フカセ釣りとは、水中に仕掛けを漂わせながら魚を誘う釣り。遊動式のウキを使った仕掛けが一般的であるため、ウキフカセ釣りとも呼ばれる。そんなフカセ釣りとすこぶる相性が良いのが、アグレッシブなターゲットフィッシュ「チヌ」。ハマるとおもしろいチヌフカセ釣りの魅力にせまります!
チヌってどんなサカナ?
日本全国の堤防、磯場、砂浜など、ドコにでも生息している黒鯛。標準和名はクロダイ(タイ科クロダイ属)。近畿エリアより西方では「チヌ」と呼ばれ、人気ターゲットとして親しまれている。
沿岸性の強い魚として知られており、特にエサの多い河口域を好んで河川にも入ってくる。50cmを越える大物は「年無し」と呼ばれ、釣り人の憧れの的となっている。
日本記録(2021年6月現在)は、なんと71.6cm(拓寸)、5.72kgというメガチヌ。2011年5月に三重県尾鷲の磯で仕留められている。釣り方はフカセ釣りだ。
チヌのシーズナルパターン
チヌの最適水温は18度前後といわれている。視覚もよいが嗅覚もよく、大きくなると夜行性が強くなる。水温上昇とともに活性が上がりパワーフィッシュに変化、逆に、水温が下がればナーバスになり食わせるのが難しくなる。季節ごとの狙い方が明確でゲーム性がありおもしろい。四季を通じて楽しめる好敵手なのだ。
「春」
チヌの産卵期。この時期になると浅場に群れで入ってくる。そういった魚は「乗っ込みチヌ」と呼ばれる。日没から夜半にかけて産卵するといわれている。産卵という一大イベントに備えてエサを荒食いする時期でもある。
「夏」
産卵後の梅雨時期から初夏にかけて、チヌが1年を通して最も活発に動き回る。「エサ取り」と呼ばれる小型のチヌがよく釣れるのも夏ならでは。盛夏の日中に関しては海水温が上昇し過ぎるため、夜釣りが有効となる。
「秋」
真夏期から中秋に続いて高活性が続くのが秋全般の時期。小型のエサ取りサイズが減り、大型が混じってくるのが特徴。チヌの習性として、濁りが入ると活性が高くなるため、台風一過の数日は実は狙い目でもある。
「冬」
晩秋から冬にかけては内湾の深場に移動し、越冬するというのが定説。だが、都市部沿岸など、浅場に居着く個体も多く存在する。1日の中で海水温が最も上がる日中が有効だったりする。
雑食性なので釣りエサのセレクトに悩む魚でもある。好奇心も強いが警戒心もすこぶる強い。ただ、手を変え品を変え、あれこれアプローチを変えていくことで一年中狙える貴重な魚。釣りのターゲットとして奥深く、人気ある由縁である。
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『チヌフカセ釣りなるほど攻略7つのカギ』
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ちぬ倶楽部編集部
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