過ぎたるはなお及ばざるがごとし。やりすぎはよくないってことですが、ヒトは過度と過激に惹かれてやまない生き物です。サカナも同じである! この仮説をもとに、やりすぎてみました。拡張性の高いバークレイのジグヘッド「ファンジグ」に4枚ものブレードを増設、ギラギラ効果のマックスパワーで釣れること間違いなし! …のはずなのだ。
ブレードマシマシにすればたくさん釣れるはずなんや
たまたま池に落ちたスプーンに魚が食いついたことから始まった…というのがルアーフィッシングの始祖伝説であるとよく語られます。ニュートンとリンゴみたいな話である。
一説には金属の光沢を小魚と勘違いして追ってくるという話ですが、ともかくそれ以来、このメタリックでギンギラギンにさりげない輝きはさまざまなカテゴリの釣りに取り入れられてきました。
ルアーの始まり「スプーン」はもちろん、ブレードを利用したタックルもそのひとつ。スピナーベイトやスピンテールジグといったルアー以外にも、海のエサ釣りなどでは集魚板として仕掛けに組み込まれたりしていますね。
オフセットフックとブレードが一体化した製品も存在するほか、ジギングやショアジギングに用いられるメタルジグはブレードを追加するチューニングも有名です。
ん? それではブレードをモリモリに増やせば増やした分だけよく釣れるのでは…?
今回の主役「ファンジグ(バークレイ)」
ここで登場するのがバークレイの「ファンジグ」。
いちばんの特徴はラインアイ以外にもマウントされている3つのアイでしょう。サイドに2つ、底部に1つが設けられており、これを用いてブレードやフックを追加で増設することが可能なのです。
今回はハタを狙うということで24gを起用しましたが、ウェイトのラインナップも下が3.5gから上は38gとなかなかに豊富です。
水を切りやすい形状はシンプルにそのまま使ってももちろん良し。とにかく拡張性の高いジグヘッドであると言えます。
気になるお値段もお手頃。一般的なジグヘッドとほぼ変わらない価格で販売されております。うれしみ。
というわけで、このファンジグにさまざまなブレードパーツを追加して…。
ぼくのかんがえたさいきょうのジグヘッドで「ハタ」を狙う
4つあるすべてのアイにブレードを接続したさいきょうのジグヘッドが完成してしまいました。
左右のサイドアイにはスプリットリングでチューニングブレードを接続。底面のアイはサイドのブレードから少し離すためにワイヤーで距離が稼げるデコイの「トレーラーブレード」を付けました。
これに飽き足らず、ラインアイにもワイヤー式のリーダーにブレードが組み込まれた「トレーラーブレード(デコイ)」を結節。これにてブレードマシマシ・ジグヘッドが完成したのであります。
言うなれば、アラバマリグならぬアラバマ「ジグ」なり!
ゆけ! ファンジグ改め、ぼくのアラバマジグ!
それでは使っていきましょう。楽しみだなあ! と思いつつも若干の不安あり。ここまでごちゃごちゃイロイロくっつけてしまって、本当に動きは破綻しないのか?
飛距離もそこまで悪くないです。24gあると多少の空気抵抗は押し切れますね。
懸念点も解消されたので普通に使っていきます。4枚のブレード+ワームで小魚の群れのカタマリを操作するイメージで、いったん着底させてからゆっくり巻き巻き。水の抵抗を受けてやや重く感じますが、その分潮の流れとか、海底の地形とかが分かりやすい…気がする。
3、4投目で早くもゴンッと反応あり、確かめるとワームが齧られています。間髪いれずに同じところを通すと今度は乗る。ですが、なんだか軽いような気が…。
実はこの日はシケが明けたばかり、エサとなる小魚系のベイトが少ない状況だったのであります。それが影響してか当日釣れた魚は甲殻類を好んで食べるアカハタがメイン。
対してこの手のブレードが模すのはやはり小魚ですから、魚食性が強く、本来このアラバマジグで狙いやすいオオモンハタの反応はあまりよろしくなかったのです…。残念!
というわけで…ファンジグのアラバマ「ジグ」結論。
最強ワーム・マックスセントでめっちゃ釣って竿頭になりました。ひどいオチだ!
他のワームとは明らかに反応が違ったマックスセント。甲殻類的な形状に加え、たっぷりと染み込んだマックスなセントが強力にアカハタくんたちを誘引してくれたようです。
しかし、裏を返せばわがアラバマ「ジグ」が大ハマリするパターンもありそうな予感。ベイトが差してきていて、サカナの意識がそっちに向きやすいようなときなど。エソとはいえ釣れましたし、いちおうの完成度はみられたのだ! …と思っております。個人的にはなかなかの収穫でありましたとさ。