飛距離とトラブルレスを両立するMGL(マグナムライトスプール)を装備していながら、ハイコストパフォーマンスでミドルグレードベイトリールの金字塔となったSLX。昨年のDC搭載機に続き今季はベイトフィネス仕様が追加され、もはやシリーズのラインナップに死角なし!!
SLX BFS(シマノ)
【スペック】
●SLX BFS RIGHT・LEFT/SLX BFS XG RIGHT・LEFT
●ギア比:6.3/8.2
●最大ドラグ力(kg):3.5
●自重(g):170
●スプール寸法(径mm・幅mm):32・22
●フロロカーボン糸巻量(lb-m):8-45
●最大巻上長(cm/ハンドル1回転):63/82
●ハンドル長(mm):42
●ベアリング数(BB/ローラー):5/1
●価格:24,000円(税抜き)
※LEFT=左ハンドルモデルは4月、RIGHT=右ハンドルモデルは6月発売予定 ※XGはエキストラハイギア仕様
MGL、DC、そしてもうひとつのSLX
MGLスプールやハガネボディなどハイエンドモデルのスペックを惜しみなく搭載。にもかかわらずネットの実勢価格が15,000円前後と驚きのコストパフォーマンスで2019年のデビュー以来大人気となっているSLX MGL。昨年はデジタルコントロールブレーキを積んだSLX DCが登場し、もしかしたら次は…そんなSLXファンの期待を裏切ることなく、シマノ社は今季のベイトフィネスモデル市場投入を発表した。
ネコリグやシャッドなど軽量ルアーの正確かつトラブルレスなキャストに貢献するのは、名機『アルデバランBFS』で高い評価を得ているFTB(フィネスチューンブレーキシステム)。ブレーキユニットを排除した軽量スプール(ユニットレススプール)と相まって、ピッチングでの低弾道アプローチが決まるはずだ。
FTBによるさらなる軽量化で回転レスポンスを高めたユニットレススプール
シマノが独自開発した『FTB(フィネスチューンブレーキシステム)』により、スプールからブレーキユニットを排除。ブランキングだけでは成しえない軽量化を実現した。しかも慣性が働きにくい位置にスプールの重心が来るよう設計することで回転レスポンスをさらに高めている。
外部ダイアルにより、状況に適したベストなブレーキセッティングが調整可能
FTBに加え、低回転時にはスプールから離れ(ブレーキ弱)、高回転時にはスプールに近づく(ブレーキ強)、可変式のマグネット移動機構を採用。ブレーキユニットをスライドさせることでブレーキ力そのものを無段階調整できる外部ダイヤルと相まって、状況に応じたベストなセッティングを即座に出せる。
そしてやはり、MGLならではの懐にやさしい価格設定。「ベイトフィネスのために専用機を一台買うのは…」と諦める必要はもうない。
シマノインストラクター陣のインプレッションは!?
「軽量ルアーの投げやすさでは、もはや16アルデバランBFS超え!!」by黒田健史
【Profile】
黒田健史(くろだ・けんし)
水の上で過ごす膨大な時間とともに積み上げた経験値から、スポンサーの枠を越えて良いものは良いと言い切るインフルエンサー。今季JBトップ50では、コロナ禍でキャンセルとなった昨年のぶんまで大暴れしてくれることを期待したい。
黒田「ベイトフィネスリールの命は“投げやすさ”=スプールレスポンスの高さにあると思うんです。その部分に関して言うとこのリールは、16アルデバランBFSと同等か、それ以上のレベルになっている。とくに一般のアングラーさんほど、そう感じるのではないしょうか。5年前に比べると、それだけ技術が進化しているということ。
たとえば4inワームの0.9gネコとか、本来スピニングで扱うようなフィネスリグならアルデバランに分があります。でもそれを必要とするのは試合の場など特殊な状況、ふつうはリグらないですよね(笑)。
自重を比較するとアルデバランBFSのほうが40g軽いのですが、じゃあなぜそこまでのレスポンスをSLX BFSが持ち合わせているのかというと、スプールの重量バランスが計算し尽くされているから。アルデバランよりスプールも重いのに、投げやすさでイーブンな理由がそこにあります。
そしてその自重はベイトフィネスロッドだけでなく、消波ブロック狙いでちょっと硬めのロッドでラインも太くして、でも軽いリグを扱いたいときや、ライトバーサタイルロッドにも向いている。ベイトフィネス相応の糸巻量なので必然的に遠距離戦はできませんが、ピッチングメインの近距離戦に絞るならベイトフィネス+αの幅広い対応が可能です」