ミドストの進化系として今、巷で再注目の「ホバスト」。ジグヘッドではなくノーシンカーやネイルリグ、中層ではなく表層、しかも移動距離はほぼゼロかつ1点でホバリングしているかのような繊細なアプローチである。このメソッドに注力したアイテムを続々と投入しているのが、カツイチの総合ルアーフックブランド『デコイ』。来たるべき時のために、今こそ実戦配備せよ!
西日本と東日本で“2つの流派”が存在か!?
昨季辺りから西日本のクリアウォーターを中心にジワジワと浸透し始めているNEWメソッドが『ホバスト』。
浮遊を意味するホバーと、ミドストの略称で知られる中層スイミング・ミッドスローリングを掛け合わせたネーミングだ。
リグはノーシンカーもしくはネイルリグをベースに、表層で限りなく1点を保つ超デッドスローアピール。タフなバスにも違和感なく喰い込ませる驚異のテクニックは、わずか1年余りで急速に普及。昨季早春に行われたJBトップ50七色ダム戦でも上位入賞選手の切り札として注目を浴びたリグだ。
板山「実は、東日本にはおよそ10年前から同様のアプローチが存在していたんですよ」
驚くべき事実が発覚。「細部は異なりますが」と前置きした上で語ってくれたのは、房総半島のリザーバーの名手・板山雅樹さんだ。
板山「西日本での認識は、いわばミドストの軽いver.で、ボディのローリングを意識した釣り。対して、東日本ではスイミングを意識して、テールだけを揺らす釣りです」
それを象徴するのが、対応フックのアイの角度。今季デコイから発表されたホバスト用フック2モデルは、『JIG52リマック』が90度、『JIG53Fリマック』が前方斜め60度のセッティング。
JIG52リマリック(デコイ)
90度アイがシェイクをローリングへと転化
喰わせの切り札として知られるジグヘッド「プラスマジックVJ-74」のフック単体モデルが登場。90度アイは上方向の力が働くため、繊細なシェイクがセットしたワームのローリングアクションへと転化。西日本発祥のホバストを自在に実現出来るモデルだ。
ホバストの基本は背中に2度の薄刺し
ワームの背中側、ヘッド部のやや後ろからハリ先を刺しては抜きを2度繰り返して、薄い縫い刺しセッティングが基本。通し刺しに比べ、キャスト時などにワームのズレを防ぎやすいのがメリットだ。
JIG53Fリマリック(デコイ)
現代に昇華したホバスト。60度アイで再現が可能に!
斜め前方60度にアイを配置して、ワームの進行方向に対して抵抗を作り、程よい操作感を与えるモデル。同時にゲイプ幅も稼げることで、フッキング率の向上にも貢献。およそ10年前に発祥したホバスト的な東日本の釣りを、板山さんが現代流に昇華した形状がそこにある。
【注目!】ワームキーパーチューニング方法(簡単!)
JIG53Fはシャンクにサイドロックプレスが採用され、チューブやスレッド等でワームキーパーの装着が簡単。スレッドならユニノットの要領でシャンクに巻き付け、エンドは少し残して瞬間接着剤を垂らすだけでもOKだ。
前者のJIG52リマリックが西日本発祥、後者のJIG53Fリマリックは板山さんが自身の釣りに手掛けた東日本発信だ。
板山「90度で上方向に力が働くか、60度で斜め前方向かの差。いずれも表層、ほぼ1点での繊細なデッドアピールなのは不変です」
JIG53Fリマリック進化Ver.“FFフック”鋭意開発中!!
JIG53Fの進化型『FFフック』発売まで、いよいよ秒読み体制に入った! 最大の特徴はキーパーからエクステンドされたダブルガード。従来オープンウォーター主軸だったホバストが、カバー周りでも対応可能に。
ズレ防止のワームキーパー、ダブルガードを標準装備。オープンエリアならガードをカットしてキーパー付きのフックとしての活用も。
板山さんによる東日本流ホバストのセッティング例がこちら。画像のスーパーリビングフィッシュやスーパーホバリングフィッシュ(ティムコ)を主に使用。
板山「着水したら僕は巻かない。ラインの重みで漂わせるだけ」
フロロ3lbと張りのあるロッドを駆使する実に繊細なゲームだ!
【スペック】
●サイズ:#3、#2 ●価格:350円(税抜き) ●発売:8月予定
未知の部分がまだまだ多いホバストに関しては、今後もルアーマガジン及びルアマガプラスで調査を続けていく予定なので、乞うご期待!