今年度、新型コロナウイルスの影響により、オンラインでの開催となった世界最大規模のフィッシングショー「ICAST(アイキャスト)」。そんな同イベントにおいて、日本が誇る世界的ルアーメーカー「エバーグリーン」の大人気ブレーデッドジグで国内未発売モデルである『ジャックハンマー・ステルスブレード』が淡水ハードルアー部門にてアワード(優秀作品)を受賞!! その詳細をエバーグリーンの開発担当者さんにお伺いしちゃいました!
ジャックハンマーとは?
もはや世界一との呼び声高いブレーデッドジグの代表格。手元へと明確に伝わる振動と、ブレードとヘッドが接触して発生する低音サウンドからイメージした掘削機(=jack hammer)とネーミング。アメリカのトップバストーナメントシーンで活躍した清水盛三と現MLFツアープロ・ブレットハイトが共同開発し、細部まで徹底的にこだわった傑作ルアーのひとつである。
そんな世界を代表するジャックハンマーから、今年アメリカにて発売となるNEWモデル『ジャックハンマー・ステルスブレード』が、世界最大級のフィッシングショー「ICAST(アイキャスト)」にて2020年度淡水ルアー部門でアワード(最優秀賞)を受賞したのです!
アワードを受賞した理由とは!?
というわけで…エバーグリーンの「ジャックハンマー・ステルスブレード」開発担当者さんを直撃! この度はICASTアワード受賞おめでとうございます!!
EG開発担当「ありがとうございます!」
今回アワードを取れた要因はズバリなんだと思いますか?(笑)
EG開発担当「そこをいきなり聞きますかっ!?(笑)まあでも純粋にオリジナルモデルがUSのトーナメントシーンでもすごいくらい結果を残しているのが大きいと思います。 メーカーの枠を超えて使用するアングラーも多くて、それこそT.O.こと大森貴洋さんも使用されていたりと、ウィニングルアーとしての実績もかなり出しているんですよね。それに続く新しいモデルであるからこそ注目度も高かったんだと思います」
何故ステルスブレードモデルがアメリカで誕生したのか?
このステルスブレードは日本未発売モデルですが、アメリカで開発された経緯を教えて頂けますか?
EG開発担当「アメリカのフィールドはマッディウォーターのエリアが多いのですが、中にはもちろんクリアウォーターのフィールドもあって、そのようなシチュエーションでも使えるモデルが欲しいと共同開発者の一人でもあるブレット・ハイトに言われたんです」
なるほど!世界一のブレーデッドジグ使いが、新たな攻略の一手として求めたものが「ステルスブレード」だったんですね!ちなみにアメリカには透明なブレードのチャターはないんですか?
EG開発担当「Z-MAN(ジーマン)がリリースしていないのでないんだと思います」
そうなんですね…意外! ところで話は変わるんですが、ICASTのウェブサイトを見ると、発売元が先述された「Z-MAN(ジーマン)」とあるのですが…ステルスブレードはエバーグリーン製ではないんですか!?
EG開発担当「いえいえ、そんなことないですよ! 勿論弊社で作っていますから安心して下さい(笑)。実はアメリカでのブレーデッドジグの特許やチャターベイトの商標を持っているのが「Z-MAN」なのでそこが販売代理となってリリースする形なっているんです」
Z-MANってアメリカのチャター系ルアーの1ブランドだと思っていたんですが、まさか商標や特許も持っていたとは! 勉強になります!
オリジナルモデルとの違いは?
ではオリジナルモデルとステルスブレードモデルとの違いを教えて下さい!
EG開発担当「まずフックが違います。オリジナルは太軸の3/0、ステルスブレードにはサイズ感と動きに合わせて細軸の2/0のフックに変更しています。フックが細軸になったことにより、オリジナルでは使用出来なかったサイズのトレーラーなども使用することができます。
オリジナルモデルにおいても定評のあったワームの保持力が高い「ダブルワイヤーキーパー」はそのまま採用しています。
次にラバースカートですが、オリジナルモデルに比べて、ステルスブレードの方が少ない量で巻いていて、且つ細めのラバーになっています」
その意図は如何に?
EG開発担当「オリジナルモデルは、マッディレイクのようなシチュエーションで使うように作られているので、ブレードの振動やスイミング時のアクション、それに伴うように水押しが強くアピール力の高いシリコンラバースカートを採用していました。
それに対しステルスブレードは、対クリアウォーター用に作られているので、存在感をあまり出し過ぎないよう、アピール力も控えめな、細いシリコンラバースカートを採用しているんです。でも使用する際は、オリジナルモデルと変わらないような使い心地を実現していますよ。
さらに大きな違いとして、ジャックハンマーの特徴でもある「低重心扁平ヘッド」のアイの角度やアイ大きさがオリジナルとは異なります。
ヘッドの設けられたスリットにワイヤーを通してアイを作っているのは、ブレーデッドジグでもジャックハンマーくらいしかありません。ステルスブレードではアクションを弱めにするために、オリジナルに比べてアイの角度も高めに設定しています」
確かに!全然違いますね!
EG開発担当「基本的にブレードはアクションさせるけれど、存在は控えめ。スイミングジグのような感覚で使いたいんだと思います」
クリアブレードの強度は?
オリジナルのジャックハンマーはもちろん、ブレーデッドジグはカバーに絡めて使用する機会がかなり多いと思うのですが、ステルスブレードのブレード部の強度はかなり強いものなのですか?
EG開発担当「はい、もちろんです! ブレード部はポリカーボネイドを採用しているのですが、透明感がありながらも強い樹脂素材で、アクリルの約40倍ぐらいの強度があるんです。なのでオリジナルモデルとおなじく、カバーなどにおいてもハードユースにも耐える仕様になっています。
またブレード内部のスプリットリングを取り付ける8の字のパーツもインサート成形なので強度面ではなんら問題はありません。ちなみにライン接続部においては、オリジナルはエッグスナップを使用していたのですが、存在感を控えめにするためオーバルタイプのスプリットリングを採用しております」
キニナル日本での発売はいつ??
アメリカでは、それこそ既にZ-MANのウェブサイトでも発売されていますが、日本での発売はされるんですか? 日本もクリアウォーターのフィールド、特にスモールマウスレイクにも相性良さそうですよね!
EG開発担当「そうですね、今社内で絶賛検討中ですね! なんとかご期待に添える形にはしたいところです!」
全米を唸らせた期待のブレーデッドジグは果たして発売になるのか!? 今後のエバーグリーンの動向にも是非とも注目したい!