「ジョイントルアーってスゴイんだ」 ミノーの神様も感動した多連結ジョイントルアーの魅力【ジョイント多事争論】



ジョイントに一家言ある各界の賢人たちに、エピソード、理論、テクニックなど、ジョイントにまつわるあれこれを聞いてみた金言集。9つのエピソードを読み終わると、ジョイントルアーの全体像が見えてくれるかもしれない。今回は現役トーナメンターにしてジャパニーズハンドメイドミノーの父・泉和摩さんが登場。これまでに星の数ほどのルアーを作ってきたであろう泉さんだが、ことジョイントルアーに関して言えば、本格的に手掛けたのつい昨年のこと。果たしてそこにはどんな思いが…?

【Profile】

泉和摩(いずみ・かずま)

1969年よりルアー作りを始めた、ハンドメイドルアー界のレジェンド。1986年にJBTA(現JB)のA.O.Y.を獲得し、4年間米国のB.A.S.S.に挑戦。日本人参戦の道筋を作った。今期もJBトップ50で戦う65歳。HMKL代表。

コロッと変わる契機はあるテレビ番組だった

ハンクルは、もともとラパラを参考にして泉和摩さんが作り始めたハンドメイドミノーだ。でも、ジョイントのハンクルミノーはない。ジョイントラパラをモチーフにはしなかったのだろうか?

「ジョイントラパラは釣れましたよ。でも、あんまり興味が湧きませんでしたね。その後、ジョイントのビッグベイトが流行しましたけど、やっぱり興味が湧かなかった。バスが出てくるけど食わないっていうことがすごく多いですよね。そんな魚に他のルアーを投げると食っちゃうことがいっぱいあるんですよ。だからこれは私的には魚を探すとき以外は使わなくていいかな…と」

そんな泉さんだったが、最近になってジョイントのルアーをリリースした。多連結ジョイントの『アライブベイト』だ。

アライブベイト(HMKL)

バラムにインスパイアされて産み出された、多連結ジョイントベイト。14cmという手ごろなサイズで、速引きやエイトトラップだけではなく、ストップ&ゴーでも抜群の食わせ力を発揮。F(フローティング)、SP(サスペンド)、S(シンキング)の三種がある。

「そんな私がコロッと変わって、ジョイントを作ったきっかけは、何年か前のテレビ番組なんですよ。それはビッグジョイントプラグの対決企画。その番組を観ていたら、登場するアングラーさんが使っていたルアーの魚のスイッチの入れ方が凄かったんです。あのとき、ジョイントって凄いんだと、思い知ったわけです」

ただし、泉さんはあの巨大なバラム300のようなサイズではなく、普通の大きさで同じ釣りをやってみたかった。普通のタックルで投げられる普通サイズの多連結ルアーを血眼になって探した。

「でも、なかったんですよ。だから自分でジョイントをひとつ増やして5連結で作りました。それがアライブベイトです。最初の1個で凄く釣れちゃいましたね(笑)」

魚のスイッチを入れる能力は、巨大なボディによる部分もあるだろう。でも、アライブベイトのサイズでも、その能力は備わっていたようだ。それにしても、50年以上ルアーを作り続けてきた鉄人・泉和摩を動かしたバラムは凄い。

「バラムは私のスイッチも入れちゃったんですね(笑)」。

アライブベイトを3連結させたこのルアーは『アライブベイト・参』と名付けられた。動画でも見られるそのアクションは、まさしくベイトフィッシュのスクールそのものだ。実際に販売したが、すでにソールドアウト。


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