ジグ単テクニック徹底解説! 基礎から応用まで【アジングの教科書#014】



道具の準備から順番に連載を続けてきたアジングの教科書。ようやく、釣り方の具体的なレクチャーに入っていきます。まず、現代アジングの基礎システムとなっている、ジグ単の釣りについて。アジングというルアー釣りにおいて、最も簡単で、最も奥が深いと言っても過言ではない、この仕掛けの楽しさをお伝えできればと思います。

本連載は5月31日に当社MOOKとして発売予定。まとめてご覧になりたい方は、その書籍をご購入いただくか、当連載をゆっくりご笑覧くださいませ。本を発売しても消したりしませんので!

ジグ単の釣りは、他のアジングのテクニックにも深く関わります!

第13章 ジグ単の釣りの基礎技術

ジグ単とは1.0g前後のアジ専用ジグヘッドフックにワームを刺し、その仕掛けのみで釣っていくことから「ジグ単体」→「ジグ単」と呼称される経緯があることからも、非常にシンプルな仕掛けとなっています。では、このシステムで釣るための基礎理論を解説していきます。

使用するロッドは5〜6.5ft前後。リールはスピニングリール500〜2000番台のシャロースプールタイプ(SとかSSといった表記がされています)。メインラインはエステルラインを推奨。0.3号前後を基準とします。釣り場が浅い場合などはPEやフロロカーボンラインなども有効です。リーダーは0.8号前後。ジグヘッドは0.8号〜1.0号をベンチマークとして、状況によって重さを前後していきます。0.3〜3.0g前後の使用がスタンダードです。

【Part.1】すべての基本は「投げ」て「フォール(沈める)」

投げてルアーを沈める。これだけのお話!

アジの食性がプランクトンに偏り始めたことで、7〜8割はキャスト後に、ルアーをフォールすることができれば釣りが成立するようになりました。非常に簡単ですよね。キャスティングが出来て、着水したルアーをアジのいる水深まで沈めることができればアジが釣れるのです。

聞けば簡単なことではありますし、実際簡単ではあるんですが、楽しむためにはテクニックと工夫が必要なのもこの釣りです。では、まず、2種類のルアーの沈め方があること学びましょう。

フリーフォールとテンションフォール

キャストからルアーが着水。それを沈めていくのですが、その沈め方にも大きくわけて2種類があります。仮に、投げた場所に一切の流れがないと仮定してください。その時に、着水点近くの底にルアーを沈めたい場合はみなさんどんな工夫をするでしょうか。

ルアーになるべくテンションを掛けずに、ラインを出していくようにしませんか? つまりスピニングリールならば、ベールを返した状態、ベイトリールならばクラッチを切った状態でルアーの重さだけに頼って、底まで沈めていきませんか?

まさにその状態がフリーフォール=自由落下ですね。ジグ単の釣りの場合、このフリーフォールから釣りが始まる場合がほとんどです。実際はラインに結ばれているので真の意味で自由落下状態ではありませんが……。

では、テンションフォールとはどんな状態でしょうか。任意の水深に到達したら、スピニングの場合はベールを戻し、ベイトリールの場合はクラッチを戻します。その状態でラインの糸ふけを取り(その多くはリールを巻いたり、ロッドを立てたりする)、その状態からルアーを沈めていくことです。

ラインにテンションがかかっていますから、ルアーはアングラー側に向いながら沈んでいきます。フリーフォールはイメージとしては真下に沈みますが、テンションフォールは斜め前(アングラー側)に沈んでいきます。

現代アジングは、このフリーフォールとテンションフォールを組み合わせることで、釣果をあげていきます。何も考えずとも、着水点のいずれかの水深にアジがいれば、投入したルアーにヒットする可能性があります。ですが、より高い確率で、しかも数を釣ったり大物を狙って釣ったりするには後述する理屈を知ることでより釣果が上がります。

カウントダウンとレンジキープ

さて、とにかくジグ単を投げて沈めれば、アジがヒットするチャンスがあることはお伝えしました。ルアーの沈め方にもフリーフォールとテンションフォールがあることも解説しました。

その解説の前にまず、アジの特徴について、いま一度、復習しておきましょう。メインターゲットとなるマアジは、回遊魚で群れを成す魚です。当然ですが、水面からボトムまでにびっちりと魚がいるわけじゃありません。もちろん稀にそんな場合がありますが、レアケースだと考えてください。

例えば全体で10mの水深のあるポイントがあったとします。そして、底から6〜7mの深さにアジの群れが固まっているとします。つまり幅1mという層にアジの群れがいるとしましょう。その1mの層もピンポイントではなく群れの大きさに広がっているはずです。畳1畳分? それ以下の場合もあるでしょう。場合によってはもっと大規模! 投げる範囲の全部なんてこともあるかもしれません。

アジがその層に溜まっているということは、その層にエサとなるプランクトンの群れ、層があるということです。その層の中で、アジたちはエサを吸い込んでぱくり、吐き出してパクリを繰り返していると想定できます。

となると、その層に的確にルアーを送り込んで漂わせることができれば、ヒット率が上がると思いませんか? フリーフォールで毎回、魚のいる水深に送り込んでヒットを待つこともできますが、その場合はその1mの幅の層にルアーがフォールしたそのタイミングだけがヒットチャンスです。

ですが、さらなるチャンスを増やすにはテンションフォールを利用して、そのヒットする層の中に長くルアーを留めておく事ができれば効率が良くなります。縦に落とすよりも、斜めに落としたほうがチャンスが増えるに決まっています。斜めどころか、その幅1mの層にずーっとルアーを留め置くことができればチャンスは上がるはずです。

このアジのいる水深と層にルアーを留め置く技術をレンジキープと言います。

キャスト毎に、そのアジがたくさんいる層にアプローチするには、そのレンジのトップの部分にルアーが到達したらフリーフォールをやめるためにリールのベールを返してたり、クラッチを戻したりしてテンションフォールに移行する必要がありますよね。キャスト毎にその層をなるべく正確に見つけ出すにはどうすればいいでしょうか?

ジグヘッドの重さを変えなければ、基本的に毎回、着水から同じタイミングでその層に到達しますよね? では、数えておきましょう。そのアジがいる層を見つけ出すために、数字を数えておくのです。例えば、8のタイミングからアジの反応があるのなら、そのタイミングからレンジキープを始めるのです。このように、釣りの中で、反応の濃いタイミングをさらに絞り込むことで精度が上がっていきます。このタイミングのカウントをカウントダウンとアジングでは呼んでいます。

【Part.2】レンジキープの基本はロッドワーク

アジがいる水深(レンジ)や層が見極めれるようになると、アジングの戦術の幅が広がってきます。そして、レンジキープができるようになると、アジのヒット率が格段に上昇します。今回は、最も基礎的なレンジキープ術を紹介します。理屈的にはとても簡単です!

アジの群れが多くいる層に長くルアーをアプローチする。これが最大のコツ。それをどうすれば実現するか考える! 単純にロッドを立てる。もっと上に伸ばす、それすらクリアランスが無くなったら、トゥイッチなどを駆使して狙っているレンジにルアーを強制的に戻して再フォールするなどなど。

まず、キャストしましたら、フリーフォールのままカウントダウンします。ヒットが多かったレンジのトップのカウントに入りましたらテンションフォールに入ります。おそらくこの状態ではロッドティップは水面方向に寝ている角度になっているはずです。なっていない場合は、なるようにキャスト後、フォール中に調整しておきましょう。

そのロッドティップをゆっくりと立てていってください。必然的に、フォールしているルアーは水深をキープしながら前に来るわけです。このコントロールが上手くいけば、アジのヒット率が高いレンジにルアーを長い間、留めておくことができるのです。

理屈を理解しておけば、さまざまな応用が可能になります。ヒットレンジのボトムに達したり、さらに底に進んでしまったときには、トゥイッチやダートのようなテクニックでルアーを動かして(方法は後述)、レンジ調整を行うなど応用が可能になります。

【Part.3】ただ巻きで釣る

現在の日本近海を取り巻くアジはプランクトンが主食となっているため、なるべくルアーを動かさないで群れのアジに口を使わせるフォールの釣りが有効なのですが、応用的にルアーをゆっくり巻くことで釣果が上がるシチュエーションも存在します。このテクニックを「ただ巻く」ので「ただ巻き」と呼称します。

現代アジングではレンジキープの手法として取り入れられることが多い。

狙っている群れがでかく、アジの活性が高く、アジの群れの密度が濃いなどの好条件が重なった場合、この釣り方でイージーにアジが釣れることがあります。ただ巻きのメリットはアワセなくても、アジが高確率で反転したり、ルアーを巻いていることでフッキングが成立するので、非常に釣りが簡単なことです。

また、長い距離をレンジキープしやすいというメリットもありますので、トゥイッチなどでレンジを調整しながら、アジの濃い層を素早く探っていくというサーチのテクニックでもあります。

【Part.4】トゥイッチ(弱)とダート(強)

ロッド操作で行う、ルアーの動かし方です。竿先をチョン!チョン!と跳ねさせることで、ルアーをアクションさせるテクニックをトウィッチと呼びます。この移動距離が長いバージョンをダートと呼んだりすることもありますが、ダートテクニックと呼ぶくらいの激しい動きは、あまりアジングでは使いません。足の速い小魚を模す場合に使用するくらいです。ロッドはそれこそ、1m以上のフリ幅でシャクることも珍しく有りません。

トウィッチは文字通り、ルアーをアクションさせることで魚を誘ったり、現在ルアーを流している位置を確かめたり、潮がどれくらいルアーに影響を与えてるかを確かめたりする際に多用しますので、トゥイッチは覚えておくと良いテクニックです。感覚的には竿先を3〜5cm動かすくらいの移動距離が基本です。

トウィッチで、流れを探る。ルアーの場所を探る。これがトウィッチの役割。この誘いにスイッチが入り、アジが捕食するということもある。

このトゥイッチのルアーの誘いでアジを釣るパターンは、夕マヅメ、朝マヅメの小魚などが捕食されている局面で威力を発揮することがありますが、その多くは、誘って釣るという側面よりも、ルアー位置の確認、潮の確認、そしてフォール&ドリフトレンジのキープのために使うテクニックです。

ここで、ドリフトという言葉を使用しました。ドリフトとはDrift(漂流・流れる)という英語の意味通り、ルアーをフォールしながら潮流に乗せるテクニックのことです。重要になるフォールのテクニックは全く流れのない状況であることはあまりありません。いかに潮流を利用してルアーをフォールさせるか、つまりドリフトも非常に重要なテクニックになります。

【Part.5】ボトム放置

これは、沈ませたルアーをボトムで放置させて釣るテクニックです。エサとなるプランクトン類(小型の甲殻類なども含む)が低層に集中している場合、イカナゴなどの特殊な砂などに潜る小魚がアジに狙われている場合など、単純に、ルアーを沈ませてボトムに放置させていることで、アジを釣るシチュエーションがあったりします。

フォール&ドリフトのテクニックが主流の中、この手法は特殊と思われがちですが、意外な釣果を叩き出すことがあり、アジがいるはずなのに反応が無いなどという場合に試してみる価値のあるテクニックです。

ボトムまでルアーを沈ませたら、張らず緩めずくらいのテンションで、じーっと待ってみてください。

ジグ単を底に沈めて待つだけ! 張らず緩めずくらいのテンションでアタリを待とう!


第13章-2節 潮流を利用する、その考え方

ジグ単の基礎テクニックを解説する際、潮などの海の流れの解説は不可欠です。ジグ単以外の釣りにも深く関わってくることから非常に重要と言えます。ここからはどのように潮流を利用してアジを釣っていくのかという基礎理論について解説します。

潮の流れは海面に現れることもある。写真は「潮目」と呼ばれる海中の流れが見えている状態。

そもそも、釣りにおいて、潮の流れは非常に重要視されます。「潮が動いていないと釣れない」という話は聞いたことがあるはずです。では、どうして潮が動く、流れがあることで釣りが優しくなるのでしょうか。諸説ありますし、答えも単一ではありませんが、非常にわかりやすい基本があります。

魚は、流れに対して頭を向けて泳ぐ習性が強い生き物です。もちろん、全てにおいてそれが当てはまるわけではありませんが(移動の際は流れに乗ったりしますよね)、アジなどは特に採餌の際にその傾向が強くなります。遊泳力が無いプランクトン類を効率よく採餌するためには、流れてくるプランクトン類を流れの下流で待ち構えて捕食したほうが効率が良いはずだからです。

流れが生じると、アジの多くは流れに逆らう方向に頭を向けることになります。群れで生活する回遊魚ですから、群れ全体が流れの上流方向に注目することになります。ということは、その習性を鑑みれば、その注目されているエリアにルアーが流れてくれば、より多くの個体がそのルアーを認識することになります。

基本、移動時の魚の群れの向きは一定。そういった移動時の群れにあたった場合は進行方向だけを見極めればOK。流れが魚の向きを作るという局面も多いので習性は理解しておくと良いです。

つまり、そのルアーに反応する個体が多くなるので、釣りやすくなります。仮に流れが止まっていれば、アジは一定方向に頭を向けるわけではありませんから、あるポイントに流れてきたルアーに対してそれを認識する個体数が得ることになります。そうすると、数の原理でヒットチャンスは減ってしまいます。

潮が動くことで、食物連鎖のサイクルが活発化する、つまり魚が高活性化するという、そもそも単純な理屈もあります。

そのようなことを考えていくと、ルアーどのように流していけば、効率良く魚が狙えるのかが見えてきます。そして、アジングの場合は遊泳力のないプランクトン類が流れによって何処に溜まるのかということを予測することができればアジの群れも探し当てることができるので、潮がどのように海中を流れているのかということを見極めることは重要なテクニックになってきます。

【Part.1】平面的な流れを予測する

この潮の動きを昼間なら視覚的にも探れるが夜の場合は、ルアーに掛かるテンションなどをトウィッチで聞きながら、紐解いていく。このパズルのような作業も、実はとっても面白い。

イラストを見てください。これは防波堤まわりの潮の動きを、上から見たとして仮定した流れの図です。防波堤などに仮に流れが向かってきていた場合、当然、流れはその障害物に阻まれて違う方向に逃げることになります。あくまでイラストは仮定の図ですが、ある程度の潮の流れや位置を把握できれば、障害物などの相関関係から、浮遊性の高いアジのエサ、プランクトンが溜まりやすい場所が予測できます。

そして、魚が流れに対してどのような向きで捕食体制を取るかを予測していくと、どこにルアーを落とし、フォールさせ、ドリフトさせていくかを考えることができます。Aの位置に落とせば流れに乗りながら、アジが溜まっているレンジに到達できるとか、Bの位置ならばルアーのドリフトコントロールがしやすいから、よりアジに口を使わせられるだとか、意外に流れが打ち消されながらもプランクトンが溜まりやすいポイントができているからCにアプローチしよう……。などと、釣りが多角化します。

ここまで考えずとも、魚を釣ること自体は容易いアジングですが、より釣りを突き詰めていくと奥が深いことがお解りいただけたでしょうか。

そして、この流れの位置や強さを探していくのに「ジグ単」という仕掛けは本当に優れています。時折、小さなトゥイッチを入れることでルアーの位置や深さ、そして流れの速さなどを調べていくのです。そうやって、得た情報から大きなアジの群れを掴んだ時などの楽しさは、アジングの楽しみのひとつです。

まずは、平面的な潮流を探って、プランクトンの溜まり場、アジを釣りやすいポイントを探していきましょう。

【Part.2】湧昇流と沈降流

平面的な流れの他に縦方向に流れが生まれることも珍しくありません。海底の障害物にぶつかることで湧昇流となったり下降流となったり、逆に流れと流れがぶつかることでそのような流れを生み出すこともめずらしくありません。こういった立体的な流れが生まれた場合も、プランクトンの流れを予測することで、アジの群れを探し当てることが可能です。

単純にそういった流れの直上、直下はまさにプランクトンが集まりやすい傾向のあるポイントですので、ぜひ、流れを見切ることがあれば狙ってみてください。

潮同士や障害物の影響を受けて生じる、海面方向の潮の流れ。
潮や障害物の影響を受けて、流れが下に向かう。

【Part.3】層によって流れの方向や強さが変わることがある

底の流れは自分に向かってきているのに、中層の流れは沖に払い出している。かと思えば、表層は低層と同じように自分がいる方向に流れている……。こういった2枚潮、3枚潮と呼ばれる、レンジによって流れが変化する、もしくは単純に強弱が大きく違うということもあります。

潮の方向は同じだけれど、強弱が違うという場合もある。まったく水深で潮の流れの方向が違うこともあります。

平面だけでなく、立体的に流れを探る技術が身につけば、より正確にアジの付き場を推理することができるようになります。こういった技術が身につけば、より、アジングが楽しむことができるようになると思いませんか?

【Part.4】流れを解きほぐす注目点は障害物

停泊している船廻りを攻めるときは船はもちろん、係留しているロープなどにも注意を払いましょう。

アジングでより釣果を上げていくには、潮を読むテクニックが重要であることはこれまでで、理解いただけたかと思います。では、最後に、具体例を見ながら、潮を読むテクニックをおさらいしてみましょう。もちろん、複雑な要素が自然というのは絡みますので、画一的な結果にはなりませんのであしからず。

障害物の構造から、潮の動きを予測して、ジグ単を送り込んでいく。どこにプランクトンが溜まる流れなのかがわかれば、ヒット率も格段に上がる。イラストは考え方の1例として利用してください。

例えば港にある船舶などの障害物。船底の形状を考えてみてください。キールなどの突起物があったりしてベタ底というよりは、そこに流れが当たれば、下に向かう構造になっていると考えることができますよね。

よく、船の下にアジが溜まりやすいと解説されることがありますが、あれば船のシェード(影)に身をよせているという要素よりも、単純に船という障害物によって生まれたプランクトン類の溜まり場があるから、アジが溜まりやすいと読み解くこともできます。

そうなると、船の左舷側か右舷側どちらに魚が溜まるかという予測も生まれます。素直に考えると流れがあたっている側にエサが溜まりやすいと考えることができないでしょうか。実際に観察していると、そういった流れの動きに追従することが非常に多いです。

船の下に溜まっているアジの群れを見つけたら(視認)、少し観察してみてください。

底潮が防波堤に向かっていたら、防波堤にあたって湧昇流が発生する…、となると実は防波堤の足元が最高に良いポイントになる…。こういった想像力も流れを読むテクニックのひとつです。

ということで、多少理屈っぽい部分もありますし、先にも記述しましたがそんなことを考えなくてもある程度、アジは釣れてくれるという優しさもありますが、潮を読み解き、ジグ単を使いこなすことで、遊びの幅は広がっていきます。少し、釣りに慣れてきたらこういったことも考えながら、釣りを楽しんでみてください。

【Part.5】常夜灯廻りの釣り方

エサになるプランクトンは走光性がありますので、夜の港廻りなどの常夜灯に集まりやすい性質があります。昨今はLEDの常夜灯が増えてきましたが、蛍光灯や白熱灯のほうが集まりやすい性質があります。

常夜灯の発光色に関しては、白い常夜灯が並んでいるなかにオレンジの常夜灯がポツリ。その逆、といった条件下ですとどの常夜灯にもチャンスはありますが、変化している常夜灯に着きやすい傾向はあるようです。

写真奥の常夜灯、白、白、橙、白。と並んでいる。この場合の狙い目は橙。変化点だからです。

何も考えずに、常夜灯の照らしている範囲を探るという王道もあるのですが、常夜灯の影響下にある明暗の明ではなく暗のエリアの魚が狙いやすい。と、いうこともよくあります。これはアジングに限らずですが、明暗の境目を狙うのはナイトフィッシングの王道テクのひとつですので、ぜひ試してみて下さい。

常夜灯の光を遮っている護岸際、影響を受ける境目の明暗…。光の中のアジの反応が薄くなってきたら狙いたいエリア。

【マニアックコラム】月の光の影響は?

プランクトンの走光性は、月の光の影響も受けます。例えば満月のように海面を照らすほどの光量の場合、プランクトン類も広域に散ってしまい、アジの群れが足を止める場所が特定しにくくなることから、あまり日和が良くないと言われています。そういった場合は、やはり潮の流れを読むテクニックが生きてきます。

逆に新月などの闇夜の場合は、小規模な常夜灯の影響力が高まりますので、プランクトンもそういった場所に集まりやすく、より釣果が出来ると言われています。

月夜とは違いますが、沖の漁火の影響を受けることもあるようです。沖に煌々と光って魚を集めている漁船が目視できた場合は、エリアを大きく変えるのもひとつの手です。それほどまでに、大きな光源は釣りに影響を及ぼすということを頭の片隅に入れておくとよいでしょう。