世界に誇るスピニングリールの最高峰、ステラとイグジスト。その両機が2018年に続き、4年の時を経て再びフルモデルチェンジの時を迎える。メーカー威信をかけて、最新技術の粋を集結させたフラッグシップ機を2人のアングラーが徹底的に語る。今回はその序章として、スピニングリールに求めること。そしてモデルチェンジの実際を語っていただこう。
【Profile】
川村光大郎(かわむら・こうたろう)
通算五冠、最多にして最強の陸王として業界トップに君臨するオカッパリのスペシャリスト。ルアーはもちろん、道具へのこだわりは人一倍強く、忖度なしモノ選びはファンからの信頼も厚い。
【Profile】
黒田健史(くろだ・けんし)
JBトップ50で活躍し、ソルト系の釣りにも精通する実力派。長年の経験と高度な技術、そして豊富な知識に裏付けされたタックルに対する造詣の深さは特筆べきもの。シマノインストラクター。
スピニングリールに求めること
――まずはお2人がスピニングリールに求める性能についてお聞かせください。
川村「僕はまずは軽さ。それは自重と巻きの軽さ両方です。もうひとつ挙げると、ライントラブルが少ないこと。他にもドラグ性能とか耐久性とか求めるところはあるんだけれど、絞って挙げるならその二つですね」
黒田「僕はバスフィッシング以外にもソルトをやっているので川村さんがおっしゃったように壊れないこと。特に近年PEラインを使うことが多いので、昔みたいに3lb、4lbじゃなくて、20lbぐらいのモノを2500番、もしくはC2500あたりで使っても1シーズン、2シーズン、モデルチェンジまで使っても一切ノートラブルというのはソルトやっているからこそ重要視したいところかなと」
川村「バス目線で行くと求めるところは変わる?」
黒田「バスに絞るなら、正直言うと軽さ。近年フィネスはどんどん加速していることもあるので、やはり軽さは重要視はします。ただ、バスでもi字系やミドストなど、一定の巻きを重視する釣りにはステラ…のように釣り方によってリールを使い分けるというのはありますね」
モデルチェンジで最も進化を感じたところ
――今回、フルモデルチェンジで一番驚いたところは何ですか?
川村「進化を感じたのは、巻きの軽さ。一投でこれまでのものより明らかに軽くなっているなと感じました。バスフィッシングって巻きっぱなしというよりはオンオフが多い。シェイクした後のラインスラックの回収…とかね。止めたいときにはピタッと止まる。その使用感が向上したというのは違いとしては大きいと感じました」
――逆に変わらないところはありますか?
川村「軽さとカッチリ感。耐久性までいうと使い始めだからまだ語れないけれど、2500番台で自重が160gという軽量感は変わらず、より強さも兼ね備え、しっかりした使用感というのがイグジストだなという感じです」
――黒田さんはいかがでしょう?
黒田「僕は本当に気持ちが入り過ぎちゃうんですけど、今回搭載しているスローオシュレート機構って、言い方悪いですが15年前にトラブルが多すぎて諦めている機構なんですよね。良いのは分かっているから再挑戦した。僕はこのリールに対してその部分は克服したと思っているので、技術革新という部分に進化を感じましたね。ちょっと抽象的にはなってしまうんですけど」
――逆に変わらないところは?
黒田「ステラといえばみなさんも知っての通り、カッチリとした作り。耐久性というところは10年以上前のモデルでも感じてもらえるステラの売りなので、そこは期待を裏切らないし、それを期待してる人もいるので、このコンセプトがブレていないのは断言できます」
『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報
ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!