る。

ラインブレイクをキッカケに、新しいエリアに移動⑤。消波ブロックが入っており、流れはおだやかだ。

「結構バスが見えますねー、おっ、食った!」と、釣り始めてすぐに紀ノ川の初バスをキャッチ。続いて9時10分、9時17分とスリムセンコーのジグヘッドワッキーで連続ヒット。

1尾目ゲット♪

[08:59]31cm440g。スリムセンコーのジグヘッドワッキーで1尾目をキャッチ。この1尾ではずみがついた。

立て続けに2尾目

[09:10]26cm310g。2尾目はやや小さめ。だけど貴重な1尾だ。

ジグヘッドワッキーで連続ヒット!

[09:17]3尾目26cm30g。ワンエリアで短時間で3尾キャッチ。「ここの魚はジグヘッドワッキーが好きみたいですね」




時間節約!

[12:43]「店に入る時間がもったいないんで」と昼食はコンビニの駐車場で。5分で食べて、すぐにエンジン始動となった。

あと1尾?

[15:48]26cm310g。川辺橋周辺で。アイシャッドの水面早引きでキャッチ。いいペースで数を重ねていく。

その後、川辺橋周辺⑥でアイシャッド2.8inのノーシンカーリグでリミットメイクに成功。水面直下をノーアクションで引く「i字系」の釣りではなく、トゥイッチを入れて激しく水面を泳がせていた。

「スローに誘っても食わないから、リアクション的に狙ってみました」とは江口さん。16時過ぎで、5尾で1660g。残り約3時間。一発入れ替えがほしいところだ。

リミットメイク!

[16:04]25cm300g。見事リミットメイクに成功。あとはどれだけサイズアップできるかだ。頑張れエグシュン!

「今日はマメ5尾かあ……」がしかし!

明日のヒントがつかめました!

「もうキーパーサイズはいらないもんな……朝イチの場所に行ってみます。フィーディング始まってるかもしれないんで」。だが、それは徒労に終わった。時間は刻々と過ぎていく。

「やっぱあそこかな……」。最後に向かったのは再び北田井ノ瀬橋周辺⑦。午前中に45cm級をラインブレイクした場所だ。

アイシャッドやバズベイトで水面を素早く広範囲にチェックしていく。そして水面が割れた!……だがフッキングしない。それが何度も続いた。「たぶんハスですね……」。

残り時間は10分を切った

「ちょっと違うことやってみます」と、ゲーリーシュリンプのテキサスリグをキャストした。

「ウイード生えてるんだ!?」と、次のキャストに移る。そして……。

キタッ!」という声と同時に抜きあげた。最後の最後にヒットしたのは見事な40cmオーバーだった。

「もしかしてコレかぁ?」ここでタイムアップとなったが、江口さんは何かをつかんだようだ。

アプローチは慎重に

[17:55]到着後すぐに岸へは近寄らず、遠めからキャスト。岸にいる魚を驚かさないためだ。

夕暮れの一撃!!

[18:52]41cm1140g。「やっと釣れましたね……」。終了間際、テキサスリグに替えてすぐに反応があった。この1尾が明日へのカギとなるか?

1日目江口さんの結果!

ラストの魚がヒントになりました。明日もがんばりますよ!

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陸王2008 AUTUMN STAGE.4 DAY.1 MAP

ポイント移動を繰り返した初日の江口さん。初めての釣り場でも、反応の悪いポイントはすぐに見切って次へ移動し、よさそうな場所は時間を変えて入り直していた。

【江口さん初日の軌跡(緑)
① 国道24号線の橋脚
② 直川周辺
③ 直川周辺
④ 北田井ノ瀬橋周辺
⑤ 消波ブロック帯
⑥ 川辺橋周辺


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