国の借金を国民の借金と嘯き、社会保障維持だなんだと増税を仕掛けた我が日本政府にコンチクショーな昨今ですが、決まったものは仕方がなくないけど仕方ない。10月の増税前に欲しいもの買っとかなきゃ! ということで、我々も増税前のご案内。好評をいただいております、釣人包丁「鯵切」のご紹介です。
初回限定分は完売。地金のデッドストックをかき集めて20本限定でカートオープン
道具に強いこだわりをもつ、われわれ釣り人。それは、釣ってきた魚を捌く道具にも及びます。ルアマガチームでも、いい包丁が欲しいと談義を繰り広げておりましたのですが、本格的でプロも使うようなという包丁になると大阪は堺市の「堺打刃物」に限るという話を耳にします。
そんな雑談を、元料理人のアングラーの方にお話しますと、料理人をやっていた時代にお世話になっていた包丁屋が、まさしく堺にあるよというではありませんか。必要以上にこだわっちゃうチームルアマガ。そんな包丁屋があるなら、理想の包丁作っちゃおうという斜め上のベクトルへ突き進みました。そしてあれよあれよとアポをとったのが堺の包丁メーカー「源正守」さん。
あの銘刀「村正」の制作をルーツに持つ老舗で、御年80歳を超える社長が忙しい中、こちらの話を聞いてくれたのであります。「鯵切?でも、でかいのが捌きたいって? 鯵切は本来、刃渡りも短い包丁やけど15cmくらいにして、なおかつ小さいアジでも大きなアジでも捌ける包丁をデザインしよか」。
堺打刃物は各工程を専門の職人が受け持つ分業制。源正守さんは、そういった堺の職人をまとめて、用途にあった包丁を作り出す元締めみたいな立ち位置。ルアマガチームの要望に沿って、最適な職人さんを紹介してくださいました。
「鋼を焼き入れて、叩いて、そして研いで、柄つけて。全部の工程をちゃんとした職人が伝統の技法で製造している堺包丁ってそもそも少ないんや。市場にはあまり出回らへん。プロに渡ることが多いからな」
でも、時々、堺打刃物ブランドの包丁を見かけますが?
「プレスした包丁の地金の研ぎを堺でやっただけやったり、もしくは他の産地で叩いて、研ぎだけを堺でやったりとかの包丁も実は多いんや。別に他の産地で焼き入れしたかて、モノが悪いってわけじゃないんやけどな。
ちなみにな堺の包丁ミュージアムあるやろ。あそこに展示している包丁でさえ、まともに純正ってやつは展示されてないんちゃうかな。それぐらい、本格的なんは基本プロに渡るぐらいしか製造してないんよ」
で、今回はその「本格的な工程」をぜひ踏んでもらってオリジナルの包丁を作って欲しいのですが?
「わがままやな(笑)なら、本数決めてくれれば、なんとかその枠つくったげるよ。大事なお客さんの紹介でもあるしな」
そんな流れで初回限定50本が生産。そして完売!
もっと複雑なやりとりはあるのですが、ざっくりと開発の流れをご説明させていただきました。そして出来上がった包丁を見てうっとり。ああ、作らせてもらってよかったー。
美しい刃紋は、高級包丁に使われる安来鋼白2号を使用によるもの。マニアな方は1号のほうがいいなんておっしゃいます? いえ。様々なことを加味して相談に相談を重ねて2号がベストと判断しました。釣人包丁を謳っているのに、その素材だと錆びる?
はい。本格的なのが欲しかったんです。一生使い続けられる包丁にしたかったんです。なので、こちらは現場に持って行って使う類の包丁ではございません。釣ってきた魚を自宅で丹念にいい道具で捌くということを念頭に設計しております。手入れをしなければ、他の本格包丁同様に錆びは発生いたします。
通常の出刃とは少々異なり、切っ先は比較的ストレートに設計。15cmの刃渡りながら豆アジから尺超えのアジも難なく捌きます。それ以上のサイズの魚もお試しいただければと思います。捌きやすく細やかな気遣いも。手があたる角は面取りされており、持ちやすさにもこだわっております。
不要な華美は求めず、背の鏡面仕上げにとどめました。柄は朴木。そして貴重な水牛をあつらえました。1頭につき数個しかとれない素材ですが、装飾に贅沢に使用しております。こちらはワンオフものですので、どんな柄の水牛柄になるかはお楽しみです。
その切れ味は語るまでもなく、素晴らしいものです。ああ、包丁が違うとこうも違うのかと驚きを禁じえません。ただ鋭くて切れ味が良いだけではない和包丁ならではの味があります。ぜひ、その部分も実感いただければと思います。そして、その切れ味の持続力もご堪能ください。(切れ味が落ちてきたら小社にご相談ください)
高級な桐箱に納めて出荷しておりますので、ギフトとしても喜ばれます。本格包丁としては、かなりリーズナブルな値段設定にはなっておりますが、そうはいっても高い買い物。過去記事もじっくりごらんいただき、ご納得いただければ、ぜひお買い求めくださいませ!