堤防でエギングをしていて、だーれも釣っていない…。そんな中、自分だけが釣れ続けるという経験、憧れますよね!! そんな夢のような爆釣劇が実現できるかもしれない釣りがあるんです! キーワードは「GTR」。スラッシュのテスター・中越竜也さんが教えてくれます!!
【Profile】中越竜也(なかごし・たつや)
若狭湾や丹後方面を中心にエギングをはじめとした様々なソルトゲームを楽しむ実力派。京都府にある「アングラーズ西舞鶴店」の店長でもある。
その釣りには適したロッドが必要…!?
――早速ですが中越さん。その自分だけがいい思いができる釣りを教えてください!
中越「その名もGTRです!! 沢山のアングラーで賑わう堤防。釣れているのは自分だけ。周りの釣り人もシャクリ方やエギを変えて何とか真似しようとするんですけど、そう簡単にはいかない…。何故だかわかりますか?」
――シャクリ方やエギでは真似できないとなると・・・ロッドですね。
中越「正解です! そもそもロッドが違う。GTRという釣りで最も重要なのは適したロッドを使うことなんです」
――どういったロッドが適しているんですか?
中越「具体的なアイテムをまずは紹介しましょう。スラッシュの2アイテムです」
アーカードリアルX ARX-802GTR
●全長:2.44m
●自重:104g
●仕舞寸法:125cm
●対応PEライン:0.4~1.0号
●適応エギ:2.0~3.5号
●価格:18,500円
アーカード イクシード AE-782GTR
●全長:234cm
●自重:98g
●仕舞寸法:121cm
●適合PEライン:0.4~0.8号
●適合エギ:2.0~3.5号
●価格:29,500円
――両方ともGTRの文字が入っていますね。これらはどういったロッドなのですか?
中越「もちろんそれぞれで味付けは違うロッドなのですが、共通する大きな特徴は、ソリッドティップを搭載している点ですね」
――エギングロッドなのにソリッドティップですか。確かに珍しいですね。なんのために採用されているのでしょうか。
GTR=グランド・ティップ・ラン
中越「ソリッドティップを搭載している理由。それはGTR、つまりグランド・ティップ・ランという釣り方のためです」
――ティップランといえば、ボートから行われるエギングのことですよね。
中越「そうですね。ティップランはエギをテンションフォールさせて、ティップの動きでアタリを捉える釣り。それを岸からやるからグランド・ティップ・ランと呼んでいるんです」
ーー一般的なエギングには無いウリがあるわけですよね。
中越「簡単に言うと、
・ラインに出ないようなアタリを捉えられる
・積極的に掛けていける。
・あわせた時に身切れさせにくい
といった点がGTRの凄いところですね」
ーーそれぞれどういったものでしょうか?
中越「例えばラインに出ないようなアタリ。経験したことのある方も多いと思いますが、エギングのアタリは糸ふけで見ることが多いですよね」
シャクっているとすでに掛かっていた、なんてことも多いです(笑)。
中越「そうですよね(笑)。エギングはあたりをとるのが難しい。ですがGTRなら、ソリッドティップ部分が、アタックに応じて喰いこんだり、スッと元に戻ることで、イカのアタリを視覚化してくれるんです!!」
なるほど。目で見てわかれば積極的に掛けていける。そういうことですね。
中越「そういうことです!! しかも竿先の喰い込みがいい、つまり強い力がかかりすぎないため、あわせた際の身切れも起こりにくいんです!!」
アーカードリアルX
ーー実際のところ、これらのモデルはどう違うのでしょうか?
中越「それぞれ説明していきましょう。まずはリアルXのほうから」
アーカードリアルX ARX-802GTR
中越「実はこのアーカードリアルXというシリーズがスラッシュの2020年の目玉とも呼べる新シリーズ。5モデルのラインナップを予定しているのですが、そのうちの1本となります」
さりげなく新製品スクープなんですね(笑)。
中越「そうなんです(笑)。 シリーズ全体としてはソフト・トルク・シャープなロッドであり、1日中振り続けれられるようなロッドを目標に開発されています」
中越「ブランクスには、X状にカーボン繊維を織り込んで強化したカーボンシートヘリカルXカーボンを使用。さらにエックス状にカーボンテープを巻くことで張りと曲がりの美しさを生み出すクロスグリッド製法を採用しています。このおかげで、キャストやシャクリの使いやすさはもちろん、イカをかけてからの安心感が違います」
中越「今年の秋はこのロッドを使っていて、堤防で周りのアングラーが誰も釣れていない中、自分だけが釣れ続けるという体験をしています。特にサイズの小さい秋イカを狙う際には、イカパンチをティップが弾いてしまったり、あわせた時に張りがありすぎて身切れするという心配が無いのがありがたいんですよ」
ーーGTRという釣り方。そして専用ロッドの凄さがヒシヒシと伝わってきます(笑)
アーカードイクシード
――もう一本のほうはいかがでしょうか?
アーカード イクシード AE-782GTR
中越「こちらはGTRロッドの言わばハイエンドモデル。と言っても特化型というわけではなく、総合力を高めたロッドになります」
中越「ガイドはチタンフレームKガイドのS-Sic仕様。高いブランクス性能と相まって使い心地は抜群! 軽いし一日中使っていても疲れにくいですし、感度もものすごくいい」
――エギングロッドとしては少し短いというのもポイントですか?
中越「そうなんです! GTRは掛けていく釣りなので、しゃっきりとしたロッドが使いやすい。それにさびいたり瞬間的な合わせの動作といった取り回しの良さという点においても、短めなロッドは都合が良いんです。さらに、短めで張りのあるソリッドティップを採用しているので、遠投性能が犠牲になっていないのもポイント。GTRだけでなく、普通のエギング用ロッドとしても使えますよ」
中越「今年の春はこのロッドでいい思いができました(笑)」
ーーデカい!! 2kgはありそうですね!!
中越「2.7kgでした。朝マヅメに釣り場についてすぐ釣れたのですが、エギを潮に乗せているときに竿先がパンッと跳ね上がったんです。これぞまさしくティップラン(笑)。こんなサイズでしたが、ヘリカルコアのブランクスパワーのおかげで余裕のランディングができましたね」
GTRで「防波堤で独り勝ち」を目指せ!
――ところで中越さんがGTRを行う際は、どのような動作で釣っているんですか?
中越「GTRのやり方ですね。以外に簡単ですよ」
以降3~4の繰り返しで徐々に上のレンジを探っていく。
中越「ポイントとなるのは4の部分。ラインテンションを張り、ソリッドティップ部分がわずかに曲がった状態を維持しつつ動かすんです。隣から見てもわからない程度の曲がりになると思います。この時、水中のエギは頭を少し下げつつ、ゆーっくりと手前側に向かって沈んでくるイメージです。10秒くらいかけることが多いですね」
――アタリは4の部分で出るわけですよね。
中越「そうなんです。そのため、ティップ部分はよく見ていてください。わずかに曲がっているティップが、パンッと跳ね上がったり、逆にクイッと引き込まれたり、モゾモゾと動いたらアタリですので、しっかりと合わせましょう。」
ーーGTRが楽しみやすい時期はありますか?
中越「お勧めしたいのは秋の新子シーズンです。イカの数がそもそも多いので反応が多く楽しめやすいですし、フリーフォールの釣りに比べてこんなにアタリが多いのかと驚くと思いますよ。ロッドはリアルXがおススメ。GTRの入門にもピッタリですよ」
ーー春はどうでしょうか?
中越「大型イカを狙える季節ですので、よりパワーのあるロッドのイクシードが活躍する季節です。GTRは集中力を要する釣りなので、合間に普通のエギングをするとリフレッシュできるのですが、イクシードなら一本で対応可能ですよ」
ーー季節によっていろいろなGTRが楽しめるんですね。
中越「2本のロッドですが、特徴を簡単にまとめると以下の通りです」
アーカード リアルX
ARX-802GTR
・GTRに特化
・秋の小型イカに最適
・アタリは特に取りやすい
アーカード イクシード
AE-782GTR
・GTRも普通のエギングもOK
・大型イカにも対応
・操作性、感度共に優れる
中越「注意点としては、ソリッドティップロッドは扱いが少し難しいです。いわゆるバス投げをしてしまうとティップがつなぎ目から折れてしまうことがあるので、ペンデュラムキャストを心がけてください。また、シャクリは巻きジャクリがおススメです。スラッグを出してシャクっているとティップにラインが巻き付いてしまい、繊細なソリッドティップの破損に繋がることもありますので」
ーーそこさえ気を付ければ、自分だけいい思いができるわけですね!
中越「そういうことです(笑)。釣り場で一人だけ釣れている人がいたら、もしかしたらその人はGTRで釣っているかもしれませんよ(笑)」