メガバスCEO・伊東由樹が語る“ジョイントルアーの魔力”とは…?



2連、3連…ジョイントルアー。ビッグベイトには当たり前のように散見され、i字形ルアーのようなミニマムプラグにも。カタいルアーがヤワくなる!? いろんな思いと意図と希望が込められた「ジョイント」だけど、言葉で説明できないナニかが込められているような…。その魔力に総力を上げて迫ってみましょう。今回は世界が誇る一大ルアーデザイナーとして国内は勿論、海外でも高い評価を得ている名作ジョイントルアーを世に生み出したメガバスCEO・伊東由樹さんにお話を伺った。

【Profile】

伊東由樹(いとう・ゆき)

メガバス/itoエンジニアリング主宰。そのデザイン、コンセプトによりバスフィッシングを倍速で進化させてきた。古今東西に関わらず、ルアーやタックルにも造詣が深い。

軌道を読ませないのがジョイントの強み

小学生時代、ジョイントファーストインパクトはラパラCDJ…ではなく、レアな国産ルアーだった。

伊東「オリムピックのインチビックにものすごく憧れて(笑)。それで先輩がライギョやナマズを釣りまくっていたので…。安かったんだけど、近所では売ってなくて買えなかったんです。ほどなくして、天竜川の減水した砂利穴で、引っ掛かっているのを見つけた! と思ったら、それが本家CDJだったという(笑)。でも、その動きのすごさに幼いながらジョイントの底力を見た気がしました」

だが、ジョイントならではのデメリット「飛ばない病」が脳裏にあって、ルアー作りでは敬遠。

伊東「風にあおられたり、回転してしまって飛距離が出ない。またアクションも散らかり気味で、バスに警戒されそうな印象がありました」

そんな伊東さんにとって、第2次ジョイントインパクトとなったのが、ビッグベイト。

伊東「カリフォルニアに行ったとき出会ったキャスタイックレインボー。ビッグベイト、スイムベイトのはしりですね。それを買って、池原ダムでティーザーとして使ってました。アメリカでもティーザーとして投げてましたね。そのときのチェイスをみて、その誘因力を研究していった感じですね。それが、2000年くらい」

わずか数年後、ITジャックとしてジョイントベイトを世に問うことになった。

ITジャック(itoエンジニアリング×フィッシュアロー)

モンスタージャックをベースに、独自コンセプトを盛り込み別モノへと昇華させた野心作。ウッドの特性を知り尽くした伊東さんの設計に、今改めて脱帽せざるを得ない。

伊東「関西のビッグバスハンターからは絶大な支持を受けましたね。作る上で重要視した要素のひとつは、音。木魚のようなポクポクというサウンドなんですが、水中だと捕食音として響いていた。フィーディングをイヤと言うほど意識させる音。そのために、かなり肉厚のボディにした。リグも極太のものを使って、テールも入れると3連結でしたね。プロトでは4連結も作っていたくらいでした」

その派生として水面下で進めていたのがITジャックのリップレスチューン。ウッドで先行していたが、エアブロックという高浮力素材で革命を起こすことになった。そう、XSリンバランバだ。

XSリンバランバ(メガバス)


エアブロックという発泡樹脂メイドなリップレスビッグベイト。ソルトウォーター版もあり、そちらはかなり早くからシーバスのビッグベイトパターンを牽引。

伊東「2003年ですかね。ちょっと早かった(笑)。現在のS字のはしりなんですが、全然一般受けしませんでしたね。作るのもメチャ大変なんですよ。発泡樹脂を成形して、アルミ箔を貼って、リギングして…完全にハンドメイドルアーでしたね。お店さんにはデカすぎる高すぎると言われるし、シンキングなので根がかるじゃないかとユーザーさんには言われるし…。でも、釣れるのはアメリカでキャスタイックを経験していたので分かっていた。キモは軌道。軌道を読ませないのがジョイントの強みですよね」

しかし、そのチャレンジへのリベンジとして、アイスライドなどのビッグベイト群を開発。定番として花開いたのはご存じの通りだ。

アイスライド262T(itoエンジニアリング)


アイスライドの十八番といえば、フックのマグホールドシステム。こちらはその機構を非搭載にし、よりワイドなスイミングを追いこんだ。モデルによる性格付けがなされているのは、さすがメガバス。

伊東「使い手としては、軌道は左右対称じゃないほうがいい。ダムの橋脚とかリザーバーの岩盤なんかで、偏った動きを演出させたいので。岸際へ寄り添わせてウォールノッキングさせたり、逆に壁から逃げるような動きをさせたり。ロクマルは賢いですからね。マグネットで半固定したフックを舵として、軌道を変える。野池とかを想定したモデルは、センターバランスで左右対称に泳がせて、根がからないように配慮しています。…ビッグベイトって、適当にやっちゃうと1回しかチェイスしてくれない。それを何回チェイスさせるかをルアーに課してやってきた。それこそエイトトラップのような狂わせるルアーパワー。それには、ジョイントという機構が不可欠でしたね」



まだまだ紹介しきれない!こちらも「要注目」なメガバスジョイントルアー!

プロップダーター・アイラウド(itoエンジニアリング)

ウエイクベイトの決定版、アイジャックを劇的進化。ラダーアクションバランサーは受け継ぐも、ジョイント&プロップでまるで別モノに。なまめめかしくもアピーリーな仕上がりに。

アイウィングトリプルフライ(itoエンジニアリング)

羽根モノ、という点ではアイウィングだが、サイズはもちろんコンセプトは完全独自路線。ウィングもフィッシュモチーフで、まるで水面用アラバマリグ。ミニマムなテールジョイントも、不可欠な要素。LBOを採用し、脅威の飛距離を実現。

『ルアーマガジン』2022年11月号 発売情報

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『ルアーマガジン』2022年11月号

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