年の瀬を近くして冬真っ盛り。一般的なエギングシーンとはいいがたい季節ではあるけれど、どうしてもアオリイカが釣りたい! そんなあなたに、12月のエギング事情を池内修次さんに解説していただきましょう。キーワードは「海水温」。2020年は比較的高めなので、例年よりは狙いやすいと言えそうです。冬ならではのポイントやエギの選び方も要チェックです。
解説はどんなときでもスマイリー・池内修司さん!
12月のエギングに最も重要なのは「黒潮の流れ」
池内「日本海の冬は荒れた天候が特徴です。冬場のエギングはやはり厳しいものがあります。
それでも太平洋側なら、特に暖流の黒潮が当たりやすい和歌山県や三重県などはまだまだ期待できます。一年中産卵が行われているこうした地域はアオリイカの棲息には好条件のエリアで、12月ならキロクラスがいるのはもちろん、100g程度の新子を見ることもできます」
ただし黒潮の流路は年によって沿岸部から離れてしまうことがある。
池内「こうなるとアオリイカは沿岸部の浅場には近付かず、水温の安定した深場に潜ったままになってしまいます。黒潮の流路や沿岸部の水温は各県の水産試験場ホームページで確認できます。逐一チェックして、黒潮が近付くのを祈りましょう!」
太平洋側なら12月でもまだ釣れるが…やはり黒潮次第!
黒潮とは赤道付近からフィリピン沖、台湾沖を抜けて日本近海に流れ込む暖かい海流のこと。釣りはもちろん、その年の漁業全体にも大きな影響を与える存在でもある。
そんな黒潮が近年、日本の沿岸部から大きく離れて流れる「大蛇行」という状態が続いている。
しかし、こと2020年に関しては日本近海の水温は全域的に高いまま。和歌山では23度、南伊豆や南房総でもいまだ20度を堅持中。エギンガーにとっては追い風基調と言えるだろう。
なお、こうした情報は各県の水産試験場のHPで確認することができる。釣り人も要チェックだ!
海水温情報・東京都の例
有望なのは「潮通しの良い地磯」
有望なポイントは水温が上昇した時に深場からすぐに上がりやすい、潮通しの良い地磯。
池内「上昇後、水温が2~3日安定した方が回遊しやすいです。時間帯は夕マズメから夜が有望。5~7mの浅場は日中に太陽光で温められやすく、夕方の水温がもっとも高いからです」
12月のエギは『動かないエギ』。ナチュラルな生命感を演出しよう!
水温が温められて浅場に上がったイカは活性が高いといっても、ハデなアクションに追いつけるほど機敏には動けない。そこでダートは控えめながらも、フォール中にパタパタフットからの微波動でナチュラルな生命感を演出できるEZ-Qキャストがオススメ。
フォール中にパタつくフットが生命感のあるアピールに
一般的な大分型エギのようにシャクリで誘うのではなく、より意識したいのは「フォールの誘い」。
パタパタフットからソフトでナチュラルな微波動を発生し『より生命体に近い存在』としてアピール、アオリイカを誘惑しよう。
シャクリはアピールとアピールの間の“つなぎ作業”くらいのイメージ。冬場には冬場の釣りを意識して展開してみよう。