エリアトラウトでもっと! 釣るための3要素とは? トッププロのルアーローテ術を大解剖!! @クリアウォーター編



主にスプーンというルアーを用いて楽しむエリアトラウトという釣り。その中でもクリアウォーターの管理釣り場は、魚の動きや反応が直接見えて初心者にもうってつけだ。一方で、魚側からもこちらが丸見え…というデメリットもあり、長く釣り続けるためには魚のプレッシャーをいかにいなすかが勝負となってくる。そのギリギリラインを攻め続け、一日釣りまくるテクを杉山さんが大公開!



解説はエリアトラウト大会の常勝選手、杉山代悟さん!

【Profile】
杉山代悟(すぎやま・だいご)
ジャッカル・ティモンサポート。8歳からエリアトラウトを始め数々のトーナメントで腕を振るい、弱冠26歳ながらトップトーナメンターとして名を馳せる。現在は遊漁船の船長(清水港ZEST)もこなす生粋の釣り人。

クリアウォーターでの管理釣り場はプレッシャー勝負

透明度の高い(クリアウォーター)管理釣り場での釣りはサイトフィッシングと呼ばれている。

魚が追ってきて食い付く姿まで見えるスリリングな釣りだ。どこに魚がいるのかも分かるので、初心者にも釣りやすいエリアフィールドとも言える。

しかし、魚からもアングラーやルアーがよく見えているので、朝イチや放流直後から徐々にプレッシャーが掛かってスレ始めることが多い。

そこで、釣り人が考えたいのがプレッシャーをどうにか抑えていくこと。これがクリアウォーターでの重要課題になってくるのだ。

実際のルアーローテーション方法

【その1】まずは1グラムくらいのスプーンで活性チェック

実際に杉山さんのルアーローテーションを追っていくと、まずは魚の状態を調べるところから始まった。最初に手に取ったルアーはティアロ1.3グラム。これで魚の反応が良いレンジ、追ってくる速さを見る。

ティアロ1.3グラム(ティモン)
●ティモン ティアロ 1.3g
クリックして説明文を入力
¥ 421
2020-11-17 11:13

【その2】水面下10センチをスローに引く

1.3グラムでは若干速いと感じた杉山さんは、3投目に1グラムまでウエイトを落とす。そして、魚がいるレンジより上の水面下10センチを引いてくる。

杉山「魚が多いレンジを直に引いてくると、プレッシャーを多く与えてしまってスレやすいんです。そこで魚の目線の上を引くことでプレッシャーを低く、さらにスプーンの存在を気付かせて食わせていきます」

ちびティアロ1グラム(ティモン)
TIMON(ティモン/鮭鱒) ちびティアロ 1g
クリックして説明文を入力
¥ 528
2020-11-17 11:14

【その3】サイトフィッシングの「本命」アンダー1グラムを投入!

1グラムでも釣果はあったが、時間が経過してプレッシャーが掛かっていくと、サイトフィッシングの本命となる「アンダー1グラム」スプーンを使い始める。

ちびティアロ0.8グラム(ティモン)
JACKALL(ジャッカル) スプーン ティモン ちびティアロ 19.4mm 0.8g ダイゴマイトII
主な対応魚種:トラウト
サイズ:19.4mm / 重量:0.8g
カラー: ダイゴマイトII / 杉山代悟厳選カラー
¥393
2020-11-17 11:14

杉山「さらに反応が薄くなっていったら0.6、0.5、0.4…とウエイトを落としてスローに誘っていきます」

サイトフィッシングの基本戦略だが、ここで単にウエイトを落とすだけで終わらないのが杉山さん。スプーンのアピールを決定付ける3要素のバランスを考えてローテーションしていくのだ!

ウエイトを落としたら動きのアピールを上げる

実際に杉山さんは、0.8グラムから0.6グラムへウエイトを落とした際、より動きのアピールが大きいスプーンを用いることに決めた。

チャーム0.6グラム(ティモン)

杉山「チャームは、ティアロより幅が広くて波動が強いスプーンです。ウエイトを落としていけば、よりナチュラルで食わせに寄ったアピールになります。でも、他のアピールも下げすぎると魚に気付かれないというデメリットがあるんです。そこで、ウエイト、スプーンの動き、カラー。この3つのバランスを考えながら、少しずつアピールを落としていくんです」

JACKALL(ジャッカル) スプーン チャーム 19mm 0.6g ダークブラウン #31
主な対応魚種:トラウト ニジマス ブラウントラウト イワナ ヤマメ ドナルドソン
サイズ:19mm / 重量:0.6g
カラー:#31 ダークブラウン
フック:e-hook#10
リングサイズ:#0
¥393
2020-11-17 11:17


スプーンアピールの3要素

重ければ速引きでアピール大/軽ければ遅引きでアピール小

スプーンのウエイトは重いほど大きく、しかもボトムに着きやすいので速く引くことになる。それだけ見た目もスピードも上がるのでアピール力は大きくなってくる。

逆に軽いほど小さく、ゆっくり引けるのでアピールは小さい。大体の目安として、1グラムを境に重ければアピール大。1グラム以下から軽くなればなるほどアピール小。

杉山「プレッシャーが高いほど、小さくてスローに引けるスプーンの方が食わせやすいです」

1グラム以上=アピール大

ティアロ1.6グラム(ティモン)

1グラム以下=アピール小

ちびクアトロ0.4グラム(ティモン)

スプーンの幅が広いとウォブンロールでアピール大。狭いほどロールの動きでアピール小

同じウエイトのスプーンでも、形によってアピール力も変わってくる。幅広のスプーンであるほど水をよく噛んで大きな波動を出し、ウォブンロールが強くアピール力は大きめ

逆に、幅が狭いスプーンは水を噛みすぎないので、ロール系の動きでアピール力は小さめ

杉山「カップが深くなっていたりすると、さらにアピール力は強めになります」

幅広タイプ=アピール大

チャーム0.6グラム(ティモン)

幅が狭いタイプ=アピール小

ちびクアトロ0.6グラム(ティモン)

よく見える派手なカラーはアピールが大きく、目立たないカラーほど弱め

ウエイト、スプーン形状を落とした場合、このカラーの強弱でバランスを取っていく。アングラーからも見やすい、派手なオレンジゴールドといったカラーはアピール大

逆に、水に馴染みやすくボトムの色にも似ているような地味なカラーはアピール小。

杉山「特にカラシ色っぽいカラーは、養殖された魚にとってエサのペレットぽく見えるようでナチュラル。食わせ系の最終カラーといって良いと思います」

派手なカラー=アピール大

アピード2.3グラム ダイゴハイアピールゴールド(ティモン)

地味なカラー=アピール小

ちびクアトロ0.4グラム カラシ色系(杉山さん自塗りカラー)(ティモン)

3つのアピール力をそれぞれ下げては上げて…この繰り返し!

杉山「サイトフィッシングで釣り続けるコツは、少しずつアピール力を下げていくことです。一気にウエイトやカラーなどを下げてしまうと、行き着く先がなくなって食わせにくくなってしまいます」

杉山「使っているスプーンの反応が悪くなったら、ウエイトを下げたとしても動きやカラーの方はアピールを上げてみる。この3つのバランスを少しずつ調節することで、1日の釣りが長く楽しめるはずです」

エリアトラウトの全てを大解説! 『ルアーマガジン マス王2』の情報はこちら

関連記事はこちら