大型が狙える春! ディープ(深場)のイメージも強いけど、実はシャロー(浅場)で効率的にでかイカが狙えちゃうんです! 釣果の鍵を握るのは、まず第一にポイント選定にあるようだ。スマイルエギンガーこと、池内修次さんに詳細を解説してもらいます。
語って頂くのはデュエル・プロスタッフの池内修次さん!!
【Profile】
池内修次(いけうち・しゅうじ)
太平洋側にも日本海側にもアクセスしやすい、京都府在住。アオリイカにこだわり、年間を通して足繁くフィールドに通うストイックなデュエルプロスタッフ。いついかなる時も、釣り場で笑顔を絶やさないのが彼の信条であり、スマイルエギンガーという愛称の由来でもある。
実釣フィールドは南紀(和歌山県)
今回訪れたのは紀伊半島の南部。年間を通してエギングが楽しめるうえに、本州では希少なアカイカ系のモンスターが狙えるフィールドとしても知られています。釣り場の種類も豊富ですが、今回は渡船を利用して磯でのエギングを楽しみました。
渡船を利用したよ!
【Ship】
宮本渡船
今回は渡船による磯渡しを利用しました。船宿は紀伊田原の宮本渡船さん。創業50年を超える老舗で。現在は2代目が舵を取っています。串本の東に位置する下田原港から出船し、周辺の磯にアプローチすることができます。
早い段階から水温の安定するエリアを選択するべし!
3月下旬、池内さんが目指したのは紀伊半島の南紀エリア。地元京都から4時間弱かかるが、彼のホームグラウンドでもあり、得意とするフィールド。これまでにも数々のデカイカを仕留めている。
池内「春ですね~。この時期は産卵行動をとる親イカの個体数が多く、捕食や繁殖で岸際に寄ってきます。つまり、大型が狙いやすい時期ということ。中でも、今回実釣する紀伊半島は大型のイカの有望スポット。この地でなぜ釣れるのか? それは水温が上がりやすいからです。特に串本を中心とした南紀エリアはシーズンの走りからデカイカが狙えます!」
南紀に始まり、そこから徐々に中紀、紀北と釣果がまとまり始め、GW頃には大阪の泉南エリアでも春エギングが楽しめるという。
池内「エギングは水温が重要で、最低でも16℃以上はあってほしいですね。理想は18℃くらい。この18℃が産卵行動を意識する適水温とされているので、春イカ狙いではかなり重要な要素になってきますね」
するといきなり、海水につけたエギをギュッと握り「17℃くらいありますね」と池内さん。もちろん水温計の方が正確だが、エギの布についた水で適水温を把握。豊富な経験値から得た熟練の“技”である。
池内「例えば、岬が18℃で、奥まったワンド周辺が16℃だったり、周辺地域でも水温に差が出てきます。この場合は岬の方が圧倒的に確率が高くなる。移動する度に水温を計測すれば、釣れる場所も見えてきます」
沖から入る潮目がアツい!
どんなジャンルでも、海釣りにおいて潮目は釣果に影響する重要な要素。
池内「釣り場に向かってくる潮をよく観察し、タイミングを逃さないことが重要です」
潮目ができるということは、潮通しの良いエリアということ。ポイント選択も重要になってくる。
池内「回遊系のイカは潮目と共に、岸際に入ってきます。太い潮目はチャンス大ですよ!」
今回の作戦は?「回遊と居付きを効率的に狙います!」
釣り場は渡船サービスを利用して向かった先。10m×5m程度の小さな地磯です。
池内「大きな湾の中にある磯なので、基本的には沖から回遊してくる個体狙いですが、周辺の磯から続くシモリ付近には、そこに留まっている居着きの個体がいる可能性があります。
いい潮目が入ってきたら沖を、それ以外の時間は周辺のシモリを狙っていきます」
大前提として春のイカは“少ない労力で捕食しようとする
池内「秋はエギ自体も小さめのものを使うし、シャクリ回数でもアピールしますが、春は1回の誘いに対して大きくゆっくり目のシャクリを2~3回入れる程度。春は水温がまだ安定していないことが多いので、イカも消極的。できるだけ少ない労力で獲物を捕食することを意識しています」
まさか、まさかの「人生初の2バラシ」
秋に比べて春は大型が狙えるシーズンですが、個体数は少なめです。それゆえ、数少ないチャンスをものにしなければなりません。
そんな春の取材でキロアップをしっかりキャッチしてくれました。
池内「足1本のみが、なんとかカンナにかかっている状態だったので、今日はバイトが浅い日なんだと思います。春“あるある”ですね……」
慎重に、慎重~にタモ網でランディングした貴重な一杯! 実はこの日、海況があまりよろしくなかったのか、合計すると3度のバイトがあったのみ。
池内「とれたのは唯一のキロアップ1杯だけ。残りの2杯はバラしてしまいました。実は、2バラシは人生初なんです……。しかも、1杯は2㎏を軽く超えていたと思います。いやー悔やまれるなぁ~」
珍しくうなだれる池内さん。スマイル! スマイル!
池内さんの考える理想の地形とは?
イラストは今回釣りをした釣り場を元に、池内さんの考える理想のシチュエーションを表現したものになります。
池内「大きなワンドを形成した外側にはディープエリアが存在し、内側のワンド側はシャローエリアとなっています。湾内には藻場が点在しているため、産卵場にもなり得るポイントでしょう」
藻場が存在し、なおかつディープとシャローが隣接しているところがキモですね。
池内「シモリがあれば、回遊してきたイカが足を止めやすい。沖では回遊を、ワンドの奥側では居付きを狙うことができます。流入河川が近くにあれば、プランクトンが発生しやすくなり、ベイトフィッシュも集まってくるので、なおよしですね!」
池内さんがプロスタッフを務めるデュエルの詳細は、下記リンクをチェック!
『ルアーマガジン・ソルト』2023年5月号 発売情報
『ルアーマガジン・ソルト 2023年5月号』
今号の特集企画は盛りだくさん!「春イカ」「アジング」「ロックフィッシュ&ロックショア」「シーバス」の4つのテーマを徹底詳細!
このほか、小沼正弥さんの代名詞でもあるレバーブレーキ理論をまとめた企画や、村田基さんが登場する「インショア」企画、さらに春は旅の季節ということで特別企画「極上の釣り旅」も紹介してきます。
『ルアーマガジン・ソルト2023年3月号』は全国の釣具店・書店・Web通販サイトでお求めいただけます。
- 発売日:2023年3月21日
- 定価:1,500円(税込)
更に詳しい情報は、現在販売中の『ルアーマガジン・ソルトDX Vol.1』をチェック! 次号『ルアーマガジン・ソルトDX Vol.2』は7月21発売予定!
- 1
- 2