【11月のバス釣り】晩秋の読めない魚を捉えるには臨機応変に釣りを組み立てること【教えて、いそっち! バス釣りレベルアップ道場】



バスフィッシングは、通年楽しめる釣り。季節ごとの必釣パターンを知っておけば、より釣果が得やすいのはいわずもがな。そこで琵琶湖の頼れるプロガイド、“いそっち”こと礒村雅俊さんにバス釣りシーズナルを解説してもらおう。今回は11月編!

【Profile】

礒村雅俊(いそむら・まさとし)

2011年より琵琶湖でプロガイドをスタート。琵琶湖のロコトーナメント『BAIT』で2013、2015、2017年にA.O.Y.に選出されるなど、アングラーとしても輝かしい実績を残す。ライトリグからビッグベイトまで幅広い釣りに対応。『楽しめる釣り』をモットーとする。

ベイトが中層にいれば巻きモノは依然効果的

礒村「晩秋から、琵琶湖ではヒウオ(氷魚=アユの稚魚)が発生します。ヒウオの群れがボール状になって沖をゆらゆらと漂う。これから冬に向けて水温はどんどん落ちますが、バスがそれらの中層の小魚を意識しているときは、巻きの釣りで狙えます。また、温かい日も魚が浮きやすいので、同じく巻きが効きやすいかな」

アラバマリグ、ディープクランク、スピナーベイトあたりが巻きモノの筆頭格。

レンジやリトリーブスピード、ルアーを通す角度を変えるだけでバスの反応は劇的に変わる。

1投目で食わせるのがベストだが、もし反応が得られなくとも諦めず何度か入り直してバイトを拾おう。

なお、冬の強い高気圧が入ると、小魚は中層にいるのに肝心のバスが浮かず、ボトムのエサばかりを食べるという状況になることも。

そんなときは高比重ワームノーシンカーやネイルシンカーインサートジャーク、ネコリグといったボトムネチネチ系が有効になる。

リールのベアリングチューン

礒村「巻きモノを引くときは、ハンドルの回転が滑らかなリールが使いやすい。個人的に愛用するのは、ゴールドワークスの『匠ベアリング自転式』です。ハンドルノブに高性能ベアリングを仕込むことで、シャープなハンドリングを実現。巻きが楽になるだけでなく、巻き感度も向上します」

礒村 「匠ベアリングをはじめとするベアリングチューンは、特に巻きモノをするときに便利です」

匠ベアリング自転式が仕込まれたハンドルノブ。滑らかな回転でリーリング動作をアシストする。

シーズナル必釣ルアー【ボート編】

アラバマリグ

小魚の群れを演出できるパワーリグ

礒村「秋から続いて有効なのがアラバマリグ。ウィード、魚礁、ハードボトムなど、バスのフィーディングエリアをピンポイントで攻めます。アラバマリグを引くときは、(ウィードにせよ魚礁にせよ)まずは狙いのポイントの上を通します。それで反応がなければ、攻めるレンジを徐々に下げていき、最終的にはギリ掠めるくらいを引いてやる。水の抵抗を受けやすい構造なので、リグはふわ〜っと沈みます。流れの向きや強さを感じながら、レンジを正確にコントロールしましょう」

ステルスセブン(ジークラック)+ジャイロスター 3in(ジークラック)

磯村「ジグヘッド+ワームを7セット装備できるモデルで、魚を寄せる効果が圧倒的。それゆえに魚礁などの障害物の上を引いたとき、魚を浮かせて食わせる力がある。11〜12月はヒウオが発生する時期ですが、アラバマリグはその群れを演出できます」

トレジャートラップ(ドリームエクスプレスルアーズ)+スイングインパクト 3.5in(ケイテック)

磯村「ワンフック仕様のアラバマリグで、ウィードに当てても根がかりにくい。低速で引けるため、ウィードにこするようなイメージでも使える。トレーラーワームには、リブ付きボディ+揺れるスイングアクションを出せるスイングインパクト3.5inをセット」

植物や障害物の上を探るときは、強烈な集魚効果が武器のステルスセブン。障害物をかすめたり当てるときは、根がかりしにくいトレジャートラップがおすすめ。こちらは冒頭にも登場した48cm。ステルスセブン+ジャイロスター3inで釣った良型だ。

礒村「ステルスセブンにセットするトレーラーワームは、1つだけ異なる色を付けたりします。時折これがバイトマーカーの役割を果たしているような印象を受けることがある。個人的にはシルバー系、ブラウン系、チャートバック系を組み合わせることが多い」

ディープクランク

巻きの釣りの軸になるルアー

礒村「基本的な使用法はアラバマリグと同じ。クランクベイトがいいのか、アラバマリグがいいのか。当日の魚に効くか効かないかのシンプルな話なので、釣れても釣れなくても必ず両方試したい。アラバマリグなら3尾、クランクなら5尾なんて日があるし、もちろんその逆もある。夏〜秋の操作法と同じく、ウィードに当たったら根がかりをほぐす動作を入れると魚のバイトを引き出せます」

アベンジクランク400[ラグゼ]

礒村さんが監修した傑作ディープクランク。スリムなリップ形状で、最大潜行深度は4m。引き抵抗は軽く、それでいて手元に伝わる振動が、巻き中はもちろん、コンタクト時も明確なのが利点。

礒村「高いウィードに当たったら、竿を縦方向に3回ほどほぐし、最後にブルルッと持ち上げると根がかりが外れる。対して低いウィードに当たったときは、リールハンドルを素早く1回転させると、横方向にスライドして根がかりを回避できます」

ウィードに絡めるのが釣果の秘訣だ。

スピナーベイト

スローロールでボトムを攻略

礒村「スローロールで使用します。その方法は以下の通り。スピナーベイトをボトムまで沈めたら、そのままゆっくり一定のスピードで巻くだけ。アラバマリグは中層からはじめて最終的にボトムにこすりつけましたが、スピナーベイトは初手からボトムを攻めます。ウィードが少ないエリアで、ボトムをずっと舐めながら釣るイメージ。なお、通常は3.5inクラスのシャッドテールを合わせますが、ウィードが引っかかるときは単品(トレーラーワームなし)で使用するのもあり」

アベンジスピン 1/2oz[ラグゼ] +トレーラーフック #1〜2/0[がまかつ] +スイングインパクト 3.5in[ケイテック]

スタンダードな使用感を誇る万能スピナーベイト。

低重心なのでスイム姿勢が安定するほか、ボトムや障害物に当たったときに崩れた姿勢を瞬時に復元する。

極めて使いやすいモデルだ。

巻きモノを引くときの注意点をひとつ。ラインブレイクなどでラインを大きく失うと、ハンドル1回転あたりの巻き取り量が変わるので巻き速度を調節しよう。糸巻き量が多いとハンドル1回転あたりの巻き取り量は多め(=速い)、糸巻き量が少ないと巻き取り量は少なめ(=遅い)になる。

礒村 「ブレードをプライヤーで軽く潰して使用します。これによって振動が変わり、強めのアピールが引き出せる。アベンジスピンはダブルウィロー仕様ですが、ブレードを潰すのは上のみ。両方潰すと、ブルンブルンして不規則になっちゃうので注意しましょう」



赤松拓磨のオカッパリ道場~11月にショアで釣るならこのルアー~

ここではラグゼ・ルアーデザイナーにしてオカッパリの名手である赤松拓磨さんに、ショアから釣果を出す方法を教えてもらおう!!

スイムジグ

根がかりをほぐして誘おう

赤松「秋が深まるこの時期は、そろそろウィードが枯れはじめるタイミング。スイムジグは、その枯れはじめたウィードの隙間を探るのにぴったり。トレーラーワームには、強い水押しでバスにしっかりアピールできる5in前後のシャッドテールをセット。主な使用法は、狙いのレンジまで沈めてからのただ巻き。ウィードに当たったら、(速巻きで千切るのではなく)竿先を軽く上下させ、ほぐすように根がかりをかわすとバイトが増えます」

スイミングショットネオ・プロト(がまかつ)+フルスイング 5in(レイドジャパン])

赤松「前作のオリジナルに比べ、ブラシガードを3本から9本に増やし、汎用性を高めています。さらにヘッド形状を見直し、水のグリップ感も大幅に向上。ウィードなど障害物が多いところでも根がかりにくく、一定レンジを引きやすい。発売は来春予定」

ロッドは、アベンジB70H-R STがおすすめ。STはストレートテーパーの意。追尾系の吸い込みバイトでも、竿先が大きく入る+竿先の追従性が高いため、より深いバイトを得やすい。

『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!