楽しいからこそ、いま一度危険を認識する、ウェットスタイル安全講習会【写真と文Fishman@西村均】



さあ、水辺でのレクリエーション本番の夏。釣りだけでなく、水辺での危険、熟知していますか? 今回は、おなじみFishmanのテスターとして活躍するドクトルニシニシこと西村均さんに、ウェーディングゲームの安全に楽しむためのノウハウを少し、伝授していただきましょう。それでは西村さんよろしくおねがいします。

ウェーディングの安全を確保する大事な講習会が開かれた

皆様、暑い夏、いかがお過ごしでしょうか? 今月のドクトルニシニシは真面目モード!安全講師を受け賜わりましたので、白衣でなく黒板の人となっております。先生には猫も付き物ですね(笑)

【Profile

西村均(にしむら・ひとし)

ベイトロッド専門メーカー「Fishman」のテスターを務める。新潟県をホームに小渓流から海のルアー釣りまで幅広く楽しむマルチアングラー。人気サイトfimoでブログも執筆中。ドクトル・ニシニシの愛称で変な格好もするが、釣りのテクニックには定評あり。

さて、トラウトアングラーや磯師の方などは、ウェットゲーターでの釣りの機会が増えたことでしょう。水に直に浸かるウェットスタイル、ここ数年、その手軽さ、気持ちよさから人気を博しています。

ですが、その楽しさの裏に隠れた危険性、これを無視してはいけません。安易に考えていれば、すぐ足元を掬われるのが自然というもの。

そんな危険性を改めて認識し、より安全に、より楽しく、そして万が一の有事の際、どうやって危機を乗り越えるか?

そんな安全講習会が、シマノ&アイマのテスターである船沢氏、アンティーズハウスのマスターから依頼されたのです。



ウェットスタイルスクール~安全な渡渉法を学ぶ 

水に浸かる、流れに入る時、なにが危険なのか、各々、なにを不安に思っているか、をアンケートを取り、その傾向からピックアップした疑問点、危険個所を座学で伝えると言う、今までのフィッシングスクールイベントでは無かった、かなり真面目な講義から始まり、翌日は実際にフィールドに出て、各人の装備を点検し、安全の為の指差呼称から始まります。

おっとそうそう、ドクトルに安全なウェットウェーディング、シャワークライミング、キャニオニングを教えて下さったのは、故・本山博之氏です。

師が教えてくれた技術を、更に多くの生徒に伝える大役でした。この写真(下)は、ウェットシューズをより擦り減らなく、そして滑らなくする加工ですね。

本山さん、教えはきちんと実践していますよー! 渓流では決して避けて通れない渡渉、そこに隠れた危険と言うのは、実際に経験しなければ判らない、見なければ判らないものですが、それを経験するということは、危険な目に遭ってしまうということになります。

それは当然ヤバい事態で、講師自らそれをスクール参加者の前で実践する、貴重な経験を積んでもらえたと思います。瀬切りも安易にやると滑る、転ぶ、流される、元の位置に戻れない。そんなことが無いよう、ルート選択はどう見極めれば良いか、そのためには何を見るべきか、

友人が居るならどう協力すれば安全か。

もし万が一、強い流れで転倒、水没してしまった場合、どう対処するべきか!?

万が一、渓流などで転倒してしまった場合に絶対にしてはいけないこと

これが今回、一番重要な講義内容となりました(キャニオニング講習・シャワークライミング重経験者による、安全を確保した上での実践です。安易に真似をすると重大災害に繋がります)。この一番危険なシチュエーションに陥ってしまった時、一番やってはいけないことは、『慌てて息を吐いてしまうこと』です。

安全を確保した上でのデモンストレーションです。
安全を確保した上でのデモンストレーションです。

空気が肺に入っている限り、人体はそう沈むことはありませんが、

パニックになってアワアワ! と息を吐くとどうなるか……?

磯まで平気で泳ぐようなドクトルですら、瞬時に沈んでしまうのです。こうなったら本当に危ないのです。そうならないためのレクチャーをしたのが、今回の安全講習会だったのです。

後半から強く雨が降り始めたなか、釣りと言うレジャーに潜む危険を体験・再認識し、安全に楽しもうと考え、講習会に参加して頂いた皆様、お疲れ様でした!

今後のスキルアップを期待しております。

楽しいから、気持ちいいから釣りをする。そんな遊びの中にも、実は危険が隠れている。皆様も、安全に楽しく釣りを続けて行きましょう!

今後もアンティーズハウスでは様々なフィッシングスクールを企画しております。Fishman西村も講師として立つ機会がありますので、どしどし参加して、フィッシングスキルを磨いて下さいね。