昨年11月に満を持して発売された、O.S.Pの対ビッグバス用大型ワーム『ドライブビーバーマグナム』。これまでのホッグ系ワームの常識を覆すそのサイズはバス業界に衝撃を与えるとともに全国のハイプレッシャーフィールドにおいても圧倒的な釣果をもたらした。そんなドライブビーバーマグナムについて旧吉野川をホームとするO.S.Pプロスタッフ・浦川正則さんに改めて特徴をお伺いした。
旧吉野川の陸・艇ともに極めたスーパーエキスパート「師範代」
ドライブビーバーマグナム(O.S.Pinc)
O.S.Pの人気ワームドライブビーバーサイズアップバージョンであるが、その大きさは全長約7inとこれまでのホグ系ワームの常識を超える大きさで、テスト段階からビッグバスを連発させた。カバーはもちろん、オープンエリアにおいても使用でき、フィールドを選ばず威力を発揮する。全国有数のハイプレッシャーフィールドの天才バスも口を使ってしまうことからスタッフ間では商品化するのを惜しんだ声もあったほど。
【スペック】
●全長:7in ●カラー:全7色 ●入数:3本 ●価格:1,800円(税抜)※エコトーナメント対応モデル(Fマーク有)
マグナムサイズでもアクションレスポンスは最高!この動きにしか反応しない魚がいる!!
改めて浦川さんにとって『ドライブビーバー』どういうルアーなんでしょうか?
浦川「うーん、難しいですね(笑)あえて言うならビッグベイト的なワーム。これまでにも7in以上のワームは実在するのですが、どれも動かないものが多かった。でもドライブビーバーマグナムはでかくてちゃんと動くんです。確か初めて見たのが発売の1年前位。プロトはちょっと丸みがあったような気はしましたけど、ほぼ今のものと同じ。一昨年(2019年)の11月には本社に行ってテストプールで動きは見てたんです。印象はもうあの動きをされたら『うわうわうわッ』って感じで(笑)すごいアクションが出ていたんです」
オリジナルサイズとはどのような違いがあるのですか?
浦川「ちょっと僕のなかでは別物かなと。水押し感がまったく違うんで。オリジナルサイズだとスピードを使った小技を効かせられるんですけど、ただマグナムはちょっと抵抗感とかもあるので、小技と言うよりは『瞬間的なスピード』を使うイメージですね」
ストラクチャーに隠してパッと動かすみたいな?
浦川「それもありますが、マグナムは速いリフトで大きく撹拌させて『瞬間的に』水を動かせるんです。そういう動きですごいスイッチが入るなと。もちろん見せて食わせるとかズル引きとかもやりますけど」
マッディ系のフィールドでは最高に使い勝手がよさそうですが、浦川さん的な使い方としては?
浦川「そうですね、仰られた通り、マッディでも良かったですし、ステイン気味なホームである旧吉(旧吉野川)とかもよかったんですよ。テストは旧吉と徳島のメジャースポット、激戦区と呼ばれるようなエリアで行いました。賢くてでかいバスがたくさん見えたりとか、そんなところで反応を見るんですよ、毎回。釣れる所に行って『釣れます』って言うのはやりたくないんで。
あるとき、動画の撮影も兼ねてテストに行ったのですが、撮影場所の川は足場も良く、すごく人気があって人もかなり多くいたんです。しかもそのときはフナとかに依存していろんなルアーが無視されたんですが、マグナムだけは食いましたね」
何故マグナムにだけ反応したのでしょうか?
浦川「おそらく水押しですね。パンパンとリフトした瞬間にパドルがバタバタッてなるんですけど、あの瞬間に喰うんです。必ずリフトしきった後にバイトしたりとか、ほぼほぼ集中しているので。それはなぜかと考えたとき、でかいヤツが強く水を動かしたときにスイッチが入ってるっていう。ほかの小さめのワームでそれをやっても全然食わないんですよ」
よく動くからこそ大きさが生きてくるというわけですね!
浦川「そうですね。あとはあのボリュームに対してワームがしっかり曲がるじゃないですか。あれはメリットかなと。くびれというか、関節みたいなので。これまでのビッグワームってあんまりそういうのがなくて、ボリュームだけで動かずにふわーっと落ちるんですけど、それだとスイッチが入らないのって多いんですよ。それはそれで好きで結構使ってきたんですけど。そういうのとは全然違いますね。
また、集魚力もすごくて、いままでロングワームとかでやってましたけど、比じゃない!同じO.S.Pスタッフのオリキンが言うには 関東のリザーバーでもライブスコープとかで見るとすごい追いかけてたみたいです」
どのパーツがアクションのキーだと思いますか?
浦川「やっぱりパドルですね。重くてでかくてって言う。ボディの半分くらいを占めてるんで。重量の2/3くらいあるんじゃないですかね」
ちなみにこのバルキーボディに対してアクションレスポンスが良いのですが、耐久性はどうでしたか?
浦川「かなり強いと思います。それでも破損した場合には、オリキンとかが動画でやってましたけど、カッターで切ってボンドで止めちゃえばいいかなと。サンプルも当初は少なかったんで、長いこと使ってましたけど、直してあげれば持ちは良いと思います」
浦川さんのおすすめカラーは?
浦川「個人的にはエビミソブラックが大好きなんで。背中がグリパン系でお腹がザリガニっぽくて毒々しい色なんですけど、ツートンが艶めかしいと言うか。グリパンももちろんいいと思います」
浦川的!ドライブビーバーマグナムおすすめリグ&使い分け!
浦川さんがドライブビーバーマグナムで最初に使ったリグは?
浦川「僕はボートもやりますが基本はオカッパリがメイン。なので最初は根掛かりがしづらいフリーリグで使用しました。実は今日も日中撮影だったのですが、8割くらい投げてました(笑)。3inとかを投げたあとにマグナムを投げて逆にスイッチ入らないかなって。今時期の旧吉はボートではポロポロ釣れますが、オカッパリは本当に厳しい。ルアーのサイズを下げるくらいならいっそ思いっきり上げたほうが良いかなと思って。ちなみにオリジナルでもフリーリグがメインです」
フリーリグのセッティングについて教えて下さい!
浦川「今日は特別でしたけど、基本はパッと動かしてフワッと落としたいんで、シンカーは軽めの5gが多いですね、フックはリミット(リューギ)の6/0。あとはフットボールヘッド(リューギ)の5~7g、軽めですけど」
フットボールヘッドを使うとなるとスイミング…のセッティングのように思うんですが・・・?
浦川「確かにジグストでよく使われるヘッドですが、マグナムだとルアーがデカいんで動きがついてこないんですよね。テンポが合わないというか、リズムが合わないというか。なのでボトムでポンポンと動かして、(止めて)ふわーっと倒したりしてフリーリグで使用します。ちょっとズル引きして、引っかかったらパドルの強さを生かして強めにポンポンと弾く感じです」
なるほど!ほかにもおすすめリグはあったりしますか?
浦川「ノーシンカーもおすすめですね。秋の旧吉で試したらシャローにいた50アップが釣れたりとか。シャッドテールとかはみんな投げていて見慣れていると思いますが、あの動きはさすがに見たことないだろうと(笑)。シャローの切れたウィードが溜まってる横を通したり、あとは秋の旧吉だとカエルを食ってるんで、そういうイメージで巻いたりしています」
ドライブビーバーマグナムの水中映像は下記をチェック↓↓
シーズン的な使い分けはあったりしますか?
浦川「アフターの時期ははどうかなって気はしますけど、基本時期的な制約はないかなと。たとえば春のプリ時期の魚であればああいうのは大好きですし、夏のサイトでも使えますし。徳島ベースで使うのを考えれば、2月にでかいのを狙うならば、絶対に縦の移動ができるような急深な部分。冬から春に直結するところがメインなので、底をまず狙いますね。
それともうひとつは2月の中旬になるとシャロー。スポーニングエリアのベッドを作りたいような場所にさしてくるんで、そういう奴らはまぁまぁでかいんですよ、しかもめちゃくちゃ食い気があるんで、数は少ないんですけどそういったシャローを攻めますね」
その場合はフリーリグで攻略する?
浦川「そうですね。たぶんそうしたプリの岸から急深になった場所を狙おうとすると、引っかかることが多いと思うんですよ。旧吉で言えばテトラとか、テトラエッジとかリップラップのブレイクがメインになるので、引っかからずにどう使うかがメインになります。そこはフリーリグで対応するしかないかなと」
ここまでボリュームのあるビッグワームを使った経験があるアングラーはそこまで多くないと思うのですが、使いこなすコツやアドバイスがあれば教えてください!
浦川「ある程度速く使わないと言うか、アクションを早くしないと言うか。余韻をちゃんと作ってあげるようなイメージで。メリハリですね。例えばズル引きで持っていくのも余韻のひとつです。ボトムバンプもいいんですが、やはりゆっくりとしたリフト&フォールがおすすめ、そこのなかに速い動きをアクセント的に入れると効果的かなと。アクションを入れる前に食ったらそれでいいんで。
またタックルにおいてもこれだけのボリュームがあるルアーなので、ロッドも必ずヘビー以上の物を使ってください。そのセレクトを間違えるとフッキングをしっかり入れることができないので!」