バス釣り用ビッグベイトを代表する傑作『ジョインテッドクロー』。釣れると聞いて買ったはいいけど、いまいち使い方がわからない…。そんなあなたにガンクラフト代表・平岩孝典が自らひと肌脱いだ! おすすめのカラーやタックルセッティング、アクションのイロハを総帥直々にご教授いただきましょう。
解説はガンクラフト代表・平岩孝典さん!
最初に買うべきジョイクロは“178”!
一口に『ジョインテッドクロー』と言えど、最大はマグナムから最小では70まで種類がある。買い手としては迷ってしまいますが…?
平岩「そうですね、まず1種類揃えるならオリジナルサイズの“178”じゃないですかね。サイズ的にも汎用性があるので、どんなフィールドでも幅広く対応できます」
S字系ビッグベイトの始祖【ジョインテッドクロー178】
タイプもフローティングとスローシンキングがありますが…。
平岩「初めてならフローティングですね。ビギナーにはまず、S字形がどのような動きをするのか目で見て実感して欲しいんです」
まずは「F」フローティングから!
ジョインテッドクローには浮くタイプ(F:フローティング)と沈むタイプ(SS:スローシンキング)が存在する。ビギナーは、まずルアーの動きが確認できる浮くタイプから使ってみよう。
カラーはどうでしょう?
平岩「出来れば3種類。ナチュラル系、アピール系、スケルトン系…それぞれ最後の食わせどころの要因が色だったりすることが多いですから」
持っておきたいカラーは“3パターン”!!
平岩「オススメはギラギラしたベイトフィッシュライクな若鮎と、視認しやすいイエローの入ったチャート系。シースルーのスケルトン系はお好みのカラーでOKです」
カラーチェンジは、バスの反応があっても喰わせまで持ち込めないようなときに有効だ。
ベイトフィッシュ系
チャート系
スケルトン系
・通常のリップ付ルアーでは、リップで水の抵抗を受けることにより、ウォブリングやローリングといったアクションを生み出します。しかし、このリップレスルアー「鮎邪・ジョインテッドクロー」は、既存のルアーには存在しない、と言うよりも「出すことのできなかった」、S字の軌道を描くアクションをただ巻くだけで演出します。この「S字アクション」は、バスに強烈なバージンインパクトを与え、かなり離れたスポットからでもバスを呼び寄せて、バイトに持ち込むことを可能にします。また、この動きはバスの捕食本能を駆り立て、一度や二度ミスバイトした魚も再び襲いかかるといった、ルアーを完全に「獲物」として捉え…
ジョイクロの適合タックルとは?
平岩「ティップが硬めの7フィート前後のビッグベイトロッドがいいですね。張って緩めての繰り返しでラインのたわみを利用するので、柔らかいとそのリズムを取りにくいんです」
リールやラインに関してはどうでしょうか?
平岩「理想のリールはロングハンドルのハイギヤモデル。僕はギヤ比8.1を使用してます。ハンドル1回転で進む距離が長いほうがS字を動かす感覚を理解しやすいんです。ラインは16ポンドのフロロカーボン。ただ、硬めのロッドを選んでもらっているので、アワセ切れを防ぐためにも、少々伸びしろのあるしなやかなラインがオススメです」
ジョイクロ、どう使う? 「とにかく“巻く”ことです!!」
平岩「まずは、投げてみましょう(笑) ジョイクロが何たるか、S字系のアクションが何であるのかを感じることが大切です。とにかく、普段投げるポイントに全部投げてみる。そして巻く。キモはスピードを一定にして巻くことです」
平岩「視認性のいいチャートカラーを使って、実際に目で見て、自分の巻きスピードとルアーの動きをまずは感覚的に捉える。着水後待つとか、止めるとか…細かい作業は二の次です」
“巻く”をマスターしたら“止め”の極意を!
“巻き”をこなせればあとはスラスラと…いかないのがS字系。ロッドティップをブラさず、一定のスピードで巻き続けることは意外と難しい。
平岩「マスターしたころには丸一日やり切ってるでしょうから、あとは“止める”ことですね。止めてからのワンアクション、ツーアクションというのが、この釣りはキーポイントになりますから」
平岩「フローティングの釣りは当然のことながら表層がメイン。水面下の障害物の直上を通していく攻めは常套手段です。とはいえ、あまりトゥイッチしすぎるとその障害物に刺さりますから、ホドホドに!」
サカナがついてきたら速度調整を!! くれぐれも冷静に!!
フローティングモデルを使うと、バスのチェイスの一部始終が目撃できる。もし、自分の投げたジョイクロのあとをバスがついてきたら…?
平岩「ドキドキしますよねぇ(笑) 最初は誰もがピタッと巻きを止めてしまう。でも、バスは基本的に『動』から『静』より、『静』から『動』のリアクションのほうが圧倒的に口を使います」
バスがルアーについてきたら徐々にスローダウン…そして止め。からのワンアクションでバイト! に持ち込むのが基本的なパターンなのだという。
平岩「バスは、喰い気があれば距離を縮めてきます。30センチくらいまで近づいたら…すかさずワンアクション。喰いミスしても間髪いれずにツーアクションめを入れましょう」
平岩「巻きの速度をゆっくり落としていくのはなかなか難しく、慣れないと挙動がカクカクしちゃいます。気をつけて!」
信じて投げ切ればジョイクロの“真髄”が見えてくる!
S字系ビッグベイトは動きもアプローチも特殊、他のビッグベイトに比べて、感覚的な要素が多い。特に、バスを目の前にしてから考えてしまうと、念願のバイトには持ち込めない。
平岩「1本獲れたら、その先の上達は早いですから。それまでは何回も何回も投げて使って、信じてもらうしかないです。その代わり、最初の関門を乗り越えれば、あっという間にアナタもジョイクロマスターです。頑張って下さい!!」