釣りをする上でルアーや各種タックルと同様に欠かせないアイテムが偏光グラス。日光などから目を保護するだけでなく、近年では「水中を見る」ことにより釣りを効率化させ、釣果へと導くキーアイテムとなるため、バスフィッシングをはじめとした様々な釣りで着用するアングラーが増えている。また釣具メーカー各社も力を入れており、数多くのモデルがリリースされている。そんな群雄割拠な釣り偏光グラス界において、高性能かつリーズナブル、コストパフォーマンスに優れた偏光グラスをリリースする新星メーカーが登場!その名も『トライノ』。
釣り人による釣り人のため偏光グラス『トライノ』
今回は同社の代表を務める斉藤さんにトライノの偏光グラスのコンセプトや各モデルについての特徴などについて色々とお話を聞いていました。
斉藤「もともと、前職でも偏光グラスの開発及び販売を行っていて、そのときは『街中でも釣り場でも着用できる偏光グラス』をコンセプトに様々な偏光グラスをリリースしていました。
今回新たに立ち上げたトライノでは『釣りのための偏光グラス』をコンセプトに、釣り人がより多くの魚、より大きいターゲット釣る手助けができればと思い商品を開発しました!
では具体的にどのような偏光グラスで釣り人の釣果の後押しが出来るか?そう考えたとき、サングラスであれば眩しさの軽減を主眼としておりますが、釣りに関してはそれも大事な点なのですが、それ以上に『水中を見る』ということがより重要になってきます。
その点を特に注視して、暗いときでも明るいときでも水中がよく見える“明るいレンズ”を中心としたラインナップで展開しようと思ったのです」
偏光率と明るさにこだわり抜いたレンズ
では具体的にトライノではどのようなレンズを使っているのでしょうか?
斉藤「トライノではメガネの聖地・福井県鯖江市のある(株)コンベックスのレンズを採用しています。
偏光レンズはコンベックス社のものに限らず、色を明るくすればするほど偏光度が下がっていきます。よってレンズカラーが濃い色のものであれば偏光度は99%以上のものを比較的簡単につくることができるのですが、明るいカラーで99%以上のものは中々出しにくかったんです。
そこをコンベックス社はギリギリまで明るくした99%以上の偏光率を保つこと出来るレンズの開発に成功しているんです」
それが『ポラウィング』なんですね。
斉藤「そうです! 前職において偏光率と明るさのバランスが技術的にも非常に難しいことを知りました。今回新たに偏光グラスメーカーとして打ち出して行く際に、他社との差別化するにあたり、先述した数値を出しているところも少なかったことと、なによりコンベックス社のレンズこそが弊社のコンセプトとも一致しておりましたので採用させて頂きました」
偏光グラスは特に朝の暗い時間帯などでは暗い色のレンズカラーでは中々見えづらいことがある。しかし、暗い点のみに注視してしまうと日が昇ったあとの状況では見えづらくなってしまうのでレンズカラーのチョイスが中々難しくなることがある。しかし、トライノではレンズカラーにこだわり、偏光度を下げることなく明るいレンズをつくることによってマズメ時から日中にかけても水中が見えやすい状況が続くのだ。
斉藤「また今回採用させて頂いたレンズには全てハードコートも施されているので、淡水だけでなく、もちろんソルトシーンにも使用出来ますよ!」
アングラー目線で作られたフレキシブルなフィット感と掛け心地の良さ
今回撮影するにあたり、実際に偏光グラスをお借りさせて頂いたのですが、どれも非常にフィット感や掛け心地が良かったです!
斉藤「はい、トライノは全てのモデルに内部に芯金が入った調整出来るノーズパットが装着されています。偏光グラスではカーブが多いモデルを使用した際に、フィット感が高くなり光や風が入ってきにくくなるのですが、顔の形によっては頬に食い込んでしまうというデメリットもあるのです。しかし、ノーズパッドで高さを調整できることにより、頬との隙間を空けることができたり、レンズの曇りを軽減することも可能です」
斉藤「今回『KIFARU(キファル)』というモデルでは曲げることでフィッティングが可能なフレーム素材アセテートを採用しています。アセテートは柔らかい樹脂の素材で出来ているのですが、さらにフィット感を高めるためテンプル内部にも芯金が入っています」
斉藤「また『duma(ドゥーマ)』と『MAMBA(マンバ)』というモデルのフレームには近年人気が高くなっている軽量かつ丈夫なTR90という素材を採用しています。熱しても形状が変わりにくい同素材では、テンプル先端部にだけ芯金とゴムモダン素材に切り替えているので滑りにくくフィット効果を高めています」
斉藤「釣りをしていて、偏光レンズの重さですごい不具合を感じることは少ないのですが、汗や皮脂でフレームがずれてきて、都度指で調整をするという動作がストレスになる場合はあります。そのような点も踏まえて今回フレームの素材に合わせた、テンプル形状、またノーズパッドの装着など、釣り人により“ストレスフリー”な偏光グラスを目指しました」
こだわり抜いた珠玉の3モデルをご紹介!
KIFARU(キファル)
旧吉野川のスペシャリスト・浦川正則氏が求めた究極の偏光グラス
浦川氏が以前愛用していたモデルをトライノがブラッシュアップ。両サイドのテンプルにあるトライノロゴ下に光や風を遮るカバーが加わり、またテンプル部が薄く芯金が入っているため自身で微調整が可能に。同氏が得意とするサイトフィッシングなどに最適なモデルである。
【スペック】
●レンズ横幅:64mm ●鼻幅:17mm ●テンプル長:125mm ●フレーム:アセテート/8カーブ ●レンズ:CR-39/Polarized ●重量:47.7g
duma(ドゥーマ)
スポーツサングラスとしても主流の8カーブを採用したフレームモデル
湾曲が強い形状のため光や風が入りにくく、水中を見やすくなっている。8カーブモデルなからもノーズパッドを調整することにより各々のフィット感で着用することができる。
【スペック】
●レンズ横幅:63mm ●鼻幅:17mm ●テンプル長:128mm ●フレーム:TR90/8カーブ ●レンズ:CR-39/Polarized ●重量:33.3g
MAMBA(マンバ)
機能性とファッショナブルさを兼ね備えた最軽量モデル
今回リリースされた3モデルの中で最軽量誇るマンバ。軽さのみならずフィット感も高く、あらゆる世代に愛されるウェリントンフレーム。斉藤さんも「No.1」と絶賛する掛け心地を実現する。
【スペック】
●レンズ横幅:57mm ●鼻幅:17mm ●テンプル長:140mm ●フレーム:TR90/6カーブ ●レンズ:CR-39/Polarized ●重量:32.6g
旧吉野川のエキスパート“師範代”が語るトライノの魅力
今回トライノのサポートスタッフを務める旧吉野川のエキスパート・浦川正則氏にもお話伺ってきました。
浦川さんが普段バスフィッシングをする際にどのような偏光グラスを求めていますか?
浦川「僕は肉眼で見えるようなナチュラルに見えるレンズが好み。人間が肉眼で見る色が一番鮮やかだと考えていて、でも濃いカラーの偏光レンズを挟んでしまうと色目が殺されてしまい、障害物や地形変化などのエッジがハッキリしなくなってしまうように思えるんです。ただフィールドによって水色も異なる場合もあるので、その水質にある程度合わせていかなければならないと考えています」
では浦川さんがトライノで使用しているモデルを教えてください!
浦川「僕が使用するモデルは、先述でご紹介にあった、開発にも携わった『KIFARU(キファル)』。レンズカラーはポラウィングSPXを採用したシューターグリーンとドゥーブルを使い分けています。
ベースとして使用するレンズはシューターグリーン。透過率はドゥーブルに比べると低めで、ちょっと黄色みがかったグリーンのレンズ。僕のホームである旧吉野川のようなブルーからグリーンに近いようなステインな水質にマッチしていて、ウィードや障害物、ブレイクなどの色目がはっきりと分かりやすいです。主に晴天時に使用しています。
ドゥーブルは薄いグレーで肉眼で見ている色目を殺さないことを体現しているレンズです。透過率も非常に高くて、シリーズ最高の明るさを誇ります。肉眼に近いような明るさと見やすさで目も疲れにくいですね。こちらはローライト時に使用しています」
浦川さん的「トライノ」のおすすめポイントを教えてください!
浦川「トライノは高性能レンズを使っていながら価格が非常にリーズナブルなんです! 今はフレームとレンズを合わせるとかなり高額になってしまうものも多いのですが、トライノであればその半額で購入出来たりもします。これから本格的な偏光グラスが欲しいという方にはお手に取りやすい値段かと思います。僕も現場に出まくっていて、サイトフィッシングが好きでよくやるのですが、水中も見やすく、掛け心地も非常に良くて、使っていて不満な点は全くありません。
またポラウィングよりもリーズナブルなポラファインというレンズモデルもあるのですが、表面のコートが違うだけなので、もしこだわらずに最初の偏光グラスの1本が欲しいのであればそちらもオススメです。10000~20000円台でここまでの高性能偏光グラスを提供しているメーカーは多くないと思いますよ。
そして僕以外にも、トライノのサポートスタッフメンバーには、これから頭角を現すであろう若くて、オカッパリ、ボート問わずハイプレッシャーフィールドでバリバリ現場に出まくっている連中ばかりです。彼らの釣果を見て頂ければ自信をもってオススメできる偏光グラスということは間違いないですよ」
トライノの今後の展開は…?
斉藤「現在リリースされているモデルでもスペックとしては非常に高いのですが、今後はガラスレンズのモデルにも着手していこうかと思案中です。アングラーさんによっては『極限の状況ではガラスレンズに分がある』と言われる方もおられます。レンズを採用するコンベックス社でもガラスレンズを扱えるとのことなので開発を含めて、より釣れるレンズを追求していきたいと考えております。
今後の展開にも益々期待が高まる新進気鋭の偏光グラスメーカー「トライノ」。
バスフイッシングも含め、シビアになりつつある日本のフィッシングシーンにおいて、明るさを兼ね備えた“水中を見ることが出来る”トライノの偏光グラスこそが1尾へと誘う、アングラーにとっての強力な右腕になるだろう。