夢の尺アジ遭遇率を上げるために上級者が実践する、超簡単なたった2つのコト!



尺アジ、つまり30cmを超える大型の個体のことですが、アジングをやっている方なら、1度は釣ってみたいサイズでしょう。この夢の尺アジを、何度も釣り上げているエキスパートに、捕獲率UPのために実践しているコトを取材しました!

【Profile】

長澤耀(ながさわ・あきら)

ハンドポワードワームを中心に展開するメーカー、フィッシュラボの工場長を務める。製品開発も担当。開発テストで全国のフィールドを釣り歩き、経験値を積む。でかアジ釣りには特に強いこだわりを持つ、実力派アングラー。

実践1:尺アジは、夕&朝マズメでの遭遇率が高い! 一瞬の時合いに全神経集中!

日没直前や日の出直前は、エサを追う高活性なでかアジが回遊しやすい

長澤さんは製品テストで全国のフィールドに出向き、これまで多くの尺(30cm)超えのアジをキャッチしてきている、でかアジハンター。尺どころか40cmを超えるような、通称ギガアジも複数キャッチしているといいます。そんな長澤さんが、でかアジを釣る上で気を付けているコトとは?

自己記録は何と、尺をはるかに上回る40オーバーの43cm! でかっ!

長澤「でかいアジは、マズメ(日没や日の出の前後の時間帯)の一番良いタイミングで、ちょっとだけ回ってくるという傾向が多いと思います。でかアジがずっと釣れ続くというのはほとんどないので、夕マズメや朝マズメの一瞬の時合を逃さないように、集中して狙っていますね。そこで精度の高い釣りをすることで、尺アジ、ギガアジの確率が上がってくるはずです!」

一般的にマズメ時と言われる日没前後の1〜2時間は、尺アジ捕獲率の高いタイミング。準備万端整えて挑もう!

では、どういった場所にでかいアジが回ってくるんでしょうか?

長澤「アジングと言うと、常夜灯回りを狙うのが定石だと思いますが、でかアジは違います。明かりの回りにずっといるようなタイプの魚ではないですね。沖の潮目に回遊してきたり、ベイトについて回っているようなことが多いと思います。釣れたでかアジを持ち帰ってさばいてみると、胃の中にはやはり小魚が中心に入っていたりします。つまり、それなりのエサとなる小魚がいるような場所じゃないと、尺を超えるような大型のアジは釣れないですね。ちなみに、尺オーバーのアジが釣れる場所は、青物やヒラスズキなど、他の大型のフィッシュイーターが多い場所とも言えます」

アベレージサイズのアジは、夜の常夜灯周辺を狙うのが定石です。しかし、尺を超えるようなでかアジは、潮通しの良い外海に面した堤防などがおすすめです。

メインラインは、エステルではなく、PEがマスト!

大型アジを狙う上で、1つ注意したことがあると言います。それが、使用するラインの選択です。

長澤「アジングではエステルラインの使用がスタンダードですが、ターゲットが大型のアジの場合は、僕はPEラインを選択します。メインラインをPE0.4号にして、リーダーをフロロカーボンの6lbにするのが標準。特に、潮通しが良いところでは大型アジはかなり引きますから、ラインの選択を間違えると、せっかくヒットさせたアジをラインブレイクで逃してしまうという悲劇も起こりかねないです。繊細さよりも、余裕のあるライン選択を心がけています」

【長澤さん使用タックル】

左)ジグヘッド単体リグ用

  • ロッド:ロイヤルライト ストリームブレイカー63L(フィッシュラボ)
  • リール:月下美人 MX(DAIWA)
  • ライン:PEライン 0.4号
  • リーダー:フロロカーボンライン 6lb

右)キャロライナリグ用

  • ロッド:ロイヤルライトストリームブレイカー78L(フィッシュラボ)
  • リール:ルビアス2004H(DAIWA)
  • ライン:PEライン 0.4号
  • リーダー:フロロカーボンライン 8lb


実践2:尺アジの短い時合いを効果的に狙うため、あえて大きめワームでアピール!

周囲が暗くなり始めたころ、ちょうど良いタイミングで潮が動き出します。堤防に向かって流れてきた潮が、堤防の先端に向かって抜けていくようなイメージです。

フィッシュラボから新たにリリースされるリヴァーチ3.2inは、まさに大型アジ用として開発されたワーム。

フィッシュラボの、タイドライダーヘッド2gに、同じくフィッシュラボのハンドポワードワーム、リヴァーチ3.2inをセット。アジングとしては、かなりボリューム感のあるジグヘッドリグを投入して、流れを探っていきます。すると、グッドサイズのアジが反応し始めたのです!

小アジとでかアジでは食性が異なり、それに合わせて釣り方も変わる!

小アジはプランクトンなど漂うものをメインに食べるの対にし、でかアジが追うのは小魚など。ワームやアクションも当然それに合わせたものになる。ポイントも潮通しが良いところなど、小アジとは釣りが変わってくる。

長澤「予想通りのタイミングで喰い始めましたね。でかアジ狙いでは、普通サイズのアジを釣るのとは異なり、潮通しのいいところ、水深のあるところを釣ることが重要です。なので、いつもよりはジグヘッドは重め、ワームも大きめを使います」

フィッシュラボのハンドポワードワーム、リヴァーチ。上から1.6in、2.6in、そして新たに追加された、対でかアジサイズの3.2in。

潮の流れの中で、しっかりとジグヘッドリグを操作しながら大型アジを誘うには、通常のアジングの概念は捨てて挑む必要がありそうですね。

長澤「以前、こんなことがありましたよ。僕は、大きめのワームを使ってでかアジが入れ喰っていたんですが、すぐ隣でやっていたアジングの人は、普通サイズのワームを使っていて、釣れはするけどサイズは15cm止まり。このときに、ルアーのサイズによるパワーを実感しましたね」

今回の実釣取材中に長澤さんは尺(30cm)オーバーのでかアジをキャッチ! ヒットワームはもちろん、フィッシュラボのでかアジ用ワーム、リヴァーチ3.2inです!

でかアジ狙いとはいえ、大きいワームは使うのに少し躊躇するかもしれません。しかし、ワームが大きいからこそ、それに反応する良型のアジは確実に存在するのです!

長澤「フィッシュラボの人気定番ハンポワワーム、リヴァーチに新たに追加された3.2inサイズは、まさにこういったでかアジ狙いのために開発したワームなんです。短い時合いでもワームの存在感でアジに気付かせる、という点でもボリューム感のあるワームはとても有利だと思います!」

今回、秋の淡路島での実釣でしたが、長澤さんは見事に尺超えを達成! 取材の実釣で30cmオーバーを実際に、しかも激戦区フィールドで釣ってしまうところが、さすがでかアジハンターですよね! でかアジを釣りたいけど、なかなかサイズが伸びないというアングラーさんは、今回のテクニックを実践してみてはいかがでしょうか?

全長で、軽く30cm超え。解説通りの展開で、見事キャッチしたでかアジハンター長澤さん。さすがです!

『ルアーマガジン・ソルト』2023年5月号 発売情報

『ルアーマガジン・ソルト 2023年5月号』

今号の特集企画は盛りだくさん!「春イカ」「アジング」「ロックフィッシュ&ロックショア」「シーバス」の4つのテーマを徹底詳細!

このほか、小沼正弥さんの代名詞でもあるレバーブレーキ理論をまとめた企画や、村田基さんが登場する「インショア」企画、さらに春は旅の季節ということで特別企画「極上の釣り旅」も紹介してきます。

『ルアーマガジン・ソルト2023年3月号』は全国の釣具店・書店・Web通販サイトでお求めいただけます。

  • 発売日:2023年3月21日
  • 定価:1,500円(税込)

ルアーマガジン・ソルト2022年2月号では、でかアジを特集しています! でかアジ釣りについて、もっと詳しく知りたい方は是非、チェックしてみて下さいね!