スピナーベイトでもっと釣るための方法論! 基礎はシャローカバー、応用編は…?



初めて目にした人が、「これはいったい何? 」と思ってしまうルアーといえば、スピナーベイト。でも、ここぞという場面でのでかバス釣獲能力は随一。クランクベイトと並び、巻きモノの代表格と言えるこのルアーを解説するのは、最新エレクトロニクスを自在に使いこなす風雲児、青木唯さんだ。

【Profile】

青木唯(あおき・ゆい)

先日開催された河口湖でのJBマスターズ戦において、2日間のトータル18,050g(10尾)という破壊的スコアで栄冠をつかみ取り、その勢いのまま次戦の野尻湖も制したトップ50の注目株。愛称は『ゆいぴー』。河口湖や野尻湖でガイドも行なっている。

スピナーベイトの基本「釣るための条件」

ルアーには各々TPOがある。いつ、どこで、どんな状況で用いるのか? その点でいうと巻きモノは、エサらしさで安定した釣果を約束してくれるワームフィッシングに比べると、活躍の機会が制限されがちだ。スピナーベイトも例外ではない。

青木「通常の水質より濁っているとき、ベイトフィッシュを食っているとき、天候は風が吹いていたり、雨が降っているなど荒れているほうがいいですね。その逆だと、効きにくい。とくに、僕のホームレイクである河口湖のようなクリアウォーターでは、なかなかハメづらいかもしれません」

青木「でも、台風の前後など最初に言ったような状況になれば、フィネスでは絶対に味わえない爆発力を備えているのもたしかなんです」

そう語ったのは、国内最高峰カテゴリー・JBトップ50のメンバーであり、河口湖を中心にガイドも行なっている青木唯さん。

当然、「スピナーベイトで釣りたい」というゲストの要望にも対応するので、明らかにムズカシイ場面であっても魚探を駆使したディープ戦略などいくつもの引き出しで結果に繋げてしまう。

ただ、「自分の力でスピナーベイトをモノにしたい」というのであれば。

青木「まずは浅いところで使ってみてください。水深で言うなら2mまで。ブレードタイプはダブルウィローがオススメです。波動が弱くてバイブレーションも控えめなので、食わせ能力が高いんですよ。とにかくまずはバスを手にして、釣れるという自信を持つことが大事ですから」

まずは回転波動とバイブレーションが控えめなDWを選ぶ!

「これで釣れるのだろうか? 」と思ってしまう見てくれだからこそ、バスを手にしてスピナーベイトに対する“コンフィデンス”を持つことが大切。

そのために、まずはインパクトを抑えたダブルウィロー(DW)を選ぶといいという。

Dα-スピナーベイトDW 3/8oz(ディスタイル)

タフな現代フィールドにマッチする、セミコンパクトサイズのスピナーベイト。スリ抜けと直進安定性を両立したヘッド、フラッシングの際に乱反射を生む独特な凹凸加工のNEWコンセプトブレードなど、釣れる要素をふんだんに盛り込んでいる。968円(税込)というお手頃価格も魅力だ。

Dα-スピナーベイトDW 3/8oz(ディスタイル)。フッキング率を向上させるため、よほどスナッグレス性が要求される場所でなければ青木さんはトレーラーフックを装着する。T・Nトレーラーフック(ハヤブサ)の#1/0を使用。

スピナーベイトを巻く「レンジと速さ」の基本

スピナーベイトの特長のうち、他の巻きモノにない優位点として挙げられるのは、スナッグレス性能の高さだ。

シングルフックを搭載し、なおかつフックポイントの前方でワイヤが盾になるような構造上、トリプルフックの付いたルアーでは絶対に通せないウィードやアシ帯を積極的に探ることができる。

青木「スピナーベイトって巻きモノの中でも“物”に当てられるルアーじゃないですか。当てても根がからないから。だからそのメリットを生かせる場所を考えれば、出しドコロがイメージできると思います」

他の巻きモノと違い、スピナーベイトはカバー周りに強い。これを活かして杭やブッシュ、倒木などのカバー全般や岩場などを狙っていく。鉄杭のような金属音を発する物以外は積極的に当てにいくのが青木流。

青木「そうなると、カバーやベジテーションの多い水深2m未満のシャローが一番ベストかなと。そういったエリアを広範囲にバンバン流していって、魚を探していく感じです」

なお青木さんの言う2mとは、その水深までのボトムを引くということではない。

青木「ボトム付近をゆっくり引いたり、逆に水面で速めに巻くテクニックもあります。でも、基本はルアーが泳いでいるのが目で確認できるレンジをトレースすることです。シャローのスピナーベイティングでは、バスの目線の上を通過させて浮かせて食わせるのが理想。当然、クリアであれば深くなるし、濁っていれば浅くなりますが、いずれにせよ、バスはそれより下にいるはずですから」

ルアーの動きを目で確認しながら、一定のレンジを一定のスピードで巻いてくるのが操作の基本。まずはこれを実践してバスをキャッチし、そこから状況に応じて水面での速引き(バジング)やボトム付近でゆっくり巻く(スローロール)テクニックを身に付けていけばいい。

青木「2m未満ということで、ウエイトは3/8ozが使いやすいです。巻くスピードに関しては、“目で見える”を意識することで調整できるでしょう。見ながら操作することで“物”に当たったときの感触を覚えられるし、バスがもんどりうって食う瞬間も見えるから、釣ったという自信がさらに強まるはずです」



上級者向けスピナベテク「ディープコンタクト」

ディープのベイトフィッシュ付きをウエイト&フックチューンで直撃

これは上級向けだが、青木さんならではのメソッドなので紹介しておこう。河口湖の沖のディープフラット(水深8~9m)、ベイトフィッシュのいるエリアで起用するテクニックだ。

ウエイトチューンを施したDスパイカーをキャスト、着水後はフリーフォールで一気にボトムまで沈めて、着底後はボトムをスローロールする。

フォール中に追って、着底後の2、3巻きでバイトすることがほとんどだとか。しかも食うバスは揃ってデカいという。

フォールで誘うならDスパイカー!

上記のメソッドにおいて、青木さんは「Dスパイカー(ディスタイル)」を起用する。

Dスパイカー3/8oz(ディスタイル)。

ディープフラット狙いでは、根がかりがほぼないのでフッキングを最優先できる。トリプルフック(ハヤブサの瞬貫トレブルラウンドレギュラー#3)を装着し、ウエイトアップのためダウンショット用のスイベル付きシンカー(水深やフォールスピードを考慮して5 or 7g)をセットしている。※いずれもストッパーで固定。

シンカーとトリプルフックをチューンした青木さんのディープフラット攻略仕様。
ディープ狙いでキャッチしたビッグフィッシュ!! スピナベサイトも含め、フォールで誘う釣りにはDスパイカーを多用するという。
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ディスタイル(DSTYLE)

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