アジング専用機ソアレXR500SPG実戦投入! 春の大型アジの繊細な攻略に不可欠な存在!



アジングのスペシャリスト丹羽喜嗣さんがこれからのシーズンのデカアジ釣りを伝授! アジの動きや食性を正しく捉えれば、釣果がアップすること間違いなし! 今回の取材では、港の足元にデカアジが回遊してくる状況がありました。気になるその攻略法を解説します!

中国・四国地方を中心に活躍するアジングスペシャリスト!

【Profile】

丹羽喜嗣(にわ・よしつぐ)

広島県在住。ライトゲームのスペシャリストで、ターゲットの生態にマッチさせた綿密なゲーム展開を得意とする。ホームは瀬戸内や四国エリア。アジングの楽しさ、奥深さを各メディアで発信している。シマノのソルトウォーターフィールドテスターをつとめる。

春の大型アジは、マズメの短いタイミングで近距離スナイプ!

広島県在住の丹羽さんだが、今回の実釣場所である愛媛県南部には、第2のホームフィールドとも言えるほど通い込んでいるそうです。その理由は、やはり釣れるアジのサイズが大きいからです。

丹羽「個体サイズもそうですが、アジ自体のポテンシャルが高いんです。小魚をしっかり食べていて、体が太い。愛媛県南部特有の複雑なリアス式海岸と黒潮、そしてベイトフィッシュ、これらが組み合わさることで、アジの生育が良く、良型の個体が多いのかもしれませんね」

釣りはマズメの時間帯の短期決戦。愛媛県南部の春アジは、朝夕マズメのごく短いタイミングが時合いとなる。それ以外の時間帯は、産卵を意識し口を使いにくい。

――でかアジを釣るのに最適なシーズンはいつ頃になりますか?

丹羽「アジのスポーニングは春で、産卵に向けた第1陣のアジを狙うイメージ。スポーニングを意識したアジのスクールが、朝夕のマズメに接岸して一気にフィーディングに入るんです。それ以外のタイミングは、接岸した状態のまま群れて、エサでもルアーでも口を使いにくい状況が続きます。産卵に無関係の豆アジは釣ることはできますが、尺がらみのアジはマズメ時以外は、口を使わない傾向が強い」

――春のでかアジ狙いは、マズメ時の短時間勝負ということになりますか?

丹羽「晩冬から春はマズメ勝負になりますね。それが過ぎて、産卵後のシーズンに入ると、今度は体力回復のために荒食いに入ります。その魚は日中でも釣れるようになるんですよね。これから季節が進むとデイゲームが楽しめるようになっていきますよ」

ファーストヒットは残念ながらカサゴ。強風と雨により、夕マズメの釣りは不発気味に。

――でかアジと言うと、概要に面した潮流のあるエリアや磯の近くというイメージですが、春のでかアジはどのようなスポットを狙うのが効果的ですか?

丹羽「エサを食べるために漁港に入ってきた良型のアジは、壁際や敷石沿いをつたって回遊することが多いです。なぜ、アジが漁港の壁ギリギリまで来るかというと、天敵となる青物を避けるためなんですね。群れで行動するのもそうです」

産卵を意識した春のでかアジの時合いは短く、朝・夕マズメの数十分だけ、ということも普通です。

――ということは、港や堤防沿いの足元付近が主戦場となるイメージですね。他に、特徴的な要素はありますか?

丹羽「あと、このエリアでは、アジが常夜灯に依存しないのも特徴ですね。その分、マズメの爆発力が大きいんです。朝夕のマズメの時合いは短いので、そこでいかに集中して釣るかが重要となるでしょう」

すぐ隣でアジングをしていた地元アングラーは短い時合いを見事ものにして35cmくらいの丸々太ったアジをキャッチしていた。


アクションさせず、張らず緩めずのラインテンションで漂わせる!

――春のでかアジ狙いで、ルアーのアクション方法にコツなんかありますか?

丹羽「水温が低い状況や産卵前のでかアジ狙いの場合は、1g以下のウエイトのジグヘッドでプレゼンテーションして、何もアクションさせないような釣り方がよく効きます。巻きもしないし、動かしもしない。ひたすら漂わせるんです」

1g以下のジグヘッドを使って、シェイクなどを動きを加えないで一定レンジを漂わせるようにする。巻きもしないし、跳ね上げさせたりもしません。これが春のデカアジを釣るためのコツです。アジは近距離にいるので遠投の必要はありません。

――何もしないんですか!? 漂わすだけ?

丹羽「そうです。説明した通り、アジは漁港の壁際を回遊しています。ジグヘッドリグをキャストしたら、ラインメンディング(水上の糸を操作)しながら、張らず緩めずのテンションをキープします。繊細なライン操作で調節しながら、ジグヘッドリグをフォール&スイミングをさせていくイメージです」

今回、丹羽さんはソアレXR500SPGを実戦投入。ローギア採用で今回のような繊細なワーム操作が必要な状況にもマッチします。合わせるロッドは、ソアレXR S60SUL-Sです。ちなみに、500SPGの詳しい解説は、下の動画も参考にしてみて下さい。

――その際のジグヘッドのサイズは?

丹羽「今日は風が強いのでジグヘッドはタングステンを使っていますが、本当は鉛モデルの0.6gを使いたいところですね。ただし、季節が進行して水温が高くなってくると、もっとリアクション要素が強くなってくるので、リグを積極的に動かす必要があります。春に釣りをしていて、そのアクションのまま夏もやってしまって、全然釣れないってことはよくありますよ(笑)」

【写真上】TGファインヘッド1g(シマノ)+プリズムベイト(テルズワークス)
【写真下】TGファインヘッド1g(シマノ)+バクバクトレーラー(シマノ)※バクバクトレーラーのパーツを切り取り改造して使用

――では、使用するワームのサイズは?

丹羽「固定概念を取り払って、極端に大きいワームや極端に小さいワームを、ワームローテーションの中に織り交ぜてください。小さいものももちろん食べるのですが、表面的に見えるベイトが小さくても、実は大きめのベイトを食べているということも多いのがこの時期の特徴です。春はキビナゴも産卵でシャローに差し込んできて、大きいアジはこれも捕食しています。30〜35cmのアジともなれば普通のフィッシュイーターですから、10cmほどの細い小魚なら平気で食べますからね」

時合いにハマれば、シルエットの大きいワームにも積極的にバイトしてきます。

『ルアーマガジン・ソルト』2023年5月号 発売情報

『ルアーマガジン・ソルト 2023年5月号』

今号の特集企画は盛りだくさん!「春イカ」「アジング」「ロックフィッシュ&ロックショア」「シーバス」の4つのテーマを徹底詳細!

このほか、小沼正弥さんの代名詞でもあるレバーブレーキ理論をまとめた企画や、村田基さんが登場する「インショア」企画、さらに春は旅の季節ということで特別企画「極上の釣り旅」も紹介してきます。

『ルアーマガジン・ソルト2023年3月号』は全国の釣具店・書店・Web通販サイトでお求めいただけます。

  • 発売日:2023年3月21日
  • 定価:1,500円(税込)