バスフィッシングは、通年楽しめる釣り。季節ごとの必釣パターンを知っておけば、より釣果が得やすいのはいわずもがな。そこで琵琶湖の頼れるプロガイド、“いそっち”こと礒村雅俊さんにバス釣りシーズナルを解説してもらおう。今回は10月編!
【Profile】
礒村雅俊(いそむら・まさとし)
2011年より琵琶湖でプロガイドをスタート。琵琶湖のロコトーナメント『BAIT』で2013、2015、2017年にA.O.Y.に選出されるなど、アングラーとしても輝かしい実績を残す。ライトリグからビッグベイトまで幅広い釣りに対応。『楽しめる釣り』をモットーとする。
ウィードが枯れたり抜けたスペースを意識して釣ろう!!
10月になると、水温が落ちて秋の深まりを感じられるようになる。
バス釣りにおいては、9月から引き続き、巻きモノで広範囲を探るのが有効。クランクベイトやスピナーベイトといった定番の巻きモノは依然効果的なので、ぜひ試したいところ。
なお、秋が深まったことで、夏の延長のような印象のあった9月とは異なる点も出てくる。
琵琶湖南湖の場合、あちこちに繁茂していたウィードが枯れたり、9月に上陸した台風の影響を受けてごっそり抜けたりするのだ。
ウィードが抜けたり枯れたりしたところでは、魚を寄せる効果があるアラバマリグを引いてみるのもおもしろい。アピールが強いので、中層を引くだけで付近のバスを寄せられる。
また、ウィードトップに凹凸のあるところは、根がかり回避能力の高いガード付きのスイムジグで、ウィードカットしながら探るのもおすすめ。フィールドの状況を読んで釣りをアジャストすると釣果を得やすい。
シーズナル必釣ルアー【ボート編】
アラバマリグ
ターンオーバー時も強烈アピール
磯村「アラバマリグが有効になるのは、水温が落ち着きはじめてから。10月以降はウィードが枯れたり抜けたりする場所が増えるので、その空いたスペースで誘う。僕が使うのは、7本フック仕様のステルスセブン、1本フック仕様のトレジャートラップ。ステルスセブンは、あくまで中層を探るイメージで、できるだけ底に当てずに引きます。対してトレジャートラップは、ウィードに擦るように引く。ラインはナイロンなら25lb、フロロなら18~20lbと太めのものがおすすめ」
磯村「既存のアラバマリグのなかでも特に水噛みが強いモデル。ターンオーバーで水質が悪化している状況でも、強烈な水押しでアピールする。中層を引き、バスを浮かせて食わせるイメージです」
磯村「スピナーベイトよりゆっくり巻けるのが強み。ワームはスイングインパクト、もしくはドライブシャッドの3.5inを付ける。ちょうど秋のアユやバスのフライの塊をイミテートできます」
磯村「秋が深まるとウィードが枯れ、アラバマリグを通す隙間ができる。枯れたウィードの周りにはバスのフライなどが着いており、それを狙って付近にバスも潜んでいる。ステルスセブンは中層、トレジャートラップは時折ボトムに当てるようなイメージで引きます」
磯村「ブレードはシルバー系が定番色。僕はベイトの色に合わせます。対してワームは、特に統一することなく、3色くらいを混ぜて使ったりする。こちらはベイトや水の色に合わせて選びます」
高比重ワームノーシンカー&ネイルシンカーインサートジャーク
低活性時にも有効な超食わせパワー
磯村「高比重ワームのジャークの釣りは、引き続き有効です。10月以降、ウィードはどんどん減っていきます。そんななか、ウィードが張り出しているエリアで、バスがフライ(バスの稚魚)を捕食していれば期待大。使用法は夏と同じです。2回トゥイッチで首を左右に振ったら、3~5秒のポーズを入れてバイトを待つ。水温が落ちたときや低活性時は、ウィードベタベタを釣れるカバースキャット。ちょっと浮いている魚を狙うならドライブスティック+ネイルシンカーがおすすめです」
ボディに高比重ソルトを混ぜることで、全長3.5inながら約16.5gの重さがある。ウィードに溶け込ませるように誘えるため、バスが違和感なく食ってくる。低水温時や低活性時に強い。
磯村「今年の夏から使いはじめた組み合わせ。ボディのセンターにネイルシンカーを刺すことで沈降速度を稼ぎ、さらにウィードのタッチ感を高める。ウィードに当てながらやや浮かせて釣ります」
スイムジグ
ウィードトップをきっちり引く
磯村「春はボトムまで沈めてから巻くのが定石なんですが、秋はカウントダウンでウィードトップまで沈め、その上っ面を引くのが効果的。ウィードが枯れると、トップ面に凹凸ができる。スイムジグがその凸部分に引っかかったら、リーリングカットしてバイトを誘います。ウィードに触れるとラインの弛みが消える。次に手元にウィードがクッと当たる感覚が伝わったら、即座にリールハンドルを高速で3~4回転させてウィードを切る。これによりバスのリアクションを引き出します」
磯村「スイミングショットネオはウィードのスリ抜けに特化したスイムジグで、適度な巻き感が得られるのが強み。トレーラーワームは、ハスを捕食しているときはバンブルシャッド、ターンオーバーで水が濁っているときはフルスイングを使用する。現在7、10、14gをテスト中。春頃の発売を目標に頑張ってます」
磯村「3~4回の瞬間的な高速巻きでウィードをリーリングカットしたあとは、いきなり元の巻き速度に戻さないこと。これをやるとルアーがストンと沈んじゃって食わなくなる。ウィードをカットしたら、ルアーが沈まないよう徐々に巻き速度を落としていく(元の速度に戻す)のがコツです」
赤松拓磨のオカッパリ道場~10月にショアで釣るならこのルアー~
ここではラグゼ・ルアーデザイナーにしてオカッパリの名手である赤松拓磨さんに、ショアから釣果を出す方法を教えてもらおう!!
スピナーベイト
ターンオーバー対策にもグッド
赤松「10月の溜め池は、ターンオーバーが発生して、水質が急に悪くなったりする。このタイミングで活躍するのがアベンジスピンです。ターンオーバー初期は、ダブルウィローの速巻きでリアクションバイトを誘うのが効果的。やがてターンが進んで(魚の活性が落ちて)きたら、今度はブレードをチューニングして強めの波動で誘ってやる。攻めるポイントはシャロー。水質が少しでもいいところを攻めたい。障害物に絡めるように引くと、バスのバイトをさらに引き出しやすいですよ」
赤松 「ダブルウィローはナチュラルな波動が特徴。ターン初期に実績がある。季節が進んだら、今度はプライヤーでブレードを潰し、水を受けるようにチューニング。すると回転性能は落ちるものの、ブレードが大きく回り、強い波動を発生する。濁りのなかでも魚にしっかりアピールできます」
「 ロッドはアベンジB63MH-RF、もしくはB70MH-Rあたりがベストマッチ。なお、「スピナーベイトはラインを直結で使用するのが基本です」と赤松さん。障害物周りを引いたときにもウィードなどのゴミを拾いにくいほか、余分なパーツがないのでベストなスイム姿勢を引き出しやすいのだ。
タックル
ノーシンカージャーク用
●ロッド:イフリートB64MH-R(ラグゼ)
●リール:スティーズリミテッドSV TW 1016SV-SH(DAIWA)+匠ベアリング メイン/加藤式、ハンドル/自転式(ゴールドワークス)
●ライン:アディクトフロロ 14lb(ヤマトヨテグス)
ミドスト用
●ロッド:オルトレS63L(ラグゼ)
●リール:イグジスト2506(DAIWA)
●ライン:アディクトフロロ 3lb(ヤマトヨテグス)
i字用
●ロッド:アベンジS62L-F(ラグゼ)
●リール:ヴァンキッシュ2500S(シマノ)
●ライン:アオリイカカラーズ8 0.6号(ヤマトヨテグス)●リーダー:アディクトフロロ 5~6lb(ヤマトヨテグス)
ディープクランク用
●ロッド:ATS05 B70M クランクマスター“ディープ(ラグゼ)
●リール:リョウガ 1016-CC(DAIWA)+匠ベアリング メイン/本多式、ハンドル/自転式(ゴールドワークス)
●ライン:アディクトフロロ 14lb(ヤマトヨテグス)
スピナーベイト用
●ロッド:イフリートB70MH-F(ラグゼ)
●リール:スティーズA TW 1016-CC(DAIWA)+匠ベアリング メイン/本多式、ハンドル/自転式(ゴールドワークス)
●ライン:アディクトフロロ 14lb(ヤマトヨテグス)
アラバマリグ用
●ロッド:アベンジB70H-R ST(ラグゼ)
●リール:カルカッタコンクエスト200(シマノ)+匠ベアリング メイン/本多式、ハンドル/自転式(ゴールドワークス)
●ライン:フロロドレイク 20lb(ヤマトヨテグス)
高比重ワームノーシンカー&ネイルシンカーインサートジャーク用
●ロッド:イフリートB70H-RF(ラグゼ)
●リール:スティーズA TW 1016XH(DAIWA)+匠ベアリング メイン/本多式、ハンドル/自転式(ゴールドワークス)
●ライン:アディクトフロロ 20lb(ヤマトヨテグス)
スイムジグ用
●ロッド:イフリートB70H-RF(ラグゼ)
●リール:スティーズA TW 1016H(DAIWA)+匠ベアリング メイン/本多式、ハンドル/自転式(ゴールドワークス)
●ライン:アディクトフロロ 16lb(ヤマトヨテグス)