沈むPE沈まないフロロ!? 老舗ラインメーカーの推しライン4選(サンライン)【進化するライン】



数え切れないほどのルアーが存在し、数え切れないほどのメソッドがある、釣りの中でも希有なジャンルと言えるバスフィッシング。それに対応すべく、ラインの種類や特性も『カオス』な状況になっているのはご存知の通り。今回は、これまでに数々の名作を送り出してきた日本を代表するラインメーカー・サンラインのアイテムを、同社の渡邉一正さんにご紹介いただこう。

【Profile】

渡邉一正(わたなべ・かずまさ)

サンライン・企画業務部に所属。ユーザーからの要望を敏感に察知し、NEWラインの企画・開発を積極的に行う。

シューター ステューター(サンライン)

【Spec】

●号数:3.5号、4号、4.5号、5号、5.5号
●最大強力:55lb、60lb、70lb、80lb、85lb
●糸巻量:65m
●カラー:全1色
●価格:オープン

カラーはグラデーションステルスを採用。ナチュラルカバーに馴染み、バスに気付かれにくい。

耐摩耗性の高さと滑りの良さで使い心地が抜群!

――全5種類のlb数別に、適したルアーや釣り方が推奨されているというのは面白いですね。

渡邉「あくまでも目安ですが『この釣りには、この太さ!』という基準があるのは、購入時に判りやすいと思います。とにかく耐摩耗性が強く、太い原糸を採用することPEラインにありがちな毛羽立ちやキズを抑えることを追求しています。さらにスムースサーフェイス加工により表面がとても滑らかなので、キャスト時のガイド抵抗が少なく飛距離が伸びる。PE特有の糸鳴りも抑えて、バスからも警戒されにくいです」

シューター デファイアー D-Braid(サンライン)

【Spec】

●号数:0.5号、0.6号、0.8号、1号、1.2号、1.5号
●最大強力:8lb、10lb、12lb、16lb、20lb、25lb
●糸巻量:120m
●カラー:全1色
●価格:オープン

カラーはハイアピールなピンクを採用。ラインの動きを見てアタリを獲るゲームには最適。

ナイロンに近い比重を達成して風にアオられにくい

――最近注目を浴びている、いわゆる『シンキングPE』ですね。

渡邉「ラインの中心部にPE原糸と高比重繊維を編み合わせた芯材があり、その周囲をPE原糸4本が覆うように編み込まれているという構造で、ナイロンラインに近い比重を達成しています。結果としてキャスティング時に風があってもアオられにくく、ムダなラインスラックを出さずに済みます。しかもしなやかなので巻きグセも付きにくく、PEラインにありがちなライントラブルも抑えています」。

――細い番手のラインナップなので、メインはライトリグ?

渡邉「はい、スピニングでの使用が前提です。特にドロップショットリグやジグヘッドリグなど、沈ませて使うライトリグに有効で、ボトム感知やアタリに関しては、モノフィラメントラインと比較にならないほど敏感です。同時開発のフロロカーボン製専用リーダー『デファイアーDリーダー』との組み合わせがおすすめです」

シューター マシンガンキャスト(サンライン)

【Spec】

●サイズ:4.5lb、6lb、8lb、10lb、12lb、16lb、18lb、20lb、22lb、25lb、30lb
●糸巻量:100m、150m
●カラー:全1色
●価格:オープン

カラーはニューアットブラウンを採用。100m巻きには50mで、150m巻には75mでマーキング入り。

フロロ並みに伸びが少なくプラズマ処理で滑りも抜群

――日本のバスフィッシングでは定番とも言える、ロングセラーナイロンラインです。

渡邉「並木俊成プロのフィッシングスタイルをそのまま名前に冠したラインで、ナイロンにもかかわらず伸びが少なく、表面にプラズマ処理によるコーティングを施すことにより滑りが良いので、近距離でキャストを繰り返すようなゲームに向いています。また、滑りが良いということはライン自体がカバーにもまとわりつきにくいので、特にカバークランキングなどには実力を発揮します」

――近距離撃ちならば、フロロカーボンラインでのジグ撃ちなどをイメージします。ナイロンでも、そういう釣りは可能ですか?

渡邉「開発当初からフロロカーボン並みの低伸度を追求していましたから、もちろん対応は可能です。例えばオカッパリで複数のロッドが持てないような状況で、マシンガンキャストを巻いた1本があれば巻きモノも撃ちモノも、バーサタイルに対応できます」



シューター デファイアーアルミーロ(サンライン)

【Spec】

●サイズ:11lb、13lb、15lb、17lb、19lb、22lb、25lb
●糸巻量: 150m
●カラー:全1色
●価格:オープン

カラーはステルスダークグレーを採用。水中で乱反射を抑えて存在感を消す効果がある。

沈まないフロロカーボンラインと思って使ってほしい

――11lbとか19lbとか、ちょっと他のメーカーには見られないlb設定ですね…。

渡邉「清水盛三プロの考案で、他にはない、このラインでしかまかなえないという意味を込めての設定です。例えば、12lbでは細すぎるけど、16lbでは太すぎると感じるときの13lbや15lbという、ニッチなシチュエーションには最適です」

――耐摩耗性に優れているのでナイロンにしては硬く、伸びも少ないという特徴があります。まるでフロロカーボンのようですね。

渡邉 「『沈まないフロロカーボンライン』と思って使うのが良いかもしれません。中型~大型のトップウォーターやクランクベイトなら、遠投からのロングディスタンスでのアクションもしっかり伝わりやすく、伸びが少ないからアタリも敏感で、フッキングも決まりやすい。太めのサイズ設定なので、キャスト&リトリーブを繰り返すハードルアーの釣りが主体のゲームに、ぜひ使ってみてほしいです」

関連記事はコチラ

『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!