わずかなアタリをとって、確実にアワせて獲る。それがルアー釣りで必須のスキル。アタリの察知、アワセ、ファイト、ランディング。 こうした魚との基本的なやり取りを、身体に染み込ませるためには、エリアゲームが最適だと言われている。なにしろ1日で釣れる魚の数が多いのだから、上達だって早い! アタリ感知を研ぎ澄ますための3つのコツを、荒川通さんがレクチャーするぞ!
スキルアップに最高!のエリアゲーム
手元に明確に伝わるアタリ。 一方、ライン変化にしか表れないアタリ。アタリの強さ、大きさで考えると、手元に伝わるアタリに軍配が上がる。だが強いアタリ=高活性という方程式は、エリアゲームでは成立しない。
「逆に、状況がタフになるほど、手元に伝わるアタリが増える実感さえあります」と、荒川通さんは言う。それにはもちろん理由がある。
荒川「活性が高い、もしくは状況に 対して釣り方がピッタリ合っていると、トラウトはスプーンを疑うことなく勢いよく食べます。その結果、トラウトが泳ぐ速度と、スプーンを巻く速度が同調してしまい、アタリが手元に伝達されないことがあります。このときのアタリは、僅かな巻き抵抗の違いとしてしか、表面化されません」
ときに1日3ケタのトラウトが釣れることもあるエリアゲーム。エリアで釣れたトラウトには、釣れた数だけのドラマがある。アタリの出方もアワセ方も 千差万別。ルアーで魚を釣る際 のデータと経験値が一気に上昇することは言うまでもない。真のエリアエキスパートが、全ジャンルのルアーフィッシングに長けているケースが多いのも頷ける。もちろんバスフィッシングにフィードバッグできるノウハウだって、エリアゲームの中に溢れている。
エリアゲームのアタリは 大きく分けると3タイプ
TYPE1 ロッドティップが入るアタリ
TYPE2 ラインだけに表れるアタリ
TYPE3 巻き抵抗の違いだけに表れるアタリ
TYPE1 ロッドティップが入るアタリ
荒川「トラウトの速度の違いはあります が、ティップが入るときは、反転していることが多いです。反転した時点で、口にフックポイントは軽く刺さっています。アングラーは仕上げをするだけでOK。このタイプのアタリで多い失敗は、強くアワせ過ぎて口が切れてしまうこと。特にバスメインのアングラーさんは注意が必要です」
TYPE2 ラインだけに表れるアタリ
荒川「簡単に言うと、ラインが張るか、緩むかの2択です。ラインが左右に動くケースはほぼありません。アワセ方は、ラインが張るケースでは、軽くロッドをあおるか、巻きアワセでOK。一方、ラインが弛むケースは、テンションが抜けているので、やや大きいアワセが必要です」
TYPE3 巻き抵抗の違いだけに表れるアタリ
荒川「巻き抵抗が変わるアタリはしっかり食べているアタリが多いです。が…ロッドの持ち手には伝わりにくいです。巻き抵抗の僅かな違いを察知するには、各ルアーの正しい巻き抵抗を把握しておくことが重要。基本的には押されるように抵抗がフワッと消えます。バスフィッシングでもあるアタリですね」
全ルアーフィッシングにおいて、魚のキャッチ率が圧倒的に高いのがエリアゲームの特徴。アタリの出方ひとつ取っても、研究材料に事欠くことはない。アタリの出方、アワセ方、ファイト方法、ランディングなどの一連の動作は、エリアゲームで数をこなしている間に自然と上達する。その上達速度は、バスなどネイティブ相手のルアーフィッシングとは比べモノにならないほど早い。
そして、エリアフィッシングで覚えたことは、他魚種ゲームでも必ず役に立つ。もちろんバス釣りにもだ。だからこそ、今年の冬は気分転換も兼ねて、エリアゲームを楽しんでみてはいかが? 良く釣れるけど、隣と差が出る釣り……ルアーフィッシング好きなら、かなりの高確率でハマってしまいますよ。
子供は1日300円!! フィッシングパークアルクスポンド焼津
今月の取材場所であるアルクスポンド焼津、そして姉妹エリアである、栃木県のアルクスポンド宇都宮。どちらのエリアも、保護者同伴で小学生以下の子供が利用する場合、1日300円という日本一子供と親子連れに優しい管理釣り場。
焼津は超クリアウォーター。宇都宮はステインウォーターと、両エリアは水質こそ異なるが、トラウトの高活性さはどちらも同じ。数釣りから、モンスターハントまで1日中飽きることなく遊ぶことができる。
●住所:静岡県焼津市利右衛門115