Megabassソルトロッド『デストロイヤー空海』シリーズ爆誕! 東京湾発マルチパーパスロッドCookai GULF CKG-72MSの秘密とは……?



メガバスのソルトロッドに、ついにデストロイヤーの名を冠したシリーズが誕生する。バスロッドとしてデストロイヤーが四半世紀以上培ってきた遺伝子が、ソルトのロッドにも落としこまれることの意味とは。アラマキシンヤさんに話を聞いた。

【Profile】

アラマキシンヤ(あらまき・しんや)

ヘルメットがトレードマークのスーパーマルチアングラー。メガバスの営業や開発をこなしながら、全国各地に赴きいろいろなメディアで活躍している。メバル、チヌ、各種根魚など、ライトゲーム系の釣りを得意としている。

デストロイヤーSWともいうべきメガバスの新たな挑戦、それが『空海』

目指したのはルアーと対話できるソルトロッド

この新しいシリーズの名前は『Cookai 空海』。ショアモデルを9本、そしてボートゲームモデルを4本ラインナップ。重要視したのは、ルアーを気持ち良く扱える操作性。つまり、ルアーの性能をマックスまで引き出せるロッドということだ。具体的な内部構造では、5-Dグラファイトシステムというブランクスを採用している。

アラマキ「これは、カーボンを瓦のように重ねることによりパワーを高めた、メガバスのオリジナル機構ですね。ティップ、ベリー、バット、その各セクションの役割が明確に仕事をしてくれるブランクスになっていますよ。単純に、軽い、強いじゃない。ルアーがとにかく扱いやすいロッド、という感じですね。これにより、ルアーの性能を120%引き出せるロッドになっています。絶妙なパワーバランスで仕上がっているし、ファイト中もトルクを発揮して、自然と魚が浮いてきますよ」

5-Dグラファイトシステム(PAT.)

タテ方向、ヨコ方向、斜角方向、伸度、弾性という、5つの要素に特化したプリプレグ・カッティングパーツを1シャフトに融合。細密なロッドアクションと高い強靭性を、軽量なシャフトで実現している。

ヘッドロッキングシステム(PAT.)

無垢のアルミブロックから削り出したリール固定パーツ。ロッドティップから伝わる振動をロスなくアングラーの手元に伝達させる。

エルゴノミックコンタクトリールシート(D・PAT.)

快適な握り心地とストレスを軽減させる、メガバスオリジナルのグリップデザイン。キャスト時のパワーロスもなく、感度も良好。

チタンフレームSiC-Sガイド

全モデルに軽量・高強度のチタンフレームSiC-Sガイドをセット。メガバスファクトリーのマイスターが丹念に巻き上げるアートワークスレッドで、デザイン面も抜かりはない。

キャスティングボートゲームロッドの最終回答

Cookai GULF CKG-72MS

●全長:7ft2in
●適合ルアー:MAX40g
●適合ライン:MAX PE1.5号
●価格:未定

ルアーを使い熟すためはどうするかをロッドに落とし込んだ

今回はデストロイヤー空海の中から、Cookai Gulf CKG-72MSをピックアップして紹介。ずばり、これはどんなロッドなのだろう?

アラマキ「これは、ブルマリの久保田秀樹さん監修によるキャスティングのボートゲーム用ロッドです。メガバスソルトスタッフと連動してテストを行なっていったことが重要で、メガバスのルアーありきで、それにアジャストするためのロッドを作っていきました。こういうロッドを作るからこういうルアーが使いやすい、じゃなくて、このルアーを使い熟すためにどんなロッドが必要か、というのを考えて作っています。だから、一般的なロッドとは少し変わったロッドになっていると思いますよ」

東京湾でサワラを釣らせるナンバーワンガイドと評される久保田さん。彼がメインにしているルアーの一つがX-80マグナムだ。

アラマキ「久保田さんの一番のヒットルアーはX-80マグナムで、アクションはジャーク。なので、これをショートジャークからロングジャークまでさせやすいロッドが必要とのことでした。長さやパワー、調子などを相談しながら、久保田さんの求める理想のジャーキングメインのロッドを作っていきました。ジャーキングロッドは、実はソルトロッドには少なくて、ただ巻きメインのロッドが多い。ジャークに適したロッドは、バスロッドに多いんですよね。メガバスには世界的にも評価されているワンテンというジャークベイトがありますし、それに適したジャーキングロッドを作るノウハウもすでにバスロッドで得ていました。なので、ジャーキングは得意分野なんですね」

ジャーキングの釣りはロッド性能で明らかに釣果に差が出る

もともとあるボートシーバス用ロッドや、ボートシーバス用をパワーアップしただけではない。ジャークベイトで仕掛けていけるサワラロッドが、Cookai Gulf CKG-72MSだ。先日、アラマキさんと久保田さんが東京湾で実釣を行なってきたというので、その使い心地を聞いてみよう。

アラマキ「サワラは目の前でたくさん跳ねているんですが、久保田船長はバンバン掛けるのに、僕には全然釣れない。僕はボートロッドでもジャーキング用じゃないものを使ってたんですね。それで、久保田さんのプロデュースした竿を使ってみたらすぐに釣れた。それは、ロッドによって生まれるルアーのジャークアクションの違いからくるもの。久保田さんの竿はバット・ベリーがしっかりしていて、ティップが入ってくれるから、ジャークした時に適度なラインスラックが生まれる。このラインスラックによって、ルアーの横飛びや惰性の印象に差が出るんだと思います。その他の汎用性ロッドでは、この理想的なジャークが出ないんですよね」

ルアーさえ合っていれば、ロッドはなんでもいいわけじゃない。サワラゲームはシビアで、正しいロッドとルアーを選択しないと、釣果に差が出てしまうという……。

アラマキ「同じルアーを使っていて、目の前にサワラがバンバン跳ねているのに、自分には釣れない。それって、やっぱり竿の差なんですよね。なんでも釣れるイージーなナブラばかりじゃない。魚がルアーを選ぶシビアな状況のほうが多いですから。あと、久保田さんの竿は1日ジャークし続けても疲れない。それはジャークしやすいからです。優しくジャークするだけでキレのある動きが出るんですよね。だから、デイゲームのシーバスのバース撃ちにもものすごくいいですよ。実はこういう20g前後のルアーを動かせるジャークロッドは少なかったと思います。海はジャークする釣りが少ないから、このジャークメソッドのキモに気付くのは難しいかもしれませんね。それを気付いているのが久保田さんなんです。これは、ロッドをお店で振っただけではわからないこともあるかもしれません。実際にフィールドで、ルアーを操作してみて、その違いがわかると思います」

メガバスロッドが追求する、釣りを通して得られる感動(エモーション)を、このロッドがきっと与えてくれるはず。このサワラロッドの危険な仕掛け人、久保田秀樹船長に実際にロッドのこだわりを聞いたインタビューは、次回の記事でチェックしてほしい。



監修をつとめた東京湾No.1サワラガイド『Bullmari』船長久保田さんに伺った『デストロイヤー空海』

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