ロッドはシンプルな形状ですが、ガイド、ジョイント、ブランクからグリップに至るまで、重要なチェック箇所が満載。日々のメンテナンスが物を言うタックルでもあります。だけどシンプルゆえにメンテはお手軽。釣行後にはササっと細部をチェックしてあげましょう!
コーティング剤を使ったメンテナンスを紹介
今回は前回の記事から1歩進み、コーティング剤やコルクパテなどを利用したメンテナンス方法を紹介。
定期的にお手入れをしてあげればジョイントのスッポ抜けや固着など、重大なトラブルの予防にもなる。毎回ではなくてもいいが、たまにはメンテナンスをしてあげると、その分だけ末永く使えるだろう。
主なセルフメンテ
・ガイドのチェック
・ジョイントのコーティング
・ブランクのコーティング
・グリップの洗浄と修繕
タックルの基本的なメンテナンス法はこちらの記事でチェック!
ガイドはリング内のキズを要チェック!
岩場や消波ブロックでキズついてしまうことも多いガイド部分。キズがあるとラインが切れてしまう可能性も。
指や目視でわからない細かなキズは、カッターなどの鋭利なものを軽く当ててチェックしよう。
なお、ガイドリングの素材はカッターを軽く当てた程度で傷つくほどやわではない。
ジョイント部はワックスで緩みや固着を防止!
フェルールワックスを継ぎ目に塗る!
ジョイントは釣行や移動の度に抜き差しする部分。使い込むうちに緩んだり、ガタついたり、最悪の場合には抜けなくなったりすることも…。
フェルールワックスはそんなジョイント部に塗り、滑りを良くしてくれるもの。緩みや固着を防ぎ、ロッドのパフォーマンスを保つための必須のアイテムだ。
今回はスミスの「ロッドフェルールワックス」を使用した。
ワックスは継ぎ目部分にまんべんなく塗って馴染ませよう。フェラライトフェルール(並継ぎ)、スピゴットフェルール(印籠継ぎ)のどちらのタイプにも塗っておきたい。
塗り過ぎると継ぎ目からワックスが溢れ出る。その場合、余分なワックスは拭き取って、再度ジョイントにワックスが馴染むように継ぎ直そう。
ブランク洗浄後はコーティングで強度アップ!
コーティングして実釣の汚れを予防
水に浸かってしまったり、ガイドを通るラインの水しぶきを浴びることも多いブランク部分。洗浄して塩分を除去し終えた後は、コーティング剤を利用して次の実釣に備えよう!
こちらはDAIWAのコーティング剤「ロッドガードII-100」を使用。
ロッドのお手入れに最適な強力撥水剤。雨や波飛沫の付着を低減し、糸のベタつきも防止。釣行後はもちろん、釣行前にコーティングしても効果あり。
柔らかい布やキムワイプなどのペーパーにロッドガードを吹きかけブランクを磨く。ブランクが傷つかないような繊維のものを使用するように注意しよう。
グリップのメンテでキャスト&ファイト時の違和感を低減!
グリップは釣行中常に触っている部分だから、皮脂や手垢で汚れてしまうことが多い。通常の水洗いだけでは落ちない汚れは、中性洗剤やメラミンスポンジを使えばキレイになる。
ひどく汚れがこびりついているときにはヤスリなども有用。しかしその場合はグリップエンドやリールシートを傷つけないようにマスキングしておくと安心だ。
中性洗剤やぬるま湯で汚れを除去【EVAグリップ】
付着した汚れは中性洗剤を付けた歯ブラシで磨いて落とす。ぬるま湯を使うとより落ちやすくなる。
洗剤を残すと塗膜が剥がれる可能性があるので、しっかりと洗い流そう。
しつこい汚れはメラミンスポンジで【EVAグリップ】
歯ブラシと中性洗剤で汚れが落ちない時は、メラミンスポンジを使って汚れを落とす。
ただしメラミンスポンジは繊維を削って磨くため、あまり強く磨きすぎないように心がけよう。
コルクグリップの穴は専用の「コルクパテ」で埋めることができる。以下に紹介しよう。
コルクグリップのお手入れ方法
【1】メラミンスポンジで汚れを落とす
コルクグリップの黒ずんだ汚れはメラミンスポンジでこすることで取り除くことができる。水を染み込ませるだけでも十分だが、中性洗剤やお湯を使うことでより汚れが落ちる。
汚れを落とし終えたら、タオルでしっかりと水気を拭き取ろう。
【2】取れない汚れはヤスリで削る
メラミンスポンジで取れない汚れに関しては、1000番以上のヤスリで磨いていく。この時、力点を統一するためにヤスリを覆う。
また、ヤスリでパーツやその他の部位が傷つかないようにマスキングテープを巻いておこう。
【3】目抜けにコルクパテを塗り込む
コルクグリップにできてしまった目抜けと呼ばれる溝はコルクパテを埋めていく。つまようじなどを使って目抜けの隙間にコルクパテを塗り込む。
隙間が残らないように念入りに詰め、少し多めにパテを盛っておこう。
【4】乾いたパテをヤスリで削る
30分〜1時間して塗り込んだパテが乾いたら、1000番以上のヤスリで均一に削っていく。
こちらも塗り込んだ部分以外のコルクを削ってしまわないように、マスキングテープなどを用いて保護しておくこと。