さて、ということで、本日1月20日より、ただいま話題沸騰中の魚の締め方・仕立て方、「津本式」を完全解説した書籍発売されます。予約段階で重版出来となった理由はただひとつ! ちょっとじゃなくて劇的に魚の味がコレで変わるからなんですね。しかも簡単に誰でもできるんです。
津本式は魚の食材としての価値を高める、革命だった!
考案者は、宮崎県の長谷川水産という魚仲卸に務める魚屋さん「津本光弘」さん。あるとき、ヒラメの胃酸を洗浄するために、尻尾を切り内蔵を水流で圧迫していたら、血が効率よく抜けていくことに気づき、研究を重ねることによって確立された血抜きの技法こそが「津本式」なのです。
【津本式マニアックスメモ】ヒラメなどのフィッシュイーター系(魚などを捕食するプレデター系の魚)は胃液で内蔵が腐敗し、まわりの身を痛めるんです。時々、お腹が緑がかったりしている魚を見たことないですか?そうなると捕食物の臭みや、胃液による腐敗がすすんで台無しになる。なので、胃洗浄をやっておくといいですよ。もちろん、早い段階で津本式の処理をするというのでもいいですが、胃の中身を軽く釣り上げた時に洗っておくというのも手かもしれませんね。(津本さん)
腐敗原因となる魚の血などを高い水準で抜ききることで、鮮魚状態の長期保存が可能になり、それにより近年注目されていた「魚の熟成」という調理技術が新たなステージを迎えたと言っても過言ではないでしょう。保存だけではありません、血液などに起因する魚の臭みなども同時に取り除いてくれるので、魚が持つ、本来の旨味がまさに引き立つのであります。
新鮮が美味しいから熟成は美味しいに。まさに、魚の食材としての幅が大きく広がりました! その保存特性ことが津本式の真骨頂と言えるでしょう。
魚好きには、ぜひ知識として知ってほしい「津本式」の美味しくなる仕組み
本書では、津本式の仕立て方を基礎編で順を追って丁寧に解説しています。もともとYouTubeなどで津本さんいよって、その手法は積極的に配信されておりますが、今回は、現在の津本式の確立された基本が完全網羅されています。つまり最新型津本式。
津本さんご本人も、日々、研究を重ねておられるので、5年後にはもしかして手順が省かれたり増えたりしているかもしれませんが、現時点の基礎技術はかなり確立されたものなので、この後どうなるにしろ学んでおいたほうが良い手順です。
いままでに、津本式を習熟されていて、実践されているプロの方にもぜひご覧頂きたい内容になっております。加えて釣り人が知りたい14魚種を徹底網羅。完全保存版です!
仕立て方の基礎、応用だけでなく「熟成魚」への道、基礎編が!
津本式そのものは、魚の旨さを引き立てる「仕立て技術」であり、「保存技術」その優位性を簡単に楽しむことができるのが「魚の熟成」です。
単純に、処理をして寝かせるだけでも津本式で仕立てた魚は「美味しく」なります。それも熟成の形態です。だいたい、3から4日程度、津本式で処理して、魚を冷蔵庫でねかせてみてください。魚の旨味成分のひとつ、イノシン酸がぐーっと主張しだし、美味しさが増します。これが、ひとつめの誰でも手軽に楽しめる津本式の活用法のひとつです。
そして、ここからが津本式の真骨頂。「遊離アミノ酸熟成」という中・長期熟成を行うことで出現する、魚の美味しさがあるのであります。先程申し上げたイノシン酸は4日前後を境に、徐々に減少していきますが、その減少も津本式処理を施すとゆるやかであることがわかっています。
そして10日前後からぐぐぐっと主張しだしてくるのが、グルタミン酸などの遊離アミノ酸類なんですね。これは大学の熟成魚研究所チームなどが実験を重ねて得た結果を受けて本にも公表させていただいています(詳細な数値データは学会発表前ということもあり、伏せております)。
そう! いままで言われていた魚は寝かせれば寝かせるほど、イノシン酸という旨味が増えて!というのではなく、イノシン酸は増えるけど数日でピークを迎えて減少、その余韻の旨味と新しく熟成によって立ち上がってくるグルタミン酸などの旨味のあわせ技、そして肉質の変化などにより、お魚はめっちゃ美味しくなるのであります!! そして、その熟成状態まで比較的容易にもっていけるのが、津本式なんですよ奥さん!
という理屈っぽい情報を含めて、本では詳細に解説させていただいております。本の補助解説的な記事は今後もルアマガプラスにて公表予定ですので、皆様よろしくおねがいします。
あと、3月1日に東京海洋大学にて津本式のディスカッション&セミナーを予定しています。決まりになり次第告知いたしますので、そちらはしばしお待ち下さい!