秋! サワラ! ということでルアマガプラスで絶賛キャンペーン中の「サワラ釣り」。釣るテクニックや道具は既にルアマガプラスにたくさんアップされていますが、美味しいサワラをさらに美味しくいただくためには? そう、ルアマガプラスならば「津本式・究極の血抜き」を推すしかないでしょう。そんな食いしん坊さんを後押しするように、ハピソンから発売されたのが津本式の血抜きをすることができるポンプ! 今回はそちらをじっくりご紹介です。
まず、津本式とは宮崎県の魚卸、魚仕立て屋の津本光弘さんが開発した魚の血抜きを主とした仕立て方のことです。脳締め、神経締め現場でのエラからの初期血抜きを推奨し、死んだ魚であってもホース1本で血抜き。そしてノズルで血抜きを仕上げ、低温で保存する。この仕立を実行することで、魚の保存力が格段に向上。精度の高い血抜きを行うので血液に由来する魚の臭みを大幅にカット。まさに魚食の革命と言える技術を体系化したのが津本式であり津本光弘さんです。
【Profile】
津本光弘(つもと・みつひろ)
革新的な魚の仕立法「津本式・究極の血抜き」を開発し、魚食に革命をもたらした。自身のYouTubeチャンネルでは、その技術を惜しみなく公開。釣り人はもとより、料理人にも支持されている。
実は津本式への着目が早かったメーカーがハピソン! そして完成した津本式血抜きポンプYH-350
裏話になりますが、ルアマガが津本さんに血抜きの解説書を出しませんかと打診させていただき、取材のために赴いた2019年。お邪魔させていただいた数日前に、ハピソンの開発スタッフさんが津本さんに簡易ポンプとノズルの製品化の打診をしていたようです。「あ! これは欲しい物がハピソンさんから出そうだな」と記者も期待しておりました。
そこから2年の歳月をかけて練り込まれて発売されたのが、このYH-350という津本式を手軽にフィールドや家庭で行うための携帯ができるノズル&ポンプというわけです。基本的に津本式血抜き法は死魚であっても血抜きができることが大きな利点でもあるのですが、より時間を巻き戻して現場で血抜きが実現できればより、美味しい魚が食べられるというのも間違いありません。
また、津本式の仕立の根幹を成す「血抜き」はホースの流水と圧力を利用する技術なのですが、近年、一般家庭ではホースを繋ぐことのできる蛇口が少なくなっていて、津本さんが提唱する「究極の血抜き」(究極に簡単という意味でつけられた)がやりにくくなっている現状もあります。
ということで、当初は現場で津本式ができる! を実現するために開発されたものであろうと予測できますし、実際そのコンセプトはずっと踏襲されていますが、現場だけでなく家庭でも気軽に津本式を楽しむためのツールとしても期待できます。
津本式血抜きポンプの内容物について
専用のバッグに専用ボトル。尾からの神経抜き、血抜きを行うノズルは2種類。1.5mmと2.0mmが付属。この2つがあれば、相当の大型魚以外はほぼ処理できるはずです。そして、血合いとりリムーバーを専用に改良したノズルが同梱されています。こちらは、ホース血抜きの代わりに使えるノズルで、どちらかというとこちらを多用することになると思います。
尾から注入するノズルは仕上げ用途です。血抜きの根幹はこちらですので、現場で魚の血抜きをする際はメインノズルが最も大事なアイテムとなります。
- 【使用電池】リチウムイオン電池(10.8V 2,600mAh)
- 【使用温度範囲】5~40℃
- 【外形寸法】本体:約75×210×45mm
- 【外形寸法】ノズルホース:長さ 約1000mm
- 【外形寸法】吸込みホース:長さ 約800mm
- 【外形寸法】専用ボトル:約100×100×200mm
- 【ボトル容量】約2L
- 【本体重さ】約550g
- 【電池寿命】5サイクル(1サイクル30~40cmの魚4匹の処理を想定)
- 【充電時間】約7時間
- 【防水性】IPX5
- 【価格】オープン価格
特に、津本式で化ける魚の筆頭格「サワラ」
さて、基本的に現場で処理すればマスト。帰ってからでも津本式はできるよ。と、いう大前提があるなかで、現場で処理できれば最高な魚のひとつが、一般的にアシが早い(痛むのが早い)と言われているサワラなどの魚。このサワラ、単純に津本式で大きく化ける魚の筆頭格なんですが、今回、津本さんが公開するYouTube動画でこのハピソンの血抜きポンプの使い方を解説していますのでぜひご覧になってみてください。
とにかくサワラのような魚は津本式の恩恵を受けやすい! しかも、はやく処理するにこしたことがない魚筆頭格でもあります。このポンプのありがたみがわかる魚でもありますので、試してみてください。
こちらの動画、ハピソンから発売された計測マルチハサミYQ-880の解説もされていますが、そちらについてはまた別記事で解説したいと思います。
ひとつ注意点。現場で血抜きが可能なこのポンプですが、海水では使用しないでください。そもそもなんですが、津本式の血抜きは「浸透圧」の原理も利用して血抜きをしています。海水で行うとその原理が活用できないばかりか、血管内で血液を凝固させたり、海水内部の雑菌が血管内に残ってしまう可能性があり、後ほどの処理によくありません。ポンプにも悪影響ですのでお控えくださいね!