バスフィッシングは、通年楽しめる釣り。季節ごとの必釣パターンを知っておけば、より釣果が得やすいのはいわずもがな。そこで琵琶湖の頼れるプロガイド、“いそっち”こと礒村雅俊さんにバス釣りシーズナルを解説してもらおう。今回は8月編!
【Profile】
礒村雅俊(いそむら・まさとし)
2011年より琵琶湖でプロガイドをスタート。琵琶湖のロコトーナメント『BAIT』で2013、2015、2017年にA.O.Y.に選出されるなど、アングラーとしても輝かしい実績を残す。ライトリグからビッグベイトまで幅広い釣りに対応。『楽しめる釣り』をモットーとする。
あの手この手を繰り出し夏バスのバイトを誘おう
磯村「7〜8月は使用するルアーが共通しています。7月編で紹介した攻略法は、8月でも通用する。その逆もまたしかり。当日の魚の反応や釣り場の状況に合わせ、どちらも試してください」
7月編で解説したノーシンカージャーク、ラバージグ、リーダーレスダウンショットリグ、ディープクランク、オカッパリ編のプロップベイトも積極的に活用するのが釣果を伸ばす秘訣なのだ。
磯村「真夏の釣りでは、魚の活性が高まる朝夕の時間帯は絶対に外せないと解説しました。これは間違いない。ただ、実は日が高くなった日中もチャンスあり。晴天の日中は、シェードがより濃くなり、さらにその影の範囲が狭くなる。すると魚はピンポイントにかたまりやすくなる。つまり狙うべきポイントが明確になる。魚の居場所さえ見つけてしまえば、戦略次第では日中にラッシュがかけられたりするんです」
それでは、8月の有効テクニックを解説してもらおう
シーズナル必釣ルアー【ボート編】
トップウォータープラグ
シャローの高活性バスを狙おう
磯村「7〜8月は、ゲリラ豪雨をはじめ、局地的+短時間の大雨が降ったりします。このような状況では、流れ込みや湧き水に魚が集まります。琵琶湖南湖においては、水深1〜2mの岸際シャロー。特にエビモやカナダモといったウィードが絡むエリアが狙い目となる。バスはベイトを水面に追い込もうとするので、ポッパーやプロップベイトなどのトップを投げてみましょう。ブルーギルをイミテートするならネチネチ。河口域に湧いたハスを模すなら、ただ巻きで誘うのもあり」
磯村「開発中のプロトポッパー。ボディにボリュームを持たせ、適度なウエイト(プロトで17g前後)がある。多少の風でも遠投しやすいほか、バスがアタックしてきたときに弾かれにくい」
磯村「軽めのトゥイッチを入れるだけで、『ジュボ、ジュボ」とペラの回転で誘える。連続アクションさせやすく、止めても誘える。しかも、ただ巻きで使えるからスピードの変化に対応しやすい」
磯村「ポッパーは、自らが発生する波紋のなかで動かすのがコツ。波紋から出てしまうと、魚がルアーを見失っちゃいます」
磯村「障害物やウィードの奥からバスを誘い出す必要がある。そのため、ポッパーならポコッ、プロップベイトならジュポっと誘ったら、1回ごとしっかりポーズを取ってやりましょう」
i字形+ミドスト
ワカサギパターン必釣戦術
磯村「バスがワカサギを偏食しているときはi字系、もしくはミドストが有効になります。琵琶湖では南湖東岸の浚渫(人工的に掘られた場所)が有名です。群れがかたまっているときは、水面から中層までワカサギが埋め尽くすような状況になったりもする。水面でボイルがあったり表層を探るときはi字系ルアーのただ巻き。群れのなかや下側を通すときはミドストが効果的です。全国には夏のワカサギパターンが効く釣り場も多いので、そんな状況に出くわしたら試してみましょう」
ミドスト
ミドストにおける黄金の組み合わせ。ホリゾンヘッドは、水平姿勢を保ちやすいヘッド形状+ワームキーパーを採用。細かなシェイクにも機敏に反応するため、ワームを簡単にロールさせられる。
I字系
水面攻略時はフローティング、水面直下はサスペンドが使いやすい。抜群の直進性を生かし、あくまで巻きに好反応を示すときに使いたい。低速から高速まで幅広いリトリーブスピードに対応。
ワカサギパターンにおける超定番のひとつ。「HMKLジョーダンとアイアロー65は、どちらも投げてみて当日に反応のいいほうを使いたい」と礒村さん。止める誘いを多用するときに特に有効だ。
高比重ワーム・ノーシンカージャーク
テーブルターンでネチネチ誘う
磯村「いま琵琶湖で話題の釣り。ボトムにきっちり当てて誘えるのが利点です。まずは高比重ワームをボトムまで確実に沈めます。リグはもちろん、ラインまできっちり沈めるのがコツ。次に、軽めのトゥイッチ2回で左右に首振り(テーブルターンのイメージ)。そして3〜5秒のポーズ。これを繰り返してバイトを誘います。バイトを引き出すには、ポーズの間隔を一律にすること。3秒なら3秒間隔でずっとアクションさせるのが魚を寄せるキモ。移動距離が少ないのでじっくり誘えます」
フック
磯村「高比重ワーム素材を使用しており、ウエイトはあるのにシルエットは小さめ。ウィードに溶け込ませて誘うと、バスはウィードごとガバッと食ってきます。警戒心の強い魚も釣れちゃいます」
「リングビアウォーレイ(通称・貞子)と呼ばれるウィードにエビが着き、そこにバスのフライが集まる。さらにそれを捕食するため、大型が寄る。このリグはそんなところを攻めるのに有効」
赤松拓磨のオカッパリ道場~8月にショアで釣るならこのルアー~
ここではラグゼ・ルアーデザイナーにしてオカッパリの名手である赤松拓磨さんに、ショアから釣果を出す方法を教えてもらおう!!
バイブレーション
磯村「ウエイト14gのハイピッチ系バイブレーション。使いやすいのはパールシャッドやオーロラギルなどの透けたカラー。ボトムと同化させるときは、ダーク系のオリーブクローも有効です」
磯村「高水温期のバスは、ため池のなかでも、特に水深のあるところに溜まるようになります。水深があるところは水温が低い(もしくは安定しやすい)んですね。夏に釣果を得るには、そのような場所を重点的に攻める必要があります。皿池であれば、取水口周りとかね。チャンネルラインのように溝が掘れていたりするので、そこを攻めましょう。ワームでネチネチ食わせようとすると見切られることも多いため、バイブレーションの速巻きでリアクションを狙うのがおすすめ」
磯村「いったんボトムを取ってからただ巻きで誘う。巻き速度は、当日の魚の状況にもよるが、まずはノーマルギアリールによる速巻きを試したい。ロッドはアベンジB66M-Rが使いやすいですよ」
『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報
ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!