バスフィッシングにおける全ての要素を“高水準にこなす”ロッド[がまかつ/ラグゼ ゼフィロス]



がまかつより新たなロッドシリーズ、「ゼフィロス」が誕生。ロッドのコンセプトを監修したのは、JBトップ50で活躍した五十嵐誠さん。このロッドの特徴と強み、そしてロッドに込められた思いを野尻湖の実釣で解説していただいた。



目指したのは何かに特化した竿ではなく、“全ての要素の高水準”

五十嵐誠プロが手がけるがまかつの新たなロッドシリーズ、ゼフィロス。まずはこのロッドのコンセプトからうかがった。

五十嵐さん目指したのはバランス感覚に優れたロッドです。各シリーズに、やりたい釣りを設定して、それに合わせたバランスを追求しました。バランスというのは、ロッドの重量とかではなく、力のバランスですね。強すぎず、弱すぎずの力関係です。ここで言う強さ・弱さとは使うルアーに対して、する釣りに対しての強弱です。ルアーとロッドのバランスを合わせることに重点を置きました」

各ロッドが目指した釣りに最適なバランス感覚を、実際に形にするのは容易ではない。

五十嵐さん「パワー重視とか感度重視とか、ある意味で偏ったロッドが多い中、バランスよくロッドを組み上げるのって一番難しいと思うんです。バランスのいいロッドを作るのは、作り手のバランスが良くないとできないと思う。自分で言うのもなんですが、トップ50で全国をトレイルしてきて、いろいろな場面を経験してきました。その自分のバランス感覚がロッドを通して伝わればいいなと思っています」

高いバランスのキモは適度に配合されたグラス素材

ロッドのブランクスはどのような特徴があるのだろうか。

五十嵐さん「シリーズ全てに共通しているのは、世界最強クラスの高強度・高弾性カーボンのトレカ®T-1100Gという素材を使ってること。使ったフィーリングは、まず持ってわかるのは軽さと、高弾性の反発力による感度の良さ。でも、感度が良すぎてもダメで、少しぼやかせる部分も必要で、少しグラスを混ぜています。例えば、ロッドがパリパリすぎると、情報が伝わりすぎてしまう」。

ブランクスには高強度・高弾性を実現するカーボン素材、トレカ®T1100Gを採用。さらに、絶妙なしなやかさを加えるためにグラスを適度に配合。軽量かつ扱いやすいロッドに仕上がった。

グラスを配合することで、感度と軽さ、そしてしなやかさを高次元に両立している

五十嵐さん「例えば、軽いシンカーでボトムを探った時に、ガツガツと伝わりすぎると当たりすぎると小さなアタリを見逃してしまうこともある。だから、ボトムなのかアタリなのか、その境目がわかるようにしたいんです。グラスを混ぜることで、丁度いい感度に仕上がっています。その割合はモデルによって少しずつ変えて、それぞれがベストバランスになうようにしました」。

トレカ®T1100Gは、軽さと感度、そして高い反発力を生み出す。グラスを配合することで、現場での最適な感度の伝わり方を実現している。




シャープかつしなやかで操作感良好。反発力もあるのでアキュラシーも抜群。

スモールマウスだけじゃなくあらゆるレイクで使って欲しい

取材当日はスポーンからアフターへと回復しつつあるタイミングの野尻湖で、いろいろな釣りにバスが反応してくれた。次々と曲っていくロッドは、傍目から見ていてもベリーとバットのパワフルさが見て取れた。

スピニングの2機種にソリッドティップを採用。細かいシェイキングを可能にし、ディープエリアでも高精度のフィネスな釣りを実現する。

五十嵐さんゼフィロスの特徴は、フルソリッドのようによく曲がる点ですね。チューブラーは曲がり切ったところ、これ以上曲がらないというところがあるのですが、トレカ®T1100Gは、そこからもうワンクッション曲がる感覚がある。しなやかに曲がり込む印象で、これはファイトしていて新感覚ですよ」

ブレイク沿いをフットボールジグを落としながら巻いてくる釣りで連発。ロッドティップにルアーの重みを感じなら落としていき、小さな違和感のように出るバイトをとっていった。ヒットルアーはエッグボール14グラム(ジャクソン)にスイングインパクト3.8インチ(ケイテック)。このハイアピールのセットが効いた。※B66MH-F使用
ダウンショットのシェイクにはソリッドティップモデルをディープエリアのバスはフォロースティックのダウンショットリグで。魚探に映るがなかなか喰わないという状況を打破した。シンカーは1.3グラム、フックはセオライズハンガーSF#12(がまかつ)。※S60UL-solid.F使用
この日のメインパターンはシャッドキャロのトゥイッチ良型を連続ヒットさせたのはスパット60の5グラムキャロ。リーダーを40センチほどと短くし、トゥイッチの動きを伝わりやすくした。五十嵐さん「強めのトゥイッチが効きましたね。ロッドがしなやかなので、アクション中でもしっかり乗りますよ」※S63L-RF使用

この日はダウンショットやネコリグ、フットボール、シャッドキャロなどがメインになったが、ゼフィロスシリーズは全国の釣りに対応できる懐の深さがある

五十嵐さん「自分はスモールマウスの釣りが多いですが、全国で釣りをしていても使うルアーはそれほど変わりません。各種ライトリグに、ムシパターンにシャロークランク、ライトカバーのベイトフィネス、チャターやスピナベなどですね。全国をトレイルしていた経験を生かして、どんなフィールドでも使えるバランスになっていますよ。軽い使い心地に高感度、それでいて投げやすくてファイトも楽。それがこのゼフィロスですね」。

最後に、ゼフィロスの名前の由来は?

五十嵐さん「ギリシャ神話の風の神様から名前を取りました。自分の名前に嵐が入っていますし、新しい風を起こしたいという気持ちからこの名前に決めました

五十嵐誠のゼフィロス全機種“ひと言”イントロダクション

S60UL-solid.F
五十嵐さん「ダウンショットに適したソリッドティップで、心地良いシェイクと感度が特徴」

S61L-F
五十嵐さん「こちらはネコリグ用で、少し張りを持たせることでリグを操作しやすくしています」

S610L-solid.F
五十嵐さん「ロングリーダーのキャロを扱いやすいロングレングス。スモラバなどにもオススメです」

S63L-RF
五十嵐さん「シャッドなどのプラッギングが得意なレギュラーファスト。シャッドキャロにもOK」

S64ML-F
五十嵐さん「ムシのチョウチンにマッチするパワーフィネスモデル。ジグヘッドワッキーなどもぜひ」

B64ML-F
五十嵐さん「アシ際などのライトカバーで、ベイトフィネスでネコリグを使いたい時はコレ」

B68ML-RF
五十嵐さん「シャッドを扱いやすい長さと調子に設計。軽いシャッドも気ちよく投げて巻けます」

B65M-R
五十嵐さん「レギュラーで乗せ重視の巻き物ロッドで、シャロークランク、チャターベイトなどに」

B66MH-F
五十嵐さん「1本あれば何かと便利な汎用性の高いモデル。ライトテキサス、スピナーベイトがオススメ」

五十嵐さんは野尻湖をベースとし、河口湖や桧原湖などでもガイドを受付中!気になる方はチェックを!!ガイドではゼフィロスに触れることができるかも!!⇩⇩


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