2021年度DAIWAの高性能パックロッドシリーズ『セブンハーフ』にベイトモデルがデビュー。これまでにルアマガプラスでもその特徴を解説してきましたが、今回はセブンハーフベイトモデルの虜になったとあるアングラーをインタビュー! どのような釣りを楽しんでいるのかガッツリ語って頂いちゃいましょう!
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解説していただくのは山口が誇るランカーシーバスハンター!
【Profile】
藤田知洋(ふじた・ともひろ)
DAIWAのシーバスブランド「morethan(モアザン)」テスターの一員。山口県岩国市をホームに、河川と港湾部におけるシーバスゲームを得意とする。今秋遂に念願のメーターオーバーシーバスをキャッチするなど今最も勢いに乗る西日本のランカーシーバスハンター。シーバスのみならず様々なショアの釣りに精通、ベイトタックルフェチの一面も持つ。
今回インタビューをするにあたり、藤田さんのSNSをチェックしているとなにやらセブンハーフベイトモデルでグッドサイズなシーバスの釣果が多くアップされていました。 SNSを見る限り、かなり使い込んでいると判断! 藤田さんに使い心地や使用しているシーンなど根掘り葉掘り聞いてみました!
パックロッドの概念を変える衝撃的な出会いとなった『セブンハーフ』
――藤田さんは今季発売されたセブンハーフベイトモデルでかなりの釣果を上げられているようですが、これまでに「パックロッド」を使用されたことはありますか?
藤田「正直パックロッド自体あまり使ったことはありません(爆)。強いて言えば友達が持っていたのを軽く使ったことがある程度。それもかなり昔の話で、当時のパックロッドは1ピースや2ピースロッドと比べると、継ぐピースが多い分曲がりも微妙でした。全然しっくりこなくて、それ以降は全く触れることはありませんでしたね。また僕自身車で釣り場を移動することが多いので、パックロッドの必要性をあまり感じていませんでした」
――そんな藤田さんが今回「セブンハーフ」を触ったときどんな印象を受けましたか?
藤田「初めて触ったときは『これ本当にパックロッド!?』と率直に思いました。曲げてみても継ぎ目を全く感じさせないくらいキレイに曲がりますし、2ピースロッドと全然遜色ない。パックロッドのイメージを180度覆されましたね!」
――そこまで衝撃を受けたとは!(笑)。ということは、すんなりセブンハーフを受け入れられた感じですか?
藤田「もちろん! 自分のホームフィールドですぐに使えるイメージが湧きましたね。セブンハーフベイトモデルは6機種あるのですが、その中で僕のスタイル、またはホームでの釣りにハマりそうだと思ったのが『76XHB』。
スペックの通り一番強いモデルで、使う用途はズバリ『ビッグベイト』です。現在DAIWAのルアーロッドのなかで、バス以外のソルトロッドではビッグベイトに対応したモデルがあまり多くなく、あってもルアーウェイトが10~60gとなっているので個人的にはパワーが物足りなく感じていました。しかし、セブンハーフベイトモデルの76XHBはルアーウェイトが20~60gとワンランクパワーが強い。使用するビッグベイトに対応するパワーが備わっていたので『これだ!』という感じでしたね」
藤田さん使用モデル『セブンハーフ76XHB』
【スペック】
- 全長:2.29m
- 継数:4
- 仕舞寸法:63cm
- 自重:150g
- ルアー重量:20~60g
- 適合PEライン:1.2~2.5号
- メーカー希望本体価格:38,800円
「専用ロッドを超える」ストレスフリーな使用感
――では実際に76XHBを使用してのインプレッションを聞かせて下さい! かなり釣果を上げているのでシンデレラフィットしているのは間違いないと思うんですが(笑)。
藤田「仰る通り76XHBはかなりいい感じですよ。表現がちょっと難しいんですけれど、そもそもセブンハーフというロッドは『シーバス専用』ロッドではないんです。釣れる魚はなんでも!的なマルチルアーロッド。でも僕的にはシーバスにおいて十分過ぎるほどのスペックなんです」
――その十分過ぎる理由とは?
藤田「本来ビッグベイト専用ロッドだと、XHというスペックなら、バットやブランクも太くてガチガチなロッドになりそうなのですが、セブンハーフベイトモデルは軽量かつ高強度なHVFブランクなので特別太くもなく軽さも十分。
また、ベイトモデルはレギュラーテーパーに設計されているのですが、76XHBはキャストの際では全体的に曲がるというよりかは必要以上に曲がり過ぎないのでビッグベイトが非常に投げやすく、ピン撃ちから遠投までシャープに振り抜けます。
魚を掛けてからはマルチピースとは思えない、レギュラーテーパーらしいキレイな曲がりで大きい魚の動きもしっかりと止められます。
ビッグベイトを扱う際は通常のシーバスタックルよりも太いラインやリーダーを使用するのでノット部分も大きくなってしまうのですが、セブンハーフはガイド径も大きく、ノットが当たるストレスもないので初速を活かしたキャストも可能です」
――なんと! マルチルアーロッドなのに専用モデル、いや、それ以上の使い心地なんですね!
ビッグベイトから12cmミノーまで! あらゆるシチュエーションに対応!
――藤田さんがこのロッドを使用しているルアーを教えてください!
藤田「僕がよく使用するルアーはレイジーファシャッドJ170.5、スライストロング、ガルバストロング、モンスターウェイク(※全てDAIWA)など30g後半から50gを超えるようなビッグベイトに使っています」
藤田「ただ巻き系のルアーはもちろんですが、ガルバストロングのようなドッグウォークアクションをするルアーもスラッグをしっかり弾いてアクションを掛けられます。またバーティスR125Fなど12cmクラスのミノーも全然投げれちゃうし、操作もできます」
――XHで12cmクラスのミノーも投げれちゃう懐の広さは専用ロッドでは考えられないですね! ちなみにどのようなシチュエーションで使用されていますか?
藤田「主に使用するシチュエーションとしては、僕のホームのひとつである山口県の河川。
夜であれば橋脚絡みの明暗。橋脚回りは流れ着いた沈下物なども多く点在していて、掛けたあとは障害物に巻かれないように注意しないといけないんですが、76XHBはパワーがあるので一気に橋周りから引き剥がすことができます。
あとは河川のインレットのような小場所にも最適です。足元で喰うようなシチュエーションでのビッグベイティングから、ウェーディングであればオープンエリアもやります。7ft6inですが、飛距離の部分はリールの性能も大きく関わってくるので短いから飛ばないということは全く無く、リールのセッティング次第では飛距離もしっかり出せます。ロングキャストでミオ筋のブレイクを狙ったりもしてますよ」
ちょっと脱線!? 藤田的丸型ベイトリールのこだわり
――先述のお話を聞く限りだとリールにはかなりこだわりがありそうなんですが、藤田さんがセッティングしているリールとは?
藤田「お気づきになられましたか(ニヤリ)。僕は76XHBには『キャタリナBJ』もしくは『ソルティガBJ』をセットしてます」
――まさかのジギング用のリール! ジギング専用モデルでロングキャストもピン撃ちできちゃうんですか!?
藤田「全然出来ますよ、なんなら今挙げたリールでショアジギとかもやってますから(爆)。76XHBにセットした場合さすがに100mは厳しいですが、50mぐらいなら余裕で飛びます。
キャタリナBJやソルティガBJを使っているのはただただ僕が丸型のリールが好きなだけ(笑)。という理由だけではなくて、DAIWAの丸型リールはTWSではなく『シンクロレベルワインド』が搭載されているからなんです。
シンクロレベルワインドはスプールから糸が放出されたとき、スプールの動きに合わせてレベルワインドが動くので糸の角度がつかず、2号以上の太糸でドラグを出されたときもドラグの負荷も少なく、角度が付くことによる糸の摩擦もないので僕はあえて丸型モデルを使っていますね」
――なるほど!そんな利点があったとは!確かにレベルワインドがスプールの動きと同調して糸に角度がつかなければ飛距離も出せますね!しかもソルティガBJ、キャタリナBJともに遠心ブレーキなのでキャストもしやすいですし。
個人的にベイトリール、ベイトシーバスLoverなのでもっと詳しくお話を伺いたいのですが、ちょっと本題からそれてしまいそうなので抑えておきましょう(笑)。
既存のシーバスロッドとの使い分けは?
――藤田さんはDAIWAの中でもシーバステスターとして活躍されていますが、セブンハーフと既存のシーバスロッドシリーズの使い分けを教えて下さい。
藤田「そうですね、特に難しくは考えていなくて、10g前後のルアーを遠投するようなシチュエーションでは既存のシーバスロッドシリーズを。逆に小場所やビッグベイトを使いたいときはセブンハーフベイトモデルを使用していますね」
――時期的な使い分けはあったりしますか?
藤田「時期というよりかは場所による使い分けですかね。先述した通り、ロッドパワーで無理くりシーバスを寄せてきたいシチュエーション、シモリや潜られるとラインブレイクの可能性がある場所ではセブンハーフですね」
ベイトタックルで色んな魚種を楽しみたいと思うアングラーは必ず「セブンハーフベイトモデル」はチェックすべし!
――ちなみに今セブンハーフベイトモデルが気になっているというユーザーにおすすめするのはやはり76XHBですか?
藤田「 僕は普段がシーバスメインなので76XHBばかり溺愛していますが、自分が使いたいシチュエーションや魚種に合わせるのが良いと思います。セブンハーフは7ft6inの長さを共通としながらも、パワーによるバリエーションが豊富になっています。
ベイトモデルであればLクラスからXHまでラインナップしていて、メバルからエギング、ハードロック、シーバスとパワーを選べば様々な魚種を狙うことができます。僕自身先に述べたように、ショアジギからエギング、なんならライトゲームもベイトでやるほどベイトタックル大好き人間。僕と同じく『ソルトでもベイトタックルで釣りをしたい』と思っているアングラーには非常にドンピシャなロッドかと思います。
またスピニングタックルはハイエンドモデルや最新モデルになるほど軽量化されていて、どちらかが重たくなるとアンバランスになりやすい。でもベイトタックルであれば、そもそもベイトリール自体に重量があるので、旧モデルのリールに最新のロッドを合わせたとしてもバランスが崩れにくいんです。
なので、皆様のお手持ちのキャスティング用ベイトリールと組み合わせて使ってもセブンハーフベイトモデルは非常に使いやすいと思います。もちろん既存のモデルでも全然問題ありませんよ!」
――なるほど、セブンハーフベイトモデルは既存のベイトユーザーからベイトタックルビギナーまで誰でも使いやすいロッドになっているわけですね。
藤田「そうですね、ベイトタックルのカッコ良さ、憧れを持っている方には是非使って頂きたいですね。想像以上のキャストフィールを操作感できっとベイトタックルの『虜』になると思いますよ!」
藤田さんのセブンハーフ76XHBビッグベイトタックルセッティング
- リール:ソルティガBJ200SHL or キャタリナBJ200SHL(※SLPワークス RCSカーボンクランクハンドル+パワースクエアコルクノブに換装)
- ライン:UVF PEデュラセンサー×8+Si² ライムグリーン 2.5号 or UVF PEデュラセンサー×4+Si² コーラルレッド 2.5号
- リーダー:モアザンリーダーEX II TYPE-F 30lb or 40lb ※全てDAIWA