半信半疑だった湯川マサタカさんが「釣りドコ」水中地形表示マップのスゴさを実感した、伊豆半島エギング釣行!



釣果だけでなく釣るまでの過程を楽しむ。それが湯川さんのエギング、JOE STYLE! その湯川さんが、釣り場の地形が丸わかりになるサイト『釣りドコ』と出会ったら……? エギングエキスパートが『釣りドコ』をどのように活用し、アオリイカを探し出すのか? 同サイトで9月20日に新規公開となった伊豆半島西伊豆・南伊豆エリアを舞台に、湯川さんの初秋のイカ探しを密着リポート!

【Profile】

湯川マサタカ(ゆかわ・まさたか)

和歌山県出身・在住。紀伊半島をホームに活躍するエギングのエキスパート。鋭い洞察力でイカの動きを読み、探して釣るまでの過程を大切にする釣りを展開。初場所やハイプレッシャーエリアでの実釣をいとわない頼もしき釣り人だ。愛称はJOE(ジョー)。

「コレ、ヤバいっスね(笑)」海底地形図を見た瞬間、湯川さんの目の色が変わった……!

3年前の8月下旬。同じように西伊豆を『ルアーマガジン・ソルト』の取材で釣行。その際はGoogleのマップを参考にした。

――湯川さんに伊豆半島の実釣取材をオファーする際、次のようなやりとりが。

編集部「湯川さん、釣りドコって知ってます?」

湯川「いや、知らないです。なんですか?」

編集部「沿岸部のボトムの地形が丸わかりになるサイトで(斯く斯く然々)、とにかく釣りドコで検索。見ていただければわかります」

湯川「へ~、どうなんですかねぇ。僕の釣りに使えるかどうか……」

数秒の沈黙後……。

湯川「えっ……なんっスかコレ……?」

編集部「ダメ……ですか?」

湯川「いやこれ、マジでヤバっ!!!!!!!! ホンマにボトムが丸見えじゃないっスか!」

編集部「サイト内の“釣りのヒント満載の海底地形の見方はコチラ”をタップすると水深の目安がわかります」

湯川「なるほど! うわぁ~、コレはあきませんやん! 答えズバリそのものやん!」

――湯川さんの目の色がどんどん変わっていくのがわかる。エキスパートには、この釣りドコのスゴさが、見た瞬間にわかるのだ。

釣りドコの地形図を見た瞬間、湯川さんの表情が変わった!「こ、これはスゴい……!」


湯川「ここまで明確に見えたら、このカケアガリのここを通せば釣れるな、と釣りに行く前に展開のイメージできますね。リアルなイメトレが各ポイントでできる! ヤバいサービスが出てきましたねぇ~」

編集部「そ、それはよかった!(ホッ……)。で、この釣りドコサービスに、西伊豆・南伊豆が新規エリアとして2021年9月20日に追加されたんです!」

湯川「ほほう、西伊豆・南伊豆が追加……ですか?」

編集部「そうなんです! そこで湯川さんに、新しくサービスがスタートしたこのエリアで、釣りドコを活用して秋イカエギングをやってほしいんです!」

湯川「面白い。やりましょう!」

編集部「あざす!」

湯川「でも、9月中旬ですよね?」

編集部「そうなんです。西伊豆・南伊豆エリアの地形図公開となる9月20日頃にタイミングを合わせたいので……」

湯川「なるほど。ただ、秋イカシーズンにはまだちょっと早いですよね。でも、300~400gなら出せると思います!」

――実釣取材を快諾してくれた湯川さん。エギングで釣りドコをどのように活用するのか!?

【実釣フィールド】伊豆半島西伊豆・南伊豆エリア(静岡県)

画像提供:釣りドコ

実釣は伊豆半島南部と西岸エリアで実施。どちらも首都圏からアクセスしやすい人気の海釣りフィールドだ。エギングも盛んで、春には4kg超のアオリイカも出る東日本屈指のでかイカのメッカ。エギンガーが多くプレッシャーも高めだが、漁港や磯など攻略意欲を掻き立てられるスポットが多数ある。

釣りドコをフル活用した秋イカ探しスタート! タイムリミットは2日間!

釣りドコでポイントを絞り込み、実際に目で見て雰囲気を把握する。

――実釣期間は2日。両日とも東寄りの強い風が吹く予報で、実釣は風裏になる西伊豆エリア限定となりそうな状況。釣りドコで新たにサービス開始となる西伊豆・南伊豆エリアの海底地形図が役立つはず。

編集部「ところで、湯川さんは伊豆半島のエギングは何度目ですか?」

湯川「今回で9回目やね。今までは春に来ることが多かった」

編集部「春のエギングと秋エギングとでは、狙う場所が違いますよね?」

湯川「全然違いますね。秋は潮通しの良い張り出した地形に挟まれた、ワンドの奥のシャローとかが良くなります。釣りドコの海底地形図でいうと、こんな感じのとこですわ」

最初にチェックしたポイント

湯川さんが釣りドコの地形図を元に、最初のポイントに決めたのがココ(釣りドコの実際の画面)。


編集部「えっ!? もう釣り場を絞り込んでいるんですか?」

湯川「通い慣れていないフィールドに行くときは、いつも航空写真で海岸線を見て、地形的に条件の良いエリアを探します。今までは基本的にここまでしかできなかった」

編集部「これまでも航空写真を活用されてたんですね」

湯川「ええ。でも、実際に釣り場に立ったら全然イメージと違ってて、狙いどころがないということも結構あるんですよ」

最初に訪れたワンド。しかし、シュノーケリングの人が潜っていて釣りを断念。


編集部「実際に行って、釣りができないとロスが大きいですね」

湯川「航空写真と違って釣りドコの海底地形図なら、ブレイクやスリットなどボトムの地形がわかる。この立ち位置でこう通せば釣れるはずや、と釣りに行く前からかなり具体的にシミュレーションできる」

編集部「イカ探しのヒントが増えますね?」

湯川「莫大に増える。ただ、エギングで結果を出すには潮のタイミングもあるし、自分の経験も重要。例えば秋イカシーズンは、春の産卵場、要は春に藻が生えていた場所の周辺も好スポットになる。実はこの春、西伊豆で2kgオーバーを確認。1.5kg前後をバラした藻場があるんですわ。そこに行きます」

即決即断で、有望ポイントをチェックして回る。それが、限られた時間内で結果を出すことを求められ続けるプロアングラーのスタイル。


――まずは経験を頼りに小さなワンドのシャローエリアを選択。しかし現場に着くと……。

湯川「あ、シュノーケリングしてる人がいはる……。これはアカンわ」

――いくら釣りドコでも、泳いでる人までは見えない。ロッドを振ることなく、次の場所へ移動!

そもそも釣りドコってナニ? どんなサービス?

無料でも十分活用可能! 月額300円でさらにリアルな海底イメージも閲覧可能に!

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独自に測量し画像化した水中の地形図をGoogleマップに投影。誰でも使えるサービス、それが釣りドコ。釣果投稿機能なども実装しており、活用の幅は広いです。サービスエリアは随時拡大中だ。上記から実際にアクセスし、色々といじくってみて欲しい。

なぜ、ここで釣れるのか? 釣りドコで地形を把握して探ればパターンを掴みやすくなる!

――湯川さんが次に訪れた釣り場は、護岸帯にポツンと張り出す小磯。

湯川「ここも春は護岸沿いに藻が生えて産卵場になる。秋は立ち位置左の小さなワンドにイカがたまるはず。海底地形図を見てもワンド奥がシャローで、磯際はブレイクが寄って良いはずやけど」

編集部「セフィア・クリンチフラッシュブースト3.0号(シマノ)ですか?」

湯川「そうです。秋なんで(小さめを使っている)。テンポ良く探ってイカの有無を探ってます」
――しかし、エギに付いてくるイカはいない。するとワンドを挟んで対岸に見える磯の張り出しにエギングアングラーが一人。

湯川「釣り人、いますね。あそこ、どうなってるんやろ?」

――すかさず、釣りドコで地形をチェックする湯川さん。

湯川「なるほど。ボトムが溝のように掘れてるんや。潮が通りやすい。さすが地元のアングラーはええポイントを知ってますね」

他のアングラーの立ち位置を釣りドコでチェック!

湯川「カケアガリなど地形に変化がある場所には潮目ができやすい。釣りドコを見るとちょうど水道に沿って潮目が出てますね」
釣りドコで2人の立ち位置を見てみると、地元アングラーの前にはアオリイカの通り道となる水道とカケアガリが。


編集部「地元アングラーの動きを見て釣りドコをチェック。なぜ、そこでやっているのかがわかる。これも釣りドコの活用法ですね!」

湯川「アウェイだけでなく、ホームの高実績場やいつも根がかりするところを海底地形図で見れば、釣れる理由や根がかりの原因がわかるはず。エギングの習熟度が一気に上がります。それにしても秋イカが居らへんなぁ」



現場で水中が見えなくても「最強の偏光グラス」として釣りドコが活躍!

水面がギラついて水中が見えにくくても、釣りドコを使えばポイントの地形が把握できる!

――その後も磯のワンドやシャローエリアを回るが、時折見かけるイカは親指サイズ。とある漁港で出会った漁業関係者のエギンガーには、「今、400gが釣れたらミラクル」とまで言われる始末だ。

湯川「親指サイズよりちょっと早く生まれた3、400gのイカが絶対に居てるはずなんですよ。その個体数が少ない。少し水深があって潮通しの良い磯の張り出しのほうが良いんかな」

――実釣時間はあっという間にすぎ、日も傾きかけてきた。磯の張り出しに立つと太陽は正面。

編集部「水面がギラギラと照り返してて、偏光グラス越しでも水面下が見づらいですね」

湯川「こういうときは釣りドコに頼る。見てみると……立ち位置の右側にスリットとブレイクがあってシモリも入っている。正面から左側はボトムが一段上がって沖に向かって張り出しが……」

状況を問わず、地形を把握できるのが利点

湯川さんの立ち位置をドローンで空撮(画像提供:釣りドコ)
地形で見ると、シャローの磯場があり秋イカのストック量が見込めるポイントだということがわかる。

初めて入る釣り場で水中の様子が分からなければ、エギを沈めてボトムの地形探索からスタート。『釣りドコ』の海底地形図を見れば逆光で水面下が見えなくても、その時間を大幅に短縮できる。「テンポ良くラン&ガンすれば、釣果アップにもつながります」

編集部「水中が見えなくても釣りドコを開けば問題なしですね」

湯川「エギを通すコースが明確にイメージできます。これはホンマ、最強の偏光グラスですわ」

編集部「たとえがうまい! 海底地形図があれば効率良く探れて、根がかりも防げますね」

湯川「間違いない。海底地形図を見て、この条件で抱いて来なければココはナシ、と見切る確信が持てます」

編集部「見切りをつけるのにも役立つ! ラン&ガンのペースアップが可能ですね」

湯川「釣りのペースは上がるけど、今日の釣果は全然上がらない……。水深があるところはダメ、やっぱりシャローですね」

――夕マヅメに入った磯のシャローエリアでもイカの姿はなく、実釣1日目はタイムアップを迎えてしまった。

経験、潮汐、地形の好要素を総動員し、奇跡の400gに照準を絞る!

湯川「秋イカシーズンでデコはマズイっス!」

編集部「無理を言って、シーズン前の釣行となってしまいましたからね」

湯川「潮回りも、大潮満月の難しいタイミングやから、ある程度苦戦するとは思ってたんやけどね」

編集部「いかんせんイカが居ても小さい」

湯川「いや、それは言い訳にはしたくない。どこかにこましなサイズが絶対に居てるはず。2日目も風向きは変わらないので、西伊豆を攻めるしかない」

編集部「今日の様子だと、明日も日中の釣果はかなり厳しそうですね……」

――初日の実釣終了後、湯川さんは翌日の戦略に思いを巡らす。

湯川「ネガティブなマインドはシャットアウトです! 明日、ワンチャンスあるとしたら朝マヅメの満潮潮止まり前後。この、ベストなタイミングで、ココに入ります!」

最終日の朝マヅメに入ることを決意したエリア。


――そう言って、湯川さんが差し出すスマホの画面には、磯の張り出しと沖堤で構成された水道の航空写真が。

編集部「なぜ、このポイントに? 釣りドコでチェックしたんですか?」

湯川「過去に、ここで釣れた実績がったんで、釣りドコで詳しく見てたんですよ」

編集部「あ、ここで釣りしたことがあるんですね?」

湯川「ええ、湾の入り口に離れ磯から伸びる沖堤があって、湾の奥に漁港という配置で」

編集部「何か気になる要素があるんですか?」

湯川「沖堤先端はカケアガリでイカの付き場にもなるし、通り道にもなる。満月なので、夜、捕食で湾に入ったサイズの良いイカが朝マヅメに通る可能性もあります。奥の漁港の堤防と磯とのコーナーは秋イカの溜まり場になるし、急深の磯際はベイトを追い詰めて捕食しやすい壁になる。釣りドコの海底地形図で見ると、改めてここは釣れるやろという条件が揃ってることに気づいたんですわ」

編集部「なるほど。これは期待できそうですね。実釣開始は何時?」

湯川「明朝5時。ミラクルを狙います!」

――目標は実釣初日に地元エギンガーに奇跡といわれた400gに定められた。

実釣初日に磯際やシャローエリアで見かけたアオリイカは親指サイズばかり。300gを超える秋イカらしいサイズは皆無。実釣2日目は潮汐、地形の釣れる条件を足し算した朝マヅメのワンチャンスを狙い、秋イカを獲りにいく。(画像提供:釣りドコ)

推測を釣りドコで確信に変える。そして、ミラクルは起こった……!

――実釣2日目、予定どおり現場に向かうと先行者は見当たらない。

湯川「居れば1投目で喰うはずです。まずは、沖堤先端のカケアガリに向かってセフィア・クリンチフラッシュブースト3.0号(シマノ)で狙ってみます」

編集部「フラッシュブースト3.0号で秋イカサーチ、最強のパターンですね」

湯川「良いときは着水後のフォールで抱いてくれるんですけどね」

――着底後、カケアガリのボトムを探るが反応なし。2投目、そして3投目……。

湯川「沖に向かって上げの流れがまだ利いています。今のうちに磯際の壁沿いと、角に溜まっている個体を探ります」

編集部「タイドグラフでは満潮は5時39分だから、昨日言っていた満潮潮止まりのチャンスのちょうど真っ最中ですね」

狙い通りのポイントで、待望のヒット!


――反応がないまま、キャスト数だけが増えていく。やっぱりダメなのか……? そんな思いがスタッフの脳裏をよぎった、次の瞬間!

湯川「抱いたよ! えっ、イカやんな!? イカや、イカ、イカ!」

――セフィアXR S86ML-Sのティップがアオリイカのジェット噴射でしなやかに曲がる!

湯川「ミラクル、起きたんちゃいますか!」

――水面に浮かせた獲物は、今回の実釣で1度も見ていない正真正銘の秋イカサイズ。

湯川「うーん、400gはないかな?」

編集部「いや、この状況でこのサイズはまさにミラクル! シビれました」

湯川「僕はもっとシビれてますよ。ん~、苦労した!(笑)」

地元アングラーが口を揃えて「まだ早い」と言う中、見事に結果を引き出した。

使用タックルデータ

ロッド:セフィアXR S86ML-S
リール:セフィアXR C3000SHG
ライン:ピットブル8+ 0.6号
リーダー:セフィアマスターフロロリーダー3号
ヒットエギ:クリンチフラッシュブースト3.0号(004FアボカドK)
※全てシマノ

「釣りドコは間違いなく武器になる。使わな損ですね」

編集部「釣れたのはどんな状況でした?」

湯川「事前の予想で、満潮潮止まり前後がチャンスタイムと言ってたと思うんですが、まさにそのタイミングでしたね。上げの流れが緩んで潮が止まった瞬間、抱いてくれました」

――イカは必ず居る! と読んだ場所を狙い澄ましたタイミングで撃ち、ついに喰わせた会心の1杯。現場のドローン画像を見ると湯川さんの地形の読みが正確で、海底地形図とも一致していることもわかる。

秋イカポイントとして湯川さんが絞り込み、見事に結果を出したポイント。(画像提供:釣りドコ)


湯川「海底地形図があると、自分の実釣プランの確信が高まる。イカを釣るまでの過程がより楽しめる。釣りドコは自分にとって、間違いなく武器になりますわ」

編集部「ところで湯川さん、釣りドコって無料で利用できるのは気づいてました?」

湯川「ホンマや! こんな便利なもん、使わな損ですよね」

釣りドコを運営するアジア航測の高柳さんが、技術面でのアドバイザーとして同行してくれた。

今回の実釣では、釣りドコを運営するアジア航測株式会社の高柳茂暢さんが、アドバイザーとして参加してくれた。自身も、エギング好きとのことで、今回の湯川さんの釣行の感想を聞いてみた。

高柳「湯川さんはポイント選びの下調べや現場での海底地形の確認など、釣りドコの使い方がすごく巧みで感心させられました。秋イカシーズンがまだ始まっていない、かなり厳しい状況でしたが、最後にドラマティックな1杯を見せてもらい、エキスパートの方は本当にすごいと感動しました。湯川さんのゲーム展開の中で、釣りドコが少しでもお役に立てたことが嬉しかったですね」

――400g弱のイカでも秋のキロオーバー捕獲に勝るとも劣らない充実感と達成感。これがJOE STYLEのエギングだ。釣りドコを利用して、秋のエギングを皆さんも是非楽しんでみてください!

この記事では、普段、取材する側のルアマガソルトスタッフが、釣りドコを活用して三浦半島でのエギングに挑戦しています! 釣りドコの操作や画面の見方なども解説しているので、こちらも要チェックです!