高級魚・ハタの仲間たちはどのように暮らすのか? 水中写真で見るサカナの生態:ハタの仲間たち



海の中はどうなっていて、どんな魚がいるのだろうか。魚たちが暮らす場での、そのリアルな生活を垣間見たい。そんな思いで水中に潜り、撮りためた写真を集大成しました。ハタの仲間は長い年月を掛けて大型に育つ種類も多く、食味もよいため市場では高級食材として流通しています。基本的には岩礁帯などをすみかにしており、種類によって甲殻類をメインにエサとしたり、好んで魚を狙うハタもいます。

(※本原稿は『水中釣魚ワールド』からの抜粋です。)

水中写真で見るサカナの生態:ハタの仲間たち

【Target Profile】

ハタ類

近年ルアーフィッシングの好敵手として人気上昇中なのがスジアラ、アカハタ、カンモンハタ、オオモンハタなどのハタ類だ。生息環境はやや異なり性格も違うが、食欲旺盛でルアーやエサにも果敢にアタックしてくる好ファイター。写真はアカハタ。

根にぴったり付くアカハタ、スジアラ

アカハタは磯など根の荒い所に付く魚。海中に潜ってみると岩礁の上やすき間などに赤い魚がポツン、ポツンと鎮座しており一目でそれと分かる。

同じハタ類でもそれぞれ行動や性格が違い、アカハタは根にぴったり付いて自分のテリトリーからあまり離れることがない。

【Target Profile】

アカハタ

伊豆半島以南の南日本に生息。体色は基本的に橙黄色だが、温帯域では赤く、南のサンゴ礁域などでは白っぽくなる。カニなどの底性動物や小魚を食べる。

ときには10kgを超えるスジアラも根の荒いところが好きだ。大きな岩と岩の間にドカッと居座るスジアラの眼光は鋭く、威圧的だ。

【Target Profile】

スジアラ

相模湾以南の太平洋岸、日本海西部に生息。体色は赤っぽいものから黄色っぽいもの、暗色のものまで変異がある。肉食性で小魚や甲殻類などを捕食する。



動き回るオオモンハタは魚食性が強い?

オオモンハタは海面直下にまで浮き上がったり、広範囲に泳ぎ回る。小魚を追い込んで捕食する姿を見ると根魚ではなく明らかなフィッシュイーターだと認識できる。

【Target Profile】

オオモンハタ

本州南部では普通に見られるハタ。小型は甲殻類も捕食するが成長して遊泳力が高まると魚食性が強くなり、果敢に小魚を追う。

岩穴などにすみかは持っているが、エサを求めて積極的に回遊するのがオオモンハタの特徴だと言える。

カンモンハタは比較的浅い場所にすむ。リーフ内のサンゴのすき間や岩礁帯などに隠れてじっと上を気にしており、獲物が通れば積極果敢に俊敏な動きで襲いかかる。

【Target Profile】

カンモンハタ

南日本に生息。こげ茶色の地に白い網目模様があり、琉球列島では一番ポピュラーな小型のハタ類。大きくなっても30cm程度だが、食欲旺盛でルアーなどに大胆な反応を見せる。

写真は浅いリーフ内のサンゴに潜んでいたカンモンハタだ。果敢にミノーにアタックしてきた。ちなみにイシガキハタも同じような場所でよく見かけ、生態的にも似たような感じだ。

(※本原稿は『水中釣魚ワールド』からの抜粋です。)

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