サバは英語で「mackerel」ではブリは? 意外と知らない魚の英語名。

洋食でも頻繁に登場する魚、たとえばサケはサーモン、マグロはツナ、なんてのはみなさんもよくご存じでしょう。でも日本の大衆魚あたりになると意外と英語でなんて言うか知らないものなんです。寿司や刺身を食べるお店で外国人に魚の名前を尋ねられた時、釣り人のプライドにかけて英語で説明できるようになっておきましょう!!

●文:ルアマガプラス編集部

2024 チニング特集

青魚は総じてこう呼ぶ? 

大衆魚の代表格・サバ。長嶋茂雄さんは「魚へんにブルーと書いて鯖」と言ってましたが。
英語では「mackerel マカレル」と言います。このほかに「mackerel blue fish」なんて呼び方もします。

ちなみにサーバー管理ツールに「Mackerel マカレル」というのがあるんですが、サバとサーバーをかけたダジャレなんでしょうか?

さてこの「Mackerel」、青魚を表す言葉のようです。

アジのことを「horse mackerel」「jack mackerelと呼びます。「horse」はスラングでは「くだらない」「おおきい」という意味を表します。採れる時はアホみたいに採れるから、こう呼ぶんですかね?マグロをそう呼ぶこともあるそうです。

「jack」は少年という意味があります。「子供のサバ」ということでしょうか。

このほかサンマを「mackerel pike(ヤリやホコのこと)」。サワラを「spanish mackerel」と呼びます。

青魚全般、「Mackerel マカレル」と言っておけばなんとなく通じるんじゃないでしょうか?

サンマは日本語が英語名になった?

釣り魚ではありませんが、サンマ。

サンマの語源は「細長い魚」を意味する古称「狭真魚(さまな)」と言われてます。

英語では「Sauri ソーリー」と言います。実はこれ日本語が語源だという説があります。

三重県の伊勢、長崎の壱岐、また紀伊半島あたりではサンマをサイラ、サイレ(佐伊羅)と呼ぶ地域があり大漁祈願の供物「祭漁(さいら)」から来ていると言われています。

ロシアでは、イワシが日本名の「иваси(イヴァシー)」として伝わっています。その逆に魚卵全般を指すロシア語の「イクラ」が日本にそのまま伝わっていたり。

青魚全般を「Mackerel」と呼ぶ英語圏に、いつ頃どう伝播したのかはわかりませんが日本の呼び名「サイラ」が伝わり、「Sauri ソーリー」に変化した可能性も十分考えられます。

名は体を表すパターン

魚の形状・動作がそのまんま名前になってるケースも多いです。さきほど出たサワラは尾のギザギザから、のこぎり状の魚という意味で「seer fish」。

サワラは尾のあたりがのこぎりみたいにギザギザでしょ。

ではタチウオはそのまま「刀のような魚」で「sword fish」と思われるかもしれませんが、「sword fish」はメカジキのことです。タチウオは「剣のような魚」で「cutlass fish」「saber fish」と言います。また刀の鞘を表す「scabbard fish」とも。

このほかヒラヒラとした長い形状や光沢から「hair tail」(おさげ)、「ribbon fish」「band fish」「snake fish」「silver fish」と呼ばれます。

タチウオ(太刀魚)は「剣」のほかに長くてヒラヒラしたものに例えられてます
  • カワハギ:「file fish」「threadsail fish」※「file」は「やすり」「threadsail」は「帆」
  • カレイ・ヒラメ:「flounder fish」「flat fish」※「flounder」は「のたうつ・じたばたす」「flat」は「平ら」
  • フグ:「globe fish」「baloon fish」 
  • ブリ:「yellow tail」 ちなみにヒラマサは「goldstriped amberjack」
  • キス:「sand borer」 ※「borer」は「穴をあける」「掘る」。
  • イカ:一般的は「squid」なんですが墨を吐くことから「ink fish」。ヒラヒラしてるから「sleeve fish」とも。
カワハギは皮がザラザラしてることや、その形状から「やすり」「帆」のような魚と呼ばれてます
ブリは体の中央を走る黄色い線が呼び名に反映されてます

魚の王様は「海にすむコイ科の淡水魚」

魚の王様と呼ばれるタイは「red sea bream」と呼ばれます。この「bream」はヨーロッパ産のコイ科の淡水魚のことです。「海にすむbreamに似た魚の赤いやつ」といったところですかね。

red snapper 「赤いフエダイ」と呼ばれることもあり、王様の尊厳はどこへ・・・

チヌは「black sea bream」になります。ちなみに、この「bream」まったくタイに似てません…。

日本語もたいがいテキトーです。標準和名と俗称の混合

ホント英語圏って呼び方がテキトーだなと思うのはちょっと待ってくださいね。実は日本の名前の付け方が勝手だったり、細かすぎたりする場合もあります。

標準和名と俗称の混同とでもいいますか。

例えばカブトムシという虫がいます。コガネムシ科の中のカブトムシというが虫が独立して存在しているんです。そのほかの角が生えたコガネムシは「○○コガネ」にあたる学名で外国では呼ばれていて、ヘラクレスオオカブトやコーカサスオオカブトと「○○カブト」というのがまかり通ってるのは日本だけなんですね。

魚でもそういうものがいくつかあるはずです。出世魚みたいに成長段階で呼び名を変えるなんて、学術的には意味ないですし。

寿司屋の湯呑の魚の当て字だって、たいがいなのがありますからね。

体の縞模様からstriped tsuna とも呼ばれます。

例えばマグロ・カツオの類は総じて、「tsuna」というスズキ目サバ科マグロ属の名称がそのまま使われてます。カツオは「bonito」 ラテン語の「かっこいい、美しい、美味しい、美男・美女」という呼び方もありますが、学術的には「striped tsuna」という「縞模様のマグロ」という呼び方の方がわかりやすいし整理されていると言えます。

言葉は通じることが第一

文法的にとか語学的にとかうるさい人がいますが、それはある時代・地域において使いやすい・通じやすいからそう決めているだけであって何をもって「正しい」とするかは実はとても難しい問題なんです。

「ら抜き」言葉についても、状況によって尊敬を表すのか可能を表すのかが判別しにくいために、自然と定着していったものです。言葉はツール・手段と考えたら、目的は「意味が通じる」ことと考えたら「ら抜き」言葉の方が正しいとも言えます。


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