エリアトラウトの釣れるパターンの探り方をご紹介!【マスナビV】



必ず魚がいるエリアトラウトでは、なんとな~く釣りをしていても「偶然」釣れてしまうこともある。だけど、エリアゲームの本当の楽しさは「そこ」じゃ~ない。トラウトと濃密なコミュニケーションを取って、釣れるパターンを絞り込んだ先に、本当の意味でのエリアゲームの楽しさが待ち構えている!

【Profile】

菊地栄一(きくち・えいいち)

ヴァルケイン代表。ヴァルケインチーフデザイナー。ヴァルケイン製品のルアー&タックルの統括責任者。エリアでのインストラクター経験を持つ生粋の現場主義者。現場から誕生したルアー&タックルは、どのアイテムも時代を超える名作ぞろいだ。一切の妥協を知らないモノ作りの姿勢は業界随一で、エリアトラウト業界のトップランナー。

釣れるパターンの探り方紹介しちゃいますよ~!

お手軽だけど簡単ではないエリアゲーム!

関東地区屈指の人気バスフィールドである、『利根川』横に位置する『ウォルトンガーデン(千葉県・成田市)』は、バスアングラーからも人気が高いトラウトの管理釣り場だ。エリアトラウトメーカーとしてトップを疾走し続けている『ヴァルケイン』代表の菊地栄一さんが、愛して止まないホームエリアのひとつとしても知られている。

菊地「魚が必ずいるエリアゲームは、ネイティブと比較するとボウズの可能性は低いです。ですが本当のエリアの楽しさは、その日その時のパターンをつかんだ先にあります。ルアーを介してトラウトとの濃密なコミュニケーションが成立して、釣れるパターンがつかめたら、継続性のあるゲームが楽しめます。なんとな~く釣れたのではなく、明確なイメージを持って、イメージ通りに釣っている感覚が持てたとき、エリアはもっと楽しくなります。エリアはお手軽ですが、決して簡単ではありません。パターン成立という、本当の楽しさの入り口にある、最初の扉を開けることができたとき、その先にある奥深さと楽しさに魅了されること間違いありません(笑)。今回はドキュメント(実釣)方式で、自分なりのパターンの探り方を紹介しますね! 」

ボトムアプローチのバリエーションは無限

2022年1月下旬。利根川まで直線距離で約400mに位置するウォルトンガーデンだが、真冬に利根川から立ち上る冷気を含んだ北風が吹き込むことは稀だ。

菊地「今日はその稀な日ですね(笑)」

ポンドの最深部は3.5mあるが、最深部はピンポイントになっており、ポンド全体の平均水深は浅い。そんなウォルトンガーデンの水温は、北風の影響で冷えやすい特徴がある。

菊地「いつもより水温が急激に冷えていると予測できます。おそらくメインパターンはボトムゲームになると思います」

そう言うと菊地さんは、ボトムパターンとは異なるハイバースト1.8gのゴールドカラーをキャストして、丁寧にレンジを刻んで反応をサーチ。

菊地「現場に到着したら、まずはセオリー通り2g前後の派手系カラーのスプーンで全レンジを巻いて探ることは大切です。なるほど、やっぱり反応はありませんね……。予想通り、今日はボトムメインだと思います。ボトムといっても、エリアの場合、アプローチ方法は無数にあります。今日は多数存在するボトムメソッドの中から、パターンを絞り込んでいくことになると思います。正解のボトムパターンはひとつではなく、複数存在するのでは……という予感があります」

菊地栄一の『ウォルトンガーデン』攻略解説!

菊地「クラブハウスから見て、ポンドの中央部のやや左側が最も深い約3.5mです。最深部は面積が狭いピンポイント形状です。そしてクラブハウスから見て右側のエリアは遠浅気味になっています。ポンドは最深部へ向かってすり鉢状になっているイメージです。また、水車が2機回って水流を作り出しています。水車が作り出す2筋の流れと、最深部へ向かうすり鉢状の地形、さらに各所にある大小のカケアガリ。これらの要素を組み合わせて戦略を立てることが大切。何気なく釣りをするのではなく、考えて釣りをすることによって、驚くほど釣果がアップする楽しいエリアさんです」

最深部は3.5mのすり鉢状。

ウォルトンガーデン

ルールとマナーを守って静かに釣りが楽しめるエリアさんです。ご来場の前はWebサイトにてレギュレーションのご確認を、必ずお願いします。

菊地さんのタックルデータ

右のタックル

  • ロッド:ダーインスレイヴ6’2Is-ML インパクトソリッド(ヴァルケイン)
  • リール:18イグジストLT2000S-P(DAIWA)
  • ライン:エリアトラウト リアルファイターPE0.25号(東レ・モノフィラメント)
  • リーダー:ショックリーダースムーズロックプラス フロロカーボン0.6号(東レ・モノフィラメント)

左のタックル

  • ロッド:ダーインスレイヴ6’3BR-XXXXGLブレイズラッシュ(ヴァルケイン)
  • リール:18イグジストLT2000S-P(DAIWA)
  • ライン:エリアトラウト リアルファイターフロロ2lb(東レ・モノフィラメント)


もっと楽しむためのワンポイント #001

サークル&ハイバーストクロスボトムゲームの使い分け

難しく考える必要はありません

  • ボトムベッタリ or 広範囲を探りたいときにはサークル。
  • ピンポイントに絞り込んで繊細に攻めたいときにハイバーストクロス。

菊地「簡単に言ってしまえば、ボトムの状況が把握できていない段階ではサークルを投入します。そして、ボトムの状況がある程度把握できたらハイバーストクロスを投入します」

もっと楽しむためのワンポイント #002

ボトムゲームのルアーカラーは2方向に分かれることが多い!

グロー系 or ダーク系?

菊地「ボトム×ルアーカラーの法則をざっくりと言いますと、グロー系 or ダーク系の2方向に偏ることが多いです。グロー系はトラウトに気が付かせる能力に長けています。ダーク系はシルエットをくっきりと出すことができます。本日はグロー系の反応が良かったですが、スプーンの場合はダーク系でも合格点の反応を得ることができました。プラグのダーク系への反応は最後までイマイチでした。あくまでも本日のデータです。カラーへの反応は日によって異なりますから」

ボトムメソッドの絞り込み in ウォルトンガーデン・1月末

最低気温0℃。北風強風。メインパターンはボトム。

ファーストチョイス!『サークル2.8g(ヴァルケイン)』

定番色価格
全12色550円(税込)

アタリは多いけどキレイなフッキングには至りません

菊地「ボトムベッタリで使いたいとき、もしくは広範囲のボトムを探りたいときにサークルを重宝します。同じボトムでもわずかな浮遊感、速度、誘うテンポの違い、もしくは横方向の動きか? 直線的な動きか? によって反応は驚くほど変わります。さまざま要素の組み合わせの中から、最も反応がいいパターンを絞り込んでいきます。ズル引きとボトムギリギリのトレースで速度変化を付けながら手前のカケアガリまで丁寧に攻めました。アタリは多いですがキレイなフッキングには至りません。今日のトラウトの好みとは、何かがわずかに違うようです」

もう少しスローにボトムを攻めてみよう!

セカンドチョイス!『シャインライド(ヴァルケイン)』

全長重量定番色価格
45mm3.6g全16色1,375円(税込)

フッキング率もバッチリ。今日の正解のひとつです!

菊地「次に試したのはシャインライド。左右へのダートアクションが得意なボトムプラグです。もう少しスローに見せた方がいいかな~と感じたので試しました。シャインライドは多彩なアクションが特徴のボトムプラグですが、今日はシェイキングがすごく効きます。フッキング率もバッチリ。キレイなフッキングはトラウトが疑いなくバイトしている証拠です。シャインライドのシェイキングは、今日のヒットパターンのひとつだと思われます。このまま釣り続けて楽しむのもいいですが、別のボトムパターンもあると思うので、ほかの可能性を探りますね」

ボトムの別のアプローチ方法を試してみます!

サードチョイス!『ライオーム(ヴァルケイン)』

全長重量定番色価格
38mm3.6g全10色1,375円(税込)

『本日はボトムの日だ』という、確信が持てました!

菊地「シャインライドよりもさらにスローにボトム攻略ができます。シャインライドが左右ダートを含めた3D系アプローチに長けているのに対して、ライオームは直線的な動きに強いです。リフト&フォールを中心にアタリが多発しました。が……フッキング率はシャインライドよりも甘いです。ですがアタリは多いので、本日は間違いなくボトムの日だ! という強い確信が持てました」

わずかな誘い方の違いが深刻な釣果格差につながるのがエリアです!

本日1番のストロングパターン!

フォースチョイス!『ハイバーストクロス2.2g(ヴァルケイン)』

定番色価格
全25色550円(税込)

『本日はボトムの日だ』という、確信が持てました!

菊地「これまで3タイプのルアーを駆使してボトムの状況をサーチした結果、大方の状況がつかめました。そうなるとハイバーストクロスの出番です。ボトムを繊細&丁寧に攻めることができます。最初に投入したスプーン、サークルよりも状況に対してピンポイントで攻略できます。ボトムギリギリのトレースも、より繊細に行えます。ターゲットレンジはボトムで変わらないですが、多少スプーン巻きの精度も織り交ぜながらボトムが攻略できます。結果は、予想通りのドンピシャでした♪ 本日1番のストロングパターンですね」

わずかな誘い方の違いが深刻な釣果格ハイバーストクロスは本日一番のストロングパターン。ヒットが延々と続いたが、それでもリトリーブ中のロッド角度をわずかに変えると反応が著しく変化した。その繊細さもエリアの楽しさのひとつ。差につながるのがエリアです!

結論!

ボトムに絞っても、これだけ多彩なバリエーションで反応が得られるのがエリアです。ですが、その分わずかな「速度」「浮遊感」「テンポ」の違いで、反応がなくなってしまうのもエリアです。『ボトム』と一言では括れない深さがあります!

ボトム攻略に限定でも、多彩なアプローチが可能なのがエリアゲームです!

『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!