【職業:バスプロ】青木大介が通勤に使う車【タンドラLimited】



トーナメントの原風景ともいうべき大型四駆+バスボートの組み合わせ。そんなシーンがもっとも似合うバスプロといえばこの人、青木大介さんのアメリカでの釣車を紹介しよう。
(写真提供=大内航基/ディスタイル)

【Profile】
青木大介(あおき・だいすけ)
JBトップ50A.O.Y.、スーパーバスクラシック、エリート5、オールスターなど国内の主要タイトルをすべて複数回獲得。2017シーズンのJBトップ50シリーズにおいて年間2勝を飾るとともに二度目のA.O.Y.を戴冠して国内プロトーナメントを引退、満を持して今季よりアメリカへの挑戦を開始した。2019B.A.S.S.セントラルオープン第3戦(ミシシッピリバー/ラクロス)4位、年間ランキング14位。ルアーメーカー『ディスタイル』代表。



リスクヘッジの選択

1万キロ。

これは、今季からアメリカのトーナメント『B.A.S.S.セントラルオープン』に挑戦している青木大介さんが、現地で全4戦をトレイルした走行距離の概算である。数字だけではピンとこないかもしれないが、札幌から鹿児島までが約2500キロ、それを2往復したと考えればどれだけ長距離であるかイメージが湧くのではないか。

プリプラクティスを含めたトータルなので大雑把ではあるけれど、単純計算で1戦につき2500キロ、片道1250キロもの道のりを“仕事場”へと向かっていたことになる。職業・バスプロを公言する青木さんが、言ってみればその“通勤用の足”として選んだ車がUSトヨタ製『タンドラ』だ。

青木「当初からメーカーはトヨタ一択でした。理由は、何かトラブルが起きても、ディーラーが各地にあるので安心だというのがひとつ。何より、そもそもトラブらない」。

日本国内では左ハンドルに乗ったことがなかったという青木さんだが、「すぐに慣れましたよ。車体が長いけれど、アメリカはそもそも道が広いので気になりません」。開催地によっては移動だけで2日以上かかることもあるのがアメリカのトーナメント。プラクティスから本戦まで万全の体制で臨むためにもトラブルレスな車が必須となる。

多くの現地ツアープロにも愛されるフルサイズピックアップトラック

青木さんの国内トレイルを支えてきた車を挙げてもらうと、マイボートを手に入れた以降はすべてトヨタ車であることが判明。Vハルアルミをカートップで運んだハイラックスサーフ130にはじまり、プラド、ランクル100、そして現在の200に至る。

青木「別に意識していたわけじゃないけど、結果的にそうなってますね(笑)。じゃあ、現地にあるトヨタ車のなかでどれに乗るか、バスボートをけん引するとなると選択肢は限られていて、タンドラかセコイアか。ただ、セコイアだと荷室が狭くて試合に必要な荷物が入りきらないんじゃないかと」

荷台にはキャンパーシェルを装着してSUV仕様に。タックルや着替えなど試合に必要ないっさいがっさいを積んでもでもまだまだ余裕の収納スペースがあるという。

青木「あと、アメリカではタンドラに乗っているプロがかなり多いんですよ。それはやっぱりトラブルがなくて、信頼されているからでしょう。たぶん、日本でいうところのランクルみたいな感じじゃないかな」

トーナメントでピークパフォーマンスを発揮するためには、関連するすべてのアクションにおいて可能な限りストレス要素を排除しておくことが望ましい。それは湖上のみならず陸上でも同様で、開催地へと向かっている最中に故障するなど言語道断。走行距離に比例してトラブルの可能性は自ずと増してくるわけで、信頼に足る車のセレクトはリスクヘッジに直結する。

青木「今季、それだけの距離を走ってもトラブルはまったくなし。燃費は悪いけど(笑)、車に対しての不満は何もありませんね。もし、次に乗り換えるとしても間違いなくタンドラを選びます」

「ぶっちゃけ燃費は悪いっすよ。リッター4…5(km)はいかないかなぁ(笑)」。ガソリン代は州によって異なるがリッター換算で日本のだいたい半額というのが救い。

イースタンオープンへの参戦も予定している来季は試合数が倍になるばかりか、フロリダやニューヨークなどさらなる遠隔地への“通勤”を余儀なくされる(青木さんのアメリカでの拠点であるテキサス州ダラスから前者は約1800キロ、後者に至っては実に2400キロ!)。シーズン中の全走行距離はざっと見積もって3万キロにも届こうかという勢いだ。

青木「来年はこいつに、さらに頑張ってもらいますよ(笑)」。

バスプロとして結果を残すための妥協なき選択、それこそが青木さんにとってのタンドラなのである。




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