三重県を中心に盛り上がるトンジギ。ビンナガ(ビンチョウマグロ、地域によってトンボとも呼びます)などを狙うジギングの新たなスタイルとして、にわかに注目が集まっています。そこで、中部地方をホームとするアングラー、舟木さんにトンジギのシーズンや釣り方について、解説してもらいました!
【Profile】
舟木雄一(ふなき・ゆういち)
ロッドメーカー「テンリュウ」の開発担当。製品開発という立場から、オフショアからショアの釣りまで幅広く対応する、マルチアングラーとしても活躍。同社の多彩なラインナップを統括するため、日々、現場でロッド開発にいそしんでいる。
秋から春まで長く楽しめる「トンジギ」
――まずは、トンジギの概要から解説お願いします。
舟木「昨年、おととし頃からにわかに人気が出始めた釣りで、三重県を中心に対応する遊漁船も増えつつあります。私が知る範囲だと、伊豆半島の南端付近でも、トンジギに対応した船があるようで、これから関東方面でも盛り上がる可能性はありますね」
――狙う魚種は?
舟木「メインターゲットはビンナガです。ちなみに、ビンナガは地方名でトンボと呼ばれることから、トンボを狙うジギングだからトンジギとなったようです。サイズ的には、10kgくらいの個体が多いイメージです」
――ビンナガ以外も釣れますか?
舟木「ビンナガ以外だとキハダです。キハダは大型もヒットする可能性もあって、場合によっては30kg、40kgが掛かることもありますね。それ以外にも、カツオもターゲットとして挙げられます」
――釣期が長く、しかも人気の高いターゲットが狙える、これは盛り上がるのも頷けます。
舟木「あと、三重という位置もいいですね。中京地区はもちろん、近畿圏からも足を運ぶアングラーも多いようです」
中層キープで回遊するターゲットを狙う
――では、トンジギの具体的な釣り方を教えて下さい。
舟木「簡単に言うと、ドテラで流して中層をジグで狙う釣りです」
――中層なんですね。
舟木「そうですね、完全に中層です。底を取ることはありません。エリア的には、沖の水深300m以上あるようなところで、船長の指示に応じてジグのレンジをキープして狙います」
トンジギの水中イメージ
――使用するジグのサイズは?
舟木「私の場合だと300gが基準で、潮流などでレンジをキープしにくい場合は350g、それ以上の400gという選択肢もあり得ます。また、300gでは沈みが速かったりと重過ぎる場合は、250gを使用することもありますよ」
――ジグの操作は?
舟木「スローなワンピッチジャークが基本です。ドテラで流されながら、ジャークして巻き上げ、レンジを外れたら指示ダナまで再度落とし込んで、ジャークで誘う。この繰り返しです」
――自分が操作するジグのレンジをしっかりと把握することが重要そうですね。
舟木「指示ダナはつまり、ターゲットが回遊する層となるので、外さないようにキープしながら誘うことで釣果を上げやすくなります。それこそ、ラインの入る角度と出ている長さから、三角関数で大まかな水深を計算する人もいるほどですから」
――数学が応用されるジギング……。
軽いタックルで負担を減らす
舟木「なので、当然ですがマーカー付きのラインは必須です。ロッドの関しては、基本的にはジグの操作重視で選択するのが良いかと思います。と言うのも、ヒットした後はロッドを下げてリールでファイトするので」
――では、ジグを操作する上で、ロッドに求められる性能は?
舟木「200mラインを出して、重いジグを1日中操作する釣りなので、タックルバランスは重要です。全体的な軽さがアングラーの負担を減らします。また、ワンピッチジャークジャークやスローなジャークをストレスなく行えるブランクス性能も大切」
――舟木さんがおススメのロッドは?
舟木「テンリュウのラインナップで言えば、2021年に新たにリリースされた、ライトジギングゲーム用のシリーズ、ホライゾンMJ5101B-MHと5101B-Hあたりがばっちりハマりますね」
――ホライゾンMJ、最新モデルですね。ちなみに、MHとHで、使い分けはありますか?
舟木「300gのジグでやるならMH、350gならHとなります。この2タックルあれば、かなり広い範囲をカバーできますよ」
推奨ロッド:ホライゾンMJ 5101B-MH
【スペック】
- 全長:5ft10in
- ルアー:120~200g(ハイピッチ)/180~400g(スローピッチ)
- 最大ライン:PE3号
- 自重:126g
- 価格:40,150円(税込)
推奨ロッド:ホライゾンMJ 5101B-H
【スペック】
- 全長:5ft10in
- ルアー:150~250g(ハイピッチ)/200~450g(スローピッチ)
- 最大ライン:PE3号
- 自重:131g
- 価格:40,700円(税込)
――では、組み合わせるリールは?
舟木「私が使用するのは、シマノのオシアジガーで、番手は2000~3000番。メインラインはPE3号、リーダーはフロロカーボン20号。これは、MHもHも共通ですね」
――ちなみに、30kgクラスのキハダなどがターゲットの場合、タックルは変わる?
舟木「その場合は、ジギング用ロッドのシリーズ、ジグザムを使用します。番手は6番がちょうどいいでしょう」
――ジグザムのドラッグフォースシリーズには、ドテラ流し専用モデルとなる「JDF5101S-6」も存在し、ビンナガよりも大型のキハダも範囲に入ってくる場合は検討の余地はありそうです。
タックルが比較的ライトなので、気軽にチャレンジできそうですよね、トンジギ。やってみたい! と思った方、下にトンジギに対応した遊漁船の一覧を張っておきますので、参考にしてみてください!
※シーズンにより対応していない場合があります。ご利用の場合は、各遊漁船にお問い合わせ下さい
トンジギ対応の遊漁船
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