数え切れないほどのルアーが存在し、数え切れないほどのメソッドがある、釣りの中でも希有なジャンルと言えるバスフィッシング。それに対応すべく、ラインの種類や特性も『カオス』な状況になっているのはご存知の通り。今回は奥村和正さんに、自身が開発に携わったロングセラーナイロンライン『ソラローム ビッグバスナイロン(東レ・モノフィラメント)』に関してお聞きした。
【Profile】
奥村和正(おくむら・かずまさ)
言わずと知れたビッグバスタックルメーカー・デプスの代表。東レのラインテスターも担い、ビッグバスナイロンも氏によるプロデュース。
ソラローム ビッグバスナイロン(東レ・モノフィラメント)
【Spec】
●サイズ:12lb、14lb、16lb、20lb、25lb、30lb
●糸巻量:100m
●カラー:全1色
●価格:オープン
クリア、ステイン、マッディと、あらゆる水質に馴染み目立たないナチュラルカラーを採用。
「利点を消してまでナイロンで作る意味はない」
――奥村さん自身が開発に関わった、ロングセラーナイロンラインがソラローム ビッグバスナイロン。どういった経緯でこのラインは誕生したのでしょうか?
奥村「開発がスタートした2010年代中盤のバスフィッシング界は、フロロカーボンラインが全盛期だったんです。ナイロンに比べて感度が良くて、しかも根ズレに強いからバスが潜むカバーも積極的に攻められる。ある意味『理想のライン』を前にナイロンラインは若干衰退気味で、新しいナイロンラインが出ても『フロロカーボンっぽさ』を追求して伸びが少なく根ズレに強い、というのをウリにしたものが多かった。でも、冷静に考えてみたら、ソレってナイロンならではの『伸びがあってしなやか』という利点を消してしまっていて、ナイロンで作る意味がないのでは? と考えるようになった。そこで、ナイロンならではの特性は活かしつつも、強さではフロロカーボンに負けないビッグバス対応ラインを作ろうということになったんです」
――奥村さんはどういう状況で使用しますか?
「まずはトップウォーター。ナイロンの『浮く』という特性がアクション時の妨げにならず、スムーズかつキビキビと動いてくれます。そして、もうひとつがクランクベイト。琵琶湖北湖やリザーバーのガレ場に沿って探っていると、ボトムにスタックしたときにラインが伸びてくれるので完全に食い込みにくい。そして浮上させて根掛かりを回避するときも、ラインそのものに浮力があるからルアーが浮き上がろうとするのを妨げない。ビッグベイトを障害物にコンタクトさせて、浮上の課程で食わせるライズアップメソッドにも、ナイロンラインは欠かせません」
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