【最新ポーク事情 ロデオクラフト】一番大切なのは ルアーの大きさではなく大きいからこそ出せる アクション!



これまでのポークはラバージグの『トレーラー』が主たる使用方法で、あくまでも主役はラバージグだった。しかし、ロデオクラフトの新型ポークを見る限りでは…圧倒的な存在感! 完全に主役の座を奪うだけのデカさである。しかし、本当に注目すべきは、その大きさではなかった…!! ロデオクラフトの松本幸雄さんに解説していただいた。

【Profile】

松本幸雄(まつもと・さちお)

ロデオクラフトに所属し、実釣開発および広報を担当。バス釣りだけでなくエリアトラウトからナマズ、ソルトのオフショアゲームに至るまで、ルアーフィッシングなら幅広く精通するマルチアングラー。ハードルアーのみで競うH-1グランプリ戦士でもある。

デカバスを惑わすのは〝ゆったり〞とした動きデカイ…とにかく、デカイ!

ルアーマガジン10月号でもプロトタイプのモノを紹介し、ジグにセットした状態ではNZクローラー(デプス)に匹敵するボリュームと説明したが、ソレもそのはず、『ヤバタン』で120mm、『ボコタン』で125mmという、既存のポークからは考えられないサイズだからだ。

松本「誰もがそうだと思いますが、大きいバスを釣りたいという動機から開発をスタートしたポークです。ただ、大きいバスが反応する理由はサイズではなく、大きいルアーだからこそ出せる〝ゆったりとした動き〞だと考えています。加えて、ポークという天然素材ならではの超ソフトなデロンデロン感が、人工素材では難しい艶めかしさを演出してくれるのだと思います」

ヤバタンとボコタン、同時に発表されたワケですが、それぞれの特徴と使い分けは?

松本「では、最初は使い分けに関して…ですが、その時々の〝気分〞です(笑)。というのも、当初は1種類のみをリリースする予定でしたが、開発の最終段階でデカバスがよく釣れる2種類が残ったので、ならば両方出そう、と。また、デカバスはたくさん釣れるワケではないので、正直なところ明確な使い分けをアドバイスできるほどのサンプルパターンがありません。強いて言うならば、ビリビリとした細かいアクションを追求したいならヤバタン、『ドゥルン!』とした感じのゆったりしたアクションでアピールしたいならボコタンという、曖昧なイメージで使い分けています」



天然素材ゆえの個体差を活かして使い分ける

松本「次はそれぞれの特徴ですが、似ているようでフォルムがけっこう違います。ヤバタンは細いボディに真ん中辺りから細いアームが出ていて、水中では細長いシルエットに見えます。一方のボコタンは太めのボディから太めのアームが出ていて、ヤバタンよりはバルキーな印象が強いです。ただ、肝心のアクションに関してはヤバタンがこうだ、ボコタンがこうだという明確な指標が難しいです。というのも、天然素材なのでどの部位の皮と脂身を使うかによって、柔らかさに個体差が出てきてしまうからです。加えて、これだけの大きさだと人の手で切り出さなければならないので、形状もまったく同じにはなりません。僕はコレを『個性』と捉えることにしていて、2種類とも、柔らかいモノはデロンデロンなアクションを出したいときに、硬めのモノはアームから強い水押しを発生できるホッグ系のイメージで使い分けています」

使い方は、ルアーマガジン10月号によると〝ジグスト〞ということですが。

松本「だからといってレンジキープ厳守のように、堅苦しく考えなくても大丈夫です。水面直下でも中層でも、ボトムでもOKです。ただ、スイミングでもボトムバンプでも激しいアクションではなく、ゆっくり〝フワッフワッ〞としたイメージで動かしたほうが、デカバスのバイト率は高いです。そして、シルエットが大きくて目立つだけに、パイロットルアーとして使うのもアリです。固定観念にとらわれず、好きに使ってみてください」