衝撃的リアルなバス釣りワーム「MMZ」の使い方を「見釣り」の達人・峯村祐貴さんから学べ!



あまりにもリアルなワームがバス釣りメーカーO.S.Pから電撃登場! 「MMZ」は見た目通り&文字通りの超ミミズ型ワーム。不規則な曲がり&柔らかさとは裏腹に、ノーアクションという意外性を持つ新機軸だ。西東京〜奥神奈川界隈で恐れられる「常勝サイトフィッシャーマン」こと峯村祐貴さんに密着し、その活かし方を学ばせてもらった。釣果は? …もはや言うまでもないだろう。

見えれば釣れる(断言)M・M・Y! 峯村祐貴さん!

【Profile】

峯村祐貴(みねむら・ゆうき)

ここ3年間、相模湖界隈を中心に出場したローカル戦での表彰台獲得打率は、実におよそ4割! その主軸となるのは従来の常識を覆す独自のサイトフィッシング。もはや彼の眼から逃れる魚はいない…。

MMZは「ビッグベイトの釣りに近い」!?

前代未聞のパッケージはいわばエサ箱!

しなやかなM字に曲がったボディの特性を活かすべく完成したのはご覧の通りの異色パッケージ。

上蓋を開ければカップ状の中でMMZが蠢いているかのようなリアリズムだ。

【スペック】

●全長:ナミ…約5.8in/チビ…約3.8in*共に伸ばした際の全長
●カラー:全8色
●価格:ナミ8匹入/チビ10匹入、共に891円(税込み)

「サイトは攻めor待ちの2択。MMZは待ちの主軸になる」

峯村「ひとことで言うと、僕のビッグベイトの釣りに近い。あまり動かさず、見せて食わせます」

この正月、YouTube上でO.S.Pとの電撃契約が発表された「国内最強サイトマン」こと、峯村祐貴さん。無所属でルアーマガジン本誌に登場した昨年から一転、強力なサポートを身に付けた新生・峯村祐貴として改めての船出となる。

M字に曲がりくねって、誤解を恐れずに言うならば「エサ」感が溢れるワームがなぜビッグベイトに近いのか? その真意は如何に。

峯村「パッと見では、すごく艶めかしく動きそうに見えますが、実はその逆。水を受け流してノーアクションに近い。フォール時は丸まって落ちるし、ボトムではストレートワームほど水を押さない。ビッグベイトほどパワーはありませんが、存在自体が魚を引き付けます」

棒状=ワームと認識する天才バスの目を欺く、次なる一手がMMZなのだ。

峯村さんの数あるサイト手法を「攻めと待ち」に2分するならば、MMZは「待ち」の主力となる。

峯村「ただし、見せ過ぎちゃダメ。魚に見に行ってもらって食わせる」

当日は若干の濁り。主に「見えるか見えないかの水深」で先回りして、待ちの釣りを展開していく。

峯村「まずはMMZでの1尾目!」

峯村さんの仕事はいつものごとく早い、早すぎる。今回も驚くべき釣果を叩き出していく!

この日、岸沿いに見える多くの魚がスポーンを意識した行動を取り反応はごく薄い。「全ての魚が産卵するわけじゃない。まだ別のモードの魚もいるはず」。相模湖の桂川本流筋を上から下まで素早くサーチして答えへと導いた。

峯村「あと何尾か見えたんで、残りの魚も狙いますね(!!)」

返す刀で2尾目を狙う峯村さんの技術力! その秘訣とは?

MMYのMMZ攻略その1「枝カゲチラリズム」

峯村「魚の進行方向を見極める。そして『食わせ所』で待ちます。1投目では何もない場所に置いたんですが魚の反応がなく、次はブッシュに引っ掛けておきました」

見えバスの進行方向にあるカバーからMMZをチラ見せ。たまらず食いついてくる!

エサを探して回遊している見えバスの行く手、その先のカバーにMMZをキャスト。技術が光る一手だ。

峯村「過剰に動かないからこそ、バスは不信感を抱かず食ってくれるんです」

ストレートワームのビビビッとしたアピールは、時にデメリットになることもあるという。

わずか10分で同エリアから2連打!

峯村「おっ、いました」

1尾目を仕留めるや、その場で即座に次なる魚を捕捉。脳内で「食う魚」と認識した峯村さんは、次なる手段を講じる。すると、岸際の小さなガレ場が崩れ、小石がガラガラと激しく水中へ落ちた。

万事休すか。いや、それは峯村さんが意識的に演出した策だった。

1〜2尾目を連続で仕留めるまでのおよそ3時間、各所を見て回るもボトムで目線が沖を向く魚ばかり。「100尾くらい見ましたね。攻めなら簡単ですが、今日は待ち。MMZで食う魚を探します」。限られた条件下で見付けるや即座。驚異的!そのワザとは?

峯村「反応が良くないのはわかっていたんで、敢えてMMZを岸に乗せて石と一緒に落としてみました。ちょっとしたテクですね」

MMYのMMZ攻略その2「ガレ場ガラガラサイト」

小規模の崩落で魚に眼を向かせ「ほんの少しズル引き」でMMZの存在に気付かせる。そして目論見通りにバイト。実に、実に巧妙な戦略だった。

峯村「ハリ先が傷みやすいので適度な小石に引っ掛けます」

小さな崩落が見える岸にMMZを乗せ、小石もろとも水中へ落として魚に気付かせるパワーゲームが功を奏した。

峯村「魚はMMZをミミズだと思って食っているとは思いません。そこは一生かかっても答え合わせできないんで、考えないようにしています。僕のサイトはエサに寄せて釣ることは意識しない。魚にとって気になる存在になることであればいい。ただそれだけです」

魚の原始的な本能を揺さぶること。それが峯村流サイトの根幹だ。

峯村「攻めならサイコロラバー、待ちならMMZ。その待ちのサイトをより効率良く実現できるのが、僕のMMZの釣りです」

魚を見付けるや、わずか10分で2尾。峯村祐貴、やはり彼は本物だ。



バス釣りって、こんなに簡単だったっけ?

次から次の釣果に、取材陣は錯覚する…

午前中は4時間ほどを実釣に費やすと雨が強まり、一時は出船場所の日相園へ戻って待機。

峯村「ずっと曇りだと思っていたので、レインウェアのパンツを持ってきてないんです(笑)」

サイトに雨は大敵。小雨ならまだしも大粒の雨は水中への視界を遮り、効率を著しく下げる。本降りが落ち着くまでのおよそ1時間ほど、休憩がてら峯村流MMZサイトのキモを聞いてみた。

峯村「チビとナミの2サイズ使い分け? 僕の場合、チビは小さなシルエットなのでフォールで食わせ、ナミは深めや遠いところでも魚を呼んで食ってもらう。基本的には沖方向ではなく『岸を向いている魚』、『エサを探している魚』、極論を言うと『食う魚』を探します」

具体的にして抽象的な『食う魚』。食わない魚を相手にし続けても、限られた時間を無駄に費やすことになってしまう。効率重視だ。

峯村「あ、ひとつアドバイスするなら『魚は右目で見る時と左目で見る時で反応が変わる』ことも知っておくといいかもしれませんね」

さて、午後には雨が一時的に止んだ。峯村さんは再び湖上に出るやサクッと1尾追加。バスフィッシングって…こんなに簡単か!?

シーズン主流を外して本日最大をキャッチ!

MMYのMMZ攻略その3「レイダウンでのファイトは張りすぎない!」

本日の最大魚は複雑に入り組んだ巨大レイダウンの奥で発見。が! 食ったとはいえ、こんな場所ではブレイクの恐れも。

レイダウンは見えバスの宝庫。しかし、ファイト時には普段以上に気を遣う必要がある。

峯村「張り過ぎると手前に走って擦れる。竿先を突っ込んで奥へ走らせるようにしました」

信頼のPEラインも味方につけた形だ。

PE0.3号+フロロ2号は共通で、竿を使い分け

峯村「特にチビは軽いので飛距離を求めたセッティングです」

軽いなら柔らかめの竿を選ぶが、ラインはナミと共通。

峯村「でかい魚を狙っているんで、過剰に細く弱くする必要はないですね」

[MMZチビ用]●ロッド:ミミポンプラス

[MMZナミ用]●ロッド:スペルバウンドコアSCS-63-1/2XUL-ST

リール&ライン共通
●リール:ヴァンキッシュC2000HG
●ライン:スーパートラウトアドバンス マックスパワーPE S-spec0.3号+スーパートラウト エリアマスターリミテッド ショックリーダーVSPフロロカーボン1号(モーリス)

「今日が試合なら、攻めのサイトの日」

前週に比べ魚のモードが一気に産卵寄りへと移行した取材当日。見えても待ちのサイトでは苦戦し続け、前段階の魚を探しての実釣がメイン。「攻めならどうかな?」との試投で簡単に1尾ずつ。何と2キロ超も!

でっカブメスJr(痴虫)の「攻めのサイト」で釣り上げた1本。

峯村「答えはわかっている中で、今回は敢えて主流を外した釣りを貫きました。何とかMMZで3尾。4月下旬以降になればシーズンは進行して、フォールだけで食う魚が増えると思いますよ!」

ルアーマガジン6月号はバス釣り超入門! 佐藤秀峰先生の読み切り漫画も!