普段なにげなく、経験則で知っている魚や釣りに関するエトセトラ。そちらをマニアックかつアカデミックに解明する…。さぁ、今回は「満月」より「新月」まわりの魚が良く釣れる説について深堀りしたいと思います。新キャラコチちゃんの「仮説」は成り立つかどうか。読者の皆様もぜひ、ご検討くださいませ。
コチちゃん
気になることは深堀りして納得できないとイライラして荒食いする当コーナーの主人公。口癖は「ギョ〜っとしてんじゃないわよ!」。N◯Kのキャラとは関係ない。女の子。
ヒラメちゃん
コチちゃんとよく釣りにいく相棒。スキなのはサーフ。人気は高いが旬は短い。ヒラスとヤズとは仲が悪い。ヒラスとヤズについてはリンクを参照
満月と新月。海の塩分濃度が変わる!?
コチ「なぁ、なぁ、ヒラメちゃん。釣りしててや、満月と新月の潮まわりやったら、どっちのほうが釣れる? 経験的にやけど」
ヒラメ「んー。よく行く船宿の船長が、いつも新月の潮まわりのほうをチャンスタイムって言って宣伝するし、実際、新月まわりは良く釣れるから新月ちゃうの? プロアングラーも結構、そう言わはる人、多いんちゃうかな〜」
コチ「じゃぁ、なんで新月まわりの潮のほうが、魚が釣れるのか知ってる?」
ヒラメ「え? そんなん潮が動くからちゃうの?」
コチ「だったら、満月の潮まわりでもいいやん?」
ヒラメ「え、あ、そうやな……(汗)なんで?」
コチ「ふふ、ちょっと言わせて。ギョ〜っとしてんじゃないわよ!!!」
ヒラメ「チコちゃんのパクリ!? コチちゃん!?」
コチ「私の仮説はこうやねん。お魚は〜新月まわりのほうが、お腹がすくから〜」
ヒラメ「は? なんやの。アタシの回答よりふわっとしてるやんか!!(怒)」
コチ「まぁ、話、最後まで聞きや。そのまえに、村田基さんの話がのってる、このブログを読んでみて」
ヒラメ「え?満月のタイミングは、潮が甘くなる? どゆこと? 村田さんも「新月がいい」ってやっぱりゆうてはるけど」
コチ「甘い潮と、辛い潮の話は知ってる?」
ヒラメ「聞いたことない」
コチ「長くなるからここはささっと説明するけど、新月のほうがおそらく引力の要因で海水の塩分濃度があがるんよ。つまり辛くなるんやわ」
ヒラメ「わかった! 塩分濃度が上がると、魚の活性が上がるんちゃうん!!」
魚の体液の塩分濃度と浸透圧のお話
コチ「そう思うやろ。でもおかしいねん。あたしな、家でお魚飼ってるんよね。淡水魚なんやけどね。病気になったときに、淡水に塩を入れて塩分濃度を上げるんよ。なんで、それで病気なおるかって言うとな、淡水魚は普段、自身の体に水分が余分に入ってこないように、取り込んだ水を大量に排泄する仕組みをもってるのよ。これ、浸透圧の関係やねんな」
ヒラメ「えらい、アカデミックになってきたな」
コチ「魚類の体液というか血液の塩分濃度って0.9%なんやわ。でな、浸透圧の原理は濃度の低いところから高いところへ流れるというのが基本な」
ヒラメ「お金と一緒やな。銭は金持ちにしか流れへんもんな」
コチ「まぁ、話戻るけど、ようは水の塩分濃度をあげるとな、魚が調節するのに力を使わへんやろ?だから、魚の傷や病気の治療に体力を割けるから、塩分濃度をあげる治療はいいって言われてるんよ。まぁ、なんちゅうか、心地よい環境で安静にするというお話やと思う」
ヒラメ「じゃあ、まさしくやん!! 海水の塩分濃度があがったら、魚が元気になるんちゃうん!?」
コチ「最初は、そう思ったんよ。でもな、海水魚の場合、逆なんに気づいた?」
ヒラメ「!? 海水の塩分濃度ってどれくらい?」
コチ「3.4%前後でちょいバラツキがある云われてる。」
ヒラメ「淡水魚の場合は水が自分ところに入ってきすぎないように調整していたのに、海水魚は逆に水が出ていくのを防がなあかんのか!」
コチ「そういうこと。これ、ナトリウムポンプって原理が魚に備わっていてな、塩分をエラでこしとったり、腎臓で処理して真水を大量に体内に取り込む必要がでてくるんや。つまりや、海水魚の場合は塩分濃度が高まると、普段よりより多く、その処理にエネルギーを使わなあかへんはずやねん」
ヒラメ「つまり?」
コチ「正確に言うと、海水魚は塩分濃度が高まるとツライはずやねん。て、考えると、新月のほうが魚が元気! ゆう説は破綻するやろ? で、なやんだんよ。それやったら満月の塩分濃度が下がるときのほうが、魚にとっては楽やし、釣れるはずやん?」
ヒラメ「あ、そうやね。となると潮の動きの問題かって話になるわよね。満月と新月まわりでは潮の動き方違うとか」
コチ「実は、それもある思うんやわ。新月の場合のほうが、潮の動きが画一化しやすい言われてるんよ。太陽→月→地球って一直線の並びになるから、引力は強くなるやろ。満月の場合は太陽→地球→月って間に地球を挟む並びになるやん? そうなると満月の場合は横方向に潮がながれやすくなるみたいやねん、となると、地形変化などの影響を受けやすくて潮は複雑化しやすいんよね。なので、潮の面でも画一化しやすい新月まわりのほうが、釣りには向いてるかもしれないという説はカチリとハマるにはハマるのよ。ごめん、これは憶測なんやけどね」
ヒラメ「結局、潮の動きなんかなぁ。でも、ちょっとしっくりこないね。塩分濃度との因果のほうが、魚の活性と関係してそうやけど。ほら、ウミガメが満月の夜に産卵する理由は、塩分濃度が薄くなって楽になるからーみたいな記事を読んだことあるし。あれ? でも、コチちゃん、最初になんて言うた?」
コチ「へへへっ、気づいた? お魚は〜新月周りのほうが、お腹がすくから〜」
ヒラメ「逆で捉えたんや! なんやっけ、ナトリウムポンプを活発化させなあかん。つまりエネルギーを消費する、お腹がすく! 餌を食べなあかん! ルアーを追う!! 釣れやすい!!」
コチ「そう、それ! 塩分濃度が下がって活性がさがったように見えるのは、”楽だからまったりしてる”。ともとれへん?? 捕食活動って自然界ではリスクだから、必要のない時に、餌を取る必要ないやんか。だから満月まわりの潮はやや釣れにくい! たぶんお魚は複雑なこと考えてないとは思うけど。なんかお腹すくなーとか、今日はまったりやなー。くらいやろうけどね」
ということで、コチちゃんの新月まわりのほうが、魚は良く釣れる説の回答
お魚は〜新月まわりのほうがが、お腹がすくから〜
は、いかがだったでしょうか。もちろん仮説ですが、あながち間違っていない気がするのですが。もちろん、それ以外の新月周りに釣れる要因はあるとは思います。このお話は、より「新月」を意識したほうがお魚は釣れるかもしれない!というネタと捉えてくださいね。
釣り人、漁師さん、船宿さん、お寿司屋さんからの雑談からまとめたお話でした。それではまたお会いしましょう!
釣りPLUSのゴシップ記者枠と揶揄されちょっと傷心なので(嘘です褒め言葉)、たまにはタメになるお話を…。アルティメット・ハイパー・フィッシング・エディター(なんか増えてる)の数多の経験と取材からまとめてみたいと思います。hey! PPAP!
ということで、魚の眼の仕組みを雑いイラストにしてみた。
クオリティは無視してください(AHFEが最近導入したMateBookというタブレットで作成)。水晶体が丸いお…
秋丸さん記事やら、ラーメンやら、ネコ様やら、飛び道具で[釣りPLUS]記事を書いてきたことから、編集者としての資質について審議されているとかいないとか…。
私め、こう見えて理論派。理屈より屁理屈が好きな編集者でございます。…なんの安心にもなりませんね。すいません。と、言うことでちょっと変わり種を投下。
気圧と釣果の因果関係について。
自然界のことですので一部例外はあるものの、晴れてる日より、曇の日、雨の日、風が吹く日は魚さんが高…