現在、発展途上真っただ中のナマズゲームの世界。だからこそ、日々新発見の連続。そんなナマズゲームの世界において、ベストシーズンの常識が大きく変わろうとしています。ナマズゲームは『春』…なんていう常識に一石を投じたのが、ご存知ナマズ・レジェンドの谷中洋一さん。ナマズは『秋』こそ面白い。そんな新提案の後編は「秋のナマズゲーム」×「釣り方」のご紹介です。
解説して頂くのはナマズ界のスーパーレジェンド!
秋のナマズゲームは「釣り下り」が基本!
「前編」にてご紹介させて頂いたウィードがキモとなる秋のナマズ釣り。そんな秋ナマズの基本スタイルは「釣り下り」なのだが、前提としてナマズは捕食下手! という現実がある。ウィードエリアを攻略する上で、「ナマズは捕食下手」という現実を踏まえることは非常に重要。
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谷中「ウィードエリアに居るナマズは浮いている傾向があります。仮に水深1メートルの深めのポイントでも、ウィードエリアでは浮かび上がらせる必要はありません。そのため狙いやすいのですが、捕食下手のナマズをウィード真っただ中で食わせても、ウィードが邪魔をしてフッキングさせることは難しいです。では…どうすればいいのか?
ウィードエリアの中でも、フッキングさせやすい場所を見極めて、そこで食わせることが重要です!
つまり、オープンエリアで食わせます」
ウィードエリアには必ずオープンスペースがある!
写真はとある小水路の秋のウィードエリア。写真中央部に水が抜けているオープンエリアが存在している。このポイントを攻略する場合、ウィードエリア内にルアーを着水させてバイトを誘発させながら、中央部のオープンエリアまでナマズを誘導、最終的にオープンエリアでフッキングさせることになる。
説明だけを聞くと、難しそうに感じてしまうもしれないが、いくつかの要点にさえ気を付ければ、誰でも実践可能な、極めて簡単なメソッドだと谷中さんは言う。
要点その1:流れ×ウィードの向きを見極める
谷中「ウィードは流れによって押し流されています。つまり、ウィード上にルアーを通す際には、上流部から下流部に向かって通すように気を付けていれば、さほど引っ掛かることはありません。これを逆に通してしまうと逆目になるので、ガツガツ激しく引っ掛かってしまい釣りになりません(笑)」
要点その2:Wフック×カップ系ルアーを使用
谷中「この釣りのルアータイプの選択肢は1択、場合によっては2択になります。基本はカップ系ルアーのWフック仕様。コレがベストです。そして場合によって(ウィードへの掛かりが酷い場合など…)フロッグタイプです。基本この2択です。羽根モノ系ルアーはウイングがウィードに突き刺さってしまい釣りになりません」
要点その3:ウィードを外す際のキモは、決してロッドで煽らない事!
谷中「タックルはナマズロッドの中でも硬めのモデルが必要です。自分の場合はDNAZ-T71MH(スミス)を使用しています。ラインはPEの3~4号、リーダーは40ポンド前後。硬いロッドとPEラインを使えば、ウィードに引っ掛かったときにも比較的少ない移動距離で外す事が可能です。
このとき、ロッドを煽らないこと! ロッドの反発力を少しでも利用してしまうと、ルアーの移動距離が大きくなり、狙ったスポットから外れてしまいます。ナイロンでなく、低伸度のPEを使用するのも、外す際の移動距離を極限まで抑えるのが目的だからです。
それではどう外すか? ですが、引っ掛かっているウィードの方向にティップを向け、リールを巻く動作のみでルアーを外します。リールを巻く事が不可能な場合は軽くスプールを押さえ(リールへの負荷に注意)、アングラー自身がゆっくりと後方へ下がればルアーを外せますし、スポットからも外しません」
要点その4:着水ポイントとオープンスペースまでの距離を考察
谷中「1回のリトリーブ中に何度もバイトしてくるのがナマズですが…1バイトごとにナマズのやる気は減少します。具体的にはファーストアプローチのやる気が100だとしたら、セカンドアプローチでは60~50まで一気に下がってしまいます。
ですが…この下がり方はオープンエリアでの話。ウィードエリアでは、ナマズのやる気の下がり方はもう少し緩やかになります。とはいえ、落ちることには変わりはありません。
つまり、ルアーを着水させてナマズを誘い出して、オープンエリアまでやる気を維持させた状態で誘導する距離には限界がある…ということです。距離感はウィードの濃さや状況によって異なるので、そこの見極めとオープンエリア誘導までのコース分析…そここそが当メソッドの最も難しくて、最も面白い部分です」
秋のナマズが釣りやすい2つの理由とは!?
ナマズの絶対的なベストシーズンである春。だが、秋ナマズには春ナマズよりも釣りやすい理由が2つ存在している。
春と比べて人的プレッシャーが少ない
谷中「ナマズ=春というイメージが定着しているため、春は有名ナマズフィールドの人的プレッシャーは高めです。ですが、秋はナマズゲームのイメージがないためか、有名ポイントでもアングラーと出会うことはほぼありません。結果的に秋の人的プレッシャーは少ないです」
安定した気温&水温
谷中「ナマズは高水温には比較的強いですが(もちろん限界はあります)、低水温には弱い魚です。まだ冬の環境を引きずっている春は、気温&水温の乱れが激しい傾向があります。前日と比較して急激に水温が下がる…ということも春には珍しくありません。
一方、夏を引きずっている秋は、突然水温が低下することはあまりありません。つまり、水温が原因でナマズの活性が下がりにくいのが秋の特徴です。この現実は非常に大きいです」
タイプ:フローティング ラトルイン(クリッカー)タイプ
重量:15.2g / サイズ:68mm
カラー:イチゴブラック CB09
フック:カルティバSD-36 #1
クリッカータイプが有効となるシチュエーション例:高活性時等、ラトル音に魚が高反応を見せる時。ラトル音の有無を意識したルアーローテーションで状況を見出して下さい。/デイゲーム/強風時、水面が波立っている状況下/流れ込み/増水時/やや水深のある場所/新規開拓などのポイントリサーチ時には魚がスレていないことが多いため、クリッカータイプの方が勝負が早い
ハイアピール仕様:大小2種類のブラスラトル内…
秋のベストシーズンは9月中旬~10月一杯
頑張って11月一杯まで
秋のナマズ爆釣シーズンは地域によって違いはあるが、一般的に9月中旬~10月一杯くらいまで。
谷中「ベストなのは10月一杯ですが、11月一杯までは秋ナマズゲームを楽しむことは可能です。ただし、11月に入ると日を追うごと気温&水温が低下するため、水温が安定しているタイミングで釣行することが大切です。前日と比較してガクンと気温&水温が下がった日は反応がよくないことが多いです。そのあたりの事情を考慮すると、やはりベストは10月一杯。10月一杯であれば、冷たい雨が降らない限り低水温問題はありません。
だからこそ皆様も、寒くなる前に是非、秋の爆釣パターンを満喫して下さいませ!」