陸王名勝負列伝!【陸王2008 AUTUMN STAGE PART.4 江口俊介 vs 金森隆志 紀ノ川水系[DAY.1 金森隆志]】



過去の陸王の戦いの歴史からこれは! という名勝負を当時の記録のままご紹介している『陸王名勝負列伝』。今回は2008年秋の4試合目。紀ノ川水系で江口俊介さんと金森隆志さんが激突、『ルアーマガジン』に金森隆志さんが初登場という勝負。初日、カナモさんサイドの様子をお送りいたします。

※本稿は『ルアーマガジン2008年10月号』掲載記事を基に再構成しています。
※本記事公開時点と現在とは事実関係等について一部異なるものがありますが、誌面掲載当時の内容を優先しています。

陸王2008 AUTUMN STAGE PART.4 INDEX



対戦レギュレーションは初回をご参照あれ!

DAY.1 金森隆志【初日】
自分の釣りが出来るロケーション。まず、それを探す。「目標は2600グラムで」

本誌初実釣の金森隆志! どんな釣りを見せるのか

さて、若手トーナメンター最強と謳われる江口俊介に対するのは、陸っぱりスターとしてメガバスを引っ張るカナモこと金森隆志。本誌実釣取材では初めての登場となる金森さん。読者の皆さんも、他誌メディアで活躍中の彼のことはご存じの方も多いだろう。さて、彼がどんな釣りを見せるのか。本誌読者も興味がそそられるところ。

試合当日、4時30分に和歌山市内のホテルをスタートした金森さん。まずどこへ行くつもりなのか?

「まず、川辺橋周辺①に向かいます。前日のリサーチで、でかいのがいると聞きましたんで。とにかく良型をそろえたい。目標は2600g。2~3尾かな」

5時00分に川辺橋に到着。急ぎ足で川の様子を見に行く。

[05:00]川辺橋下ワンド。中洲に移動したりと状況を確認しながら釣りをする。魚影はあるが、口を使わない。

「昨日より、若干水が増えてますね。スコールがあった影響は大きく出てないようですね」

そういって、慎重に水際に向かう。そこで、何尾か良型のバスを見つけてアプローチするが、反応はない。

「水温が昨日より下がってる感じ……。1~2度以上の下がり方かも。となると、シビアかも……」顔をしかめる金森さん。

「バスがニュートラルで、見えるベイトも緊張感がない」

そういってピョンピョンリグと自身が名付けたメガバス・エクスレイヤー(ワーム)を水面で逃げまどう小魚として演出するテクでバスの活性を上昇させる。

「このリグはルアーが水面下に没しないので、スレさせないでバスの活性を上げられるのですが、ここでは反応が……あ、バイトした!」

静まりかえっていた水面がにわかに騒がしくなったものの反応はこの1度のみ。一度、川辺橋を離れて、川辺橋上流のクリーク②へ移動することになった。

移動……

「これはもう移動しかないです」

川辺橋上流にあるワンドに入った金森さん。立ち込むことで、狙えるポイントを広げて緻密な釣りを展開していく。

TKツイスターヘビーコアミクスチャー【メガバス】にチェンジ。オーバーハングやブッシュ下をアプローチするときに活躍したのがTKツイスター。このモデルはTKの他のモデルよりも、重めで素材にハリがあるとか。

自分の釣りで良型をゲット! 落ち着いたか!?

川辺橋上流のワンドに移動したのがちょうど7時12分。ブッシュやシェードがあるエリアで、金森さんが得意とするシチュエーションだとか。

「地元岡山県でやっている釣りが出来る」と、静かにワンドに立ち込む金森さん。正確にそして、確実にバスが着きそうなスポットにルアーを入れていく……。使用しているルアーは自身がプロデュースしたTKツイスターをノーシンカーでアプローチ

7時50分、沈黙していた水面がいきなり割れて、待望の1尾が金森さんの手に。47cm、1020gのバスだ。

[07:50]47cm1020g。正確無比なアプローチで対岸ブッシュ下から引きずりだした1尾。金森隆志だからこそ釣れた一尾かもしれない。

「ブッシュの際、ギリギリに落としてフォール中でしたね」

圧巻だったのはこの次の1尾。

[08:43]48cm1000g「スポットにステイさせる感じで、怒らせる音を出して反応させました」ITジャックJr.は金森さんが信頼を置くルアーのひとつ。「いやあ、出来すぎです。でも、ちょっとさっきの魚といい細いですねえ」。

「このルアーで出るならあそこです」と宣言しての、48cm1000gのバス。

使用したのはITジャックJr.で、バスを怒らせて釣ったという会心の一撃。ただ、「サイズのわりに細いですねえ」と金森さん。

ITジャックJr.【メガバス】


田井ノ瀬のクリークに移動、得意の釣りに活路はあるか?

とはいえ、いいペースでウエイトを重ねているのだが……。ひととおり、ワンドのポイントを打ち切った金森さんはこのポイントを離れ、下流、田井ノ瀬に流れる直川のクリーク③に移動することにした。

紀ノ川に流れ込むクリーク。「普段やってるフィールドに近いので普段通りの釣りをします」

移動したのが10時20分。クリークでも良型を見つけて粘るが、追加できたのは30cm380gと小型のバス。本流にも入るが、もう少しウエイトが欲しい……。

田井ノ瀬のクリークでは雷魚の姿も多く見られた。

[11:30]30cm380g。50cmクラスの魚をトップで反応させるが釣れず。釣れたのは小型のバス。ブッシュの奥からTKで。


再び川辺橋へ

そして、昼食のあと、午前中に良型のバスを見つけたものの、口を使わせることのなかった川辺橋のワンド④への移動を決行した。

「あそこの、バスをなんとかして釣ります」

そして、その宣言通り?ついに50アップ陥落!

[15:24]朝一番で入った川辺橋下ワンド。午後からは、高台からのアプローチにシフトした。これが功を奏す形になる。

トーナメントクローラーのサーフェスパターンがはまったか!!!

16時15分。水面を割ったバスはサイトで仕留めた1620g、53cm!

[16:30]53cm1620g。53cmなのに、この写真の扱い!サーフェスを8inの巨大ワームで誘うという独特の釣りで口を使わせた50アップ。この釣りがターニングポイントとなった! 金森怒濤の進撃が始まる。

そして16時46分にヒットさせたバスは、同じ釣り方で一発ヒットさせた推定60cmオーバー。もちろん計測していないから、推測の域を出ないが、金森さんがかけた推定60アップは紀ノ川レコード級!?

しかし、そんなに甘くない。ファイト中に首を振られてブレイク。目の前まできてたのに! 残念。横に一緒に浮いていた推定50cmを遙かに上回るこのワンドのボスをヒットさせるが痛恨のバラシ。

そして18時00分にリミットメイクとなる49cm、1560gをゲット! 怒濤の釣果だ。

[18:00]49cm1560g。この魚よりも目視で、一回り大きかったのがヒットさせてばらした魚。この魚が小さく見えた。紀ノ川のポテンシャル恐るべし。写真の魚は50cmに届かないが、コンディションのいい、堂々たる一尾だ。

「釣り方ですか?全て、トーナメントクローラーの8inをワッキーがけして、表層シェイクで。この水面での怒らせテクがハマりました!ワームの頭に軽めのネイルシンカーを打ち込むんですが、サイトで最近釣れるんですよ!」

【初日結果】50アップと40アップで金森優勢。江口巻き返しなるか!?

できすぎです。明日も同じ釣りができるか、わかりませんし……。

ラストの魚がヒントになりました。明日もがんばりますよ!

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陸王2008 AUTUMN STAGE.4 DAY.1 MAP

狙ったポイントは、4点。腰を据え、時間をかけてポイントを緻密に攻略していくのが金森スタイル。パフォーマンスは派手だが、釣りは盤実で緻密。その釣りを支えるキャスト技術も秀逸だった。

【金森さん初日の軌跡(オレンジ)
① 川辺橋周辺
② 川辺橋上流のクリーク
③ 直川のクリーク
④ 川辺橋のワンド


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