【捕食の瞬間】マコガレイは一瞬の早業でエサを襲撃、ゆっくり捕食【水中写真で見るサカナの生態】



カレイは、エサをいどうやって食っているのか、じっくり見たい。そう思って水槽でトライしてみると、目の前で釣り人垂涎のシーンが展開された。

【Target Profile】

マコガレイ

北海道から九州にかけて生息する。秋から晩春にかけてが釣期。3〜4月にかけては花見ガレイと呼ばれ人気を博す。ゴカイ類や甲殻類を捕食する。

一気に吸い込んでも飲み込むには時間がかかる

1日の大半をカレイたちは砂(サンゴ砂)の中に潜ってじっとしている。そして、砂から出てきたときに動きが活発化する。

おいしそうなマムシをカレイの目の前に持っていくと、ぴょこんと目が立った。興味津々なのが伺える。

時合というか、カレイのお食事タイムは水槽内では午前10時頃と午後3時以降の夕方に2度あった。この時刻になるとカレイが砂の中から出てきて動き出す。

エサのマムシ(イワイソメ)を狙うときには舞うように泳ぎ、ゆらりゆらりとゆっくり近づく。動いてとまり、また動いて止まる。そしてエサを口にする最後の一瞬には目にもとまらぬ速さになる。決めの一瞬だけは、コブラが鎌首をもたげて獲物に襲いかかる、そんな瞬発的なイメージだ。そうしてマムシを口の中へ吸い込んでいく。

砂から出てマムシにゆっくり接近し、パクっと一気に吸い込んだ。

ただし、一気というわけではなく、全部のみ込むのは1〜2分かかっていた。

カレイが砂から出てエサを待つような姿勢をとっていることもあり、その日は水槽の中から愛くるしい目で熱い視線を送ってきていた。それではと、さっそくマムシを投入すると、ゆっくりカレイが接近してきて、すぱっと一気に吸い込んだ。釣り場でなら、いきなりアタリ! という感じだろう。ただし、のみ込むのにはいつもと同様に少し時間がかかっていた。カレイ釣りには焦りは禁物ということなのだ。

(※本原稿は『水中釣魚ワールド』からの抜粋です)



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