2020年のシマノ新製品には、たまたま全く同じ糸巻量で、はっきりと3つの価格帯に分かれていて、それぞれが個性豊かな話題リールというインプレにうってつけの3台がある。『SLX DC』に続き、今回登場するのはシマノテクノロジーの粋を集めた『NEWメタニウム』だ!!
インプレするのはこのお方!!
【Profile】
横沢鉄平(よこざわ・てっぺい)
自称「業界唯一のプロフェッショナル・インプレライター」。24年間のライター生活で、手掛けたインプレ記事は数知れず。ルアマガ本誌のインプレ不定期連載『バスタックル3Gインプレッション』だけでも50回を超えるので、まんざら嘘でもない。契約メーカーゼロは無駄じゃなかった?
間違いなく今期にリリースされるベイトリールの目玉商品!
メインフレームとレベルワインドプロテクターを一体化したバンタムの「コアソリッドボディ」。そしてアンタレスの「マグナムライトスプールⅢ」。
その双方を装備したのが、この『NEWメタニウム』だ。
マイクロモジュール、SVSインフィニティ―も搭載し、ゆがみなき剛性感と圧倒的なキャスタビリティーは、トップグレードに肉薄する。
●ギア比:8.1●最大ドラグ力:5.0kg●自重:175g●ナイロン糸巻量:12lb-100m●最大巻上長:86cm/ 1回転●ボール/ローラーベラリング数:10/1●価格:44,100円(税抜き)※写真はメタニウムXG RIGHT
チェックPOINT①外観デザイン/シャープかつタフな印象を与えるデザイン
メタニウムMGLよりもスプール幅が狭く、V型のレベルワインドプロテクターがより鋭角になった。
ボディは光沢タイプのガンメタで、全体的にはスマートかつシャープな印象。
しかし、ギヤハウジングはかなりの大きさなので、内包する力強さも感じ取れる。
チェックPOINT②回転・巻き心地/使い倒してもブレが出ない、シルキーな回転
コンパクトで、左手の親指を置くスペースが広いので、すこぶるパーミングしやすい。
さらにマイクロモジュールなので、巻き心地はシルキーそのもの。クランクなど、抵抗の強いルアーでも巻き感は均一。別企画のロッドインプレでも酷使したが、ゴロ感は出なかった。
チェックPOINT③キャストフィール
キャスティング
遠投性に長けていて、同日にテストしたSLX DCよりもさらに遠くまで飛ぶ気がした。
レベルワインダーが、スプール側に広がっているラッパ形状になっていて、ナロースプールとの相乗効果で糸の放出が極めてスムースだ。
ブレーキ設定が適切なら、サミングなしでもトラブルなし。
ピッチング
SVSの外部ダイヤルはピッチング時に緩めたほうがいいと思いきや、若干きつめのほうが投げやすかった。
ルアーによってベストな設定には差があるけれど、低い弾道でかなりの距離飛ばせる。フラットバックジグ使用時は、自分で言うのもなんだが見事なスキッピングを決めることができた。
チェックPOINT④ブレーキ/内部は3か2個オン。ダイヤルは3~5
内部ブレーキ4つのオンオフと、外部ダイヤルによる微調整ができる。
内部3つオンは、ほとんどバックラッシュしない。2つオンだとサミングさえできれば楽に距離をかせぐことができる。外部ダイヤルは、3~5間の調節でだいたいOK。3と2の間は、大きめの差を感じた。
チェックPOINT⑤/ドラグ/なんとドラグまでシルキーに滑った
まず言えるのは、ドラグまでがシルキーだということ。
無音でレスポンス良く滑り始めて、固着はみじんも感じなかった。そのテイストはSLX DCに似ていてウェットな滑り感。ドラグ調節時はクリック音が出て心地よい。
いっぱいに絞めてもフルロックはしなかった。
チェックPOINT⑥総合的使用感/高い汎用性はベイトフィネスまで守備範囲に
軽いし、飛ぶし、握りやすいし、巻きも滑らか。レギュラーサイズのルアーに関しては、文句のつけようがない優等生リールだ。
試しに12lbラインのまま1.8gのスモラバも投げたけど、楽に20m近く飛んだ。ベイトフィネス性能も十分武器になる。
チェックPOINT⑦価格/長持ちしそうなので、絶対にお得だ!
ネットでの実勢価格は34,000円前後。性能から見ると、この価格は安い。
ハイエンドにそん色ない性能のリールだけど、価格はミドルグレードなので嬉しい。
コアソリッドボディなので、きっと長い期間使ってもガタが来ないはず。ロングセラーになりそうな予感。
投げてよし、撃ってよし、巻いてよし、しかもコアソリッドボディだから寿命も長そう。今回イチ押しかな。